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日: 2014年5月1日

春の競馬、3歳クラシックシーズン, 牝馬強し

2014 MAY 1 14:14:20 pm by 中村 順一

ハープスター

ハープスター

桜花賞でのハープスターとレッドリヴェールの競り合い。

桜花賞でのハープスターとレッドリヴェールの競り合い。

春の中央競馬が盛り上がるシーズンである。3歳クラシックは既に桜花賞、皐月賞が終わり、これから5月末、6月初めのオークス、ダービーを目指していくことになる。

でも、今年の牡馬戦線はちょっと盛り上がりに欠けている。皐月賞はイスラボニータとトウザワールドのたたき合いでイスラボニータが制した。この2頭が現在の3歳牡馬で最強と言ってもいいのだが、このイスラボニータは、去年の夏、新潟2歳ステークスで牝馬のハープスターに、3馬身もぶっちぎられて負けているのである。まだ古馬との対戦が無いので、確定的なことは言えないが、今年の3歳牡馬の迫力は去年のキズナやエピファネイアにはかなり劣ると見て間違いないだろう。

じゃあ、牝馬はどうなのか。これは相当のハイレベルである。桜花賞を勝ったのはハープスター、僅差の2着がレッドリヴェール。昨年末の阪神JF(GⅠ)ではレッドリヴェールがハープスターを負かしている。ハープスターは5戦4勝、2着1回、レッドリヴェールは4戦3勝、2着1回である。お互い他の馬には負けていないのだ。

特にハープスターが強い。父はディープインパクトで、祖母が桜花賞、オークスを勝ったベガ。馬群を抜けてくる迫力は特筆もので、最近にない最強の迫力。ダービーに行ってもかなりの確率で勝てそうである。しかし、陣営はダービーではなくオークスに向かうと言う。オークスを勝った後は10月のパリでの凱旋門賞だ。確かに凱旋門賞は3歳牝馬が特に斤量に恵まれている。昨年はフランスの3歳牝馬、トレヴが勝ったが、斤量は54.5kgだった。それに比べて、惜しくも敗れた日本の古馬の牡馬であるオルフェーヴルの斤量は59.5kgだったのである。ハープスターがこの後、精神的に成長できれば勝てるチャンスは十分にありそう。騎手は今までは一貫して川田将雅が乗っているが、フランスでは、また欧州出身の騎手に替えるんだろうなあ。

ではレッドリヴェールはどうするか。こちらはオークスではなく、ダービーに向かうらしい。追い込みに迫力があり、重馬場もこなす相当の実力馬だが、410キロ台の小柄な馬で、レースに使った後の回復に時間がかかる。オークスより一週間後(6月1日)のダービーの方が調整しやすいとのこと。父はステイゴールド、騎手はC.ウィリアムズ、岩田康誠、戸崎圭太と変わってきたが、今般、ダービーでは福永祐一騎乗と発表された。今年の福永は一昨年のワールドエース、昨年のエピファネイアほどの牡馬の乗り馬に恵まれていない。この段階でのGⅠ勝利馬への騎乗依頼はラッキーだが、祐一は牝馬には強い。ハープスターがイスラボニータをぶっちぎっていることから考えると、ひょっとしたら、少し前のウオッカに続く、牝馬によるダービー制覇もあるかも知れない。少なくとも、レッドリヴェールは、ダービーでイスラボニータ、トウザワールドに次ぐ、3番人気にはなるだろう。小柄の牝馬が、府中の直線で馬群を抜けてくるシーンを見たいものだ。

レッドリヴェールも秋の凱旋門賞に登録している。ダービーに勝てば挑戦するだろう。秋のパリでは、日本3歳牝馬のワンツー・フィニッシュが見られるかも知れない。それほどの可能性を感じさせる今年の牝馬陣である。昨年のオルフェーヴルの復讐戦だ。

盛り上がりますねえ。

 

 

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