Sonar Members Club No.22

日: 2014年5月20日

オークス、ダービーの季節

2014 MAY 20 14:14:08 pm by 中村 順一

オークス、ダービーが行われる東京(府中)競馬場

オークス、ダービーが行われる東京(府中)競馬場

オークス、ダービーが迫ってきた。競馬が盛り上がるシーズンである。春の3歳馬の頂点を決めるレースであり、長い歴史がある。オークスは第75回、ダービーは第81回である。両レースとも戦前からの伝統があるのだ。距離は2400Mのクラシック・ディスタンス、東京府中競馬場のスタンド前からのスタートだ。各馬はスタートしてすぐ左回りに回っていくことになる。昔のダービーは今よりも出走頭数が多く(昭和30年代までは32頭、その後長い間28頭)、スタートの枠順が極めて重要だった。大外では、勝利はまず不可能とまで言われていた。ハクシヨウが勝った昭和36年のダービーで、不利な大外32番枠から直線強襲し、惜しくも鼻の差で2着のメジロオー、ダイシンボルガードが勝った昭和44年のダービーで、大外27番枠から果敢に逃げ、惜しくも3着のハクエイホウ、等々、枠順を巡るレース展開の議論は、昔からダービー、オークスに付いてまわってきた。現在は出走頭数が18頭までに制限されたので、昔ほどの内外の差はないが、やはり、内の方がかなり有利である。

既に寄稿済みだが、牝馬のみのオークスはハープスターがぶっちぎり人気だろう。2番手の馬は評価が分かれる。あまりにもハープスターの存在が大きいのだ。牡馬に交じっても最強かも知れない。ただ、待てよ。3歳牝馬のレースに絶対はない、とよく言われる。例えば2004年のオークスだ。4戦4勝のダンスインザムードが絶対的本命で単勝はなんと1.4倍だった。しかしレースはダイワエルシエーロが勝ち、ダンスインザムードは何と4着。先行策を採った福永祐一の好騎乗だった。ダンスインザムードはパドックから、明らかに入れ込み、発汗していた。自分に負けていたのである。今回もハープスターは自分さえコントロールし、実力を発揮できれば、相当の確率で勝てるだろう。当日は枠順とパドックでの体調に注意したい。追い込み一辺倒なので、先行馬がひょっとしたら番狂わせも、という予想もあるが、府中は直線も長く、あまり心配していない。距離の壁があるかも、という心配もあるが、それはどの馬にとっても初距離であることには変わりなく、血統的には問題なさそう。大外枠になって、外ばかり廻っていると内の馬に逃げ切られる心配はあるが。筆者のハープスター以外の注目馬は、良血のサングレアルとレーヴデトワールである。ただレーヴデトワールは賞金が足りず、出走できない可能性が高い。桜花賞が5着だったのが惜しまれる(4着迄、オークスに優先出走権)。

ダービーはオークスの次週。何といっても、競馬界の頂点といっていい、お祭りの大レースである。本命は皐月賞馬のイスラボニータだろう。6戦5勝、2着1回の堂々たる成績、ただその一回の敗戦はハープスターにぶっちぎられているので、どうも印象が悪い。2番人気は皐月賞2着のトウザワールドだろうが、こちらも弥生賞でやっと勝ったりしており、絶対的な強い印象がない。要は牝馬に比べると混戦ムードとも言えるのだ。予想は難しい。これから各馬の調教をじっくり見て、枠順、当日のパドック等、見極めていく必要がある。注目は既に寄稿した、牝馬のレッドリヴェール。小柄で馬体のキープがポイントだが、桜花賞の後もカイバの食いはしっかりしており、体調は良さそう。福永祐一がうまく乗れば、牝馬のダービー馬誕生もあり得よう。

皆さん、是非この2つのレースに注目してください。

パではオリックス絶好調

2014 MAY 20 11:11:03 am by 中村 順一

抑えのエース、平野佳

抑えのエース、平野佳

本日から交流戦が始まる。プロ野球も序盤戦が終わったところだ。セでは東が大ファンの広島がびっくりの首位だが、パでは、同じくびっくりのオリックスが首位キープ中である。交流戦前、最後のソフトバンクとの3連戦では、なんと3連勝である。どうなっているのか。ここまでやるとは、まったく期待していなかった。

筆者はかつての日本シリーズの常連、阪急ブレーブスのファンであった。熱狂的とも言っていいほど応援していた。突然の阪急からオリックスへの球団売却は、かなりのショックだった。何故、どうして?と、ずいぶんガッカリさせられたものである。その阪急の血を少しでも引き継ぐのがオリックスなので、近鉄との合体等もあり、益々阪急球団のイメージからは遠くなるものの、”一応”ファンであり、応援している。

今シーズン、オリックスは救援陣はいいが、先発のタマ不足、打撃陣もムラが大きく、せいぜいクライマックスシリーズに3位でぎりぎり潜り込めるかどうかだろう、と思っていた。ところが開幕から42試合をこなし、27勝15敗、2位のソフトバンクに1.5ゲーム差をつけて、堂々の首位である。

まず先発陣。西が凄い。7連勝中で防御率は0点台だ。球はちっとも早くないが、今年は変化球の種類が増え、コントロールも良く、凄い安定感である。金子は田中がいなくなった後は、パリーグ全体のエースと言ってもいいだろうが、3勝3敗と今ひとつ。しかし完封した2試合は凄いピッチングだった。今後も勝っていけそうな予感である。3番手以降はやや落ちるが、ディクソン、松葉、井川(相変わらず口を開いてマウンドに立つのは出来ればやめてほしい)が続いている。しかし、期待は何と言っても、ルーキーの吉田一将(24)だろう。JR東日本から、ドラフト1位でオリックスに入団した、長身の右腕。現時点ではストレートは150キロ出ていないが、体が大きく、まだまだ成長の可能性を感じさせる逸材。スライダー、チェンジアップは一流。現時点で2勝。楽天の松井に指名が集中したので、オリックスが単独で指名できたのはラッキーだった。

救援陣はもともといいのだが、今年は益々好調。佐藤達、比嘉、馬原、平野佳の強力4本建、プラス2年前までのストッパーエース、岸田も加わる。何せ、先発ピッチャーは5回まで押さえればいいのだから、かなり楽である。右肩故障もあり、寺原のFA移籍の人的補償として、ソフトバンクから昨年移籍した、かつてのセーブ王、馬原が故障せずに徐々にかつての威力を復活させてくれれば、と期待している。平野佳の安定感はパリーグ1と言ってもいいので、この層の厚さであれば、簡単には崩壊しそうもない。

打撃攻撃陣は従来はあまりあてにはならなかったのだが、今年は内部の競争が効果的に効いているようだ。糸井が首位打者キープ中だし、助っ人のヘルマン、ペーニャもまずまず期待以上。ソフトバンクに李大浩を出して心配したが、問題はないようだ。T-岡田、坂口もいる。手薄でどうしようもない、と思っていた下位打線もチームのいいムードのなかで、安達などいい味をだしている。まだまだ信頼していないが、勝利への執念が昨年よりずっと感じられるのはいい。

交流戦は、オリックスは2010年に優勝したこともある。どちらかといえば得意である。ここで益々勢いを付けてもらいたい。東さん、何十年ぶりに、オリックス(阪急)-広島の日本シリーズを期待しましょう。

 

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