2月10日から旧暦の新年が始まります。
2013 FEB 9 10:10:11 am by
先日の2月4日は新しい干支である「へび年」のスタートと記述いたしました。
東さんの誕生日でもあります「立春」は、中国由来の太陽暦(太陽の周りを公転する地球の位置から割り出した暦)での新年であることは確かです。
この中国由来の太陽暦、その根っこには、以前、東さんが投稿された「陰陽五行」の思想があります。甲(木の陽)、乙(木の陰)、丙(火の陽)、丁(火の陰)、戊(土の陽)、己(土の陰)、庚(金の陽)、辛(金の陰)、壬(水の陽)、癸(水の陰)という、陰陽五行をベースとした10年サイクル。その初日が「立春」です。
そして皆様良くご存知の12の干支(えと)が新しく始まるのも「立春」です。今年は癸(みずのと)の巳(へび)の年となります。 ちなみに、上記10年サイクルと、干支の12年サイクルの最小公倍数は60年で、60歳になる年に自分が生まれた時と「陰陽五行と干支」が全く同じ組み合わせになりますので、同じ暦が還って来るという意味で「還暦」というわけです。
そして、中国人が今でも日常生活で使っている旧暦は、上記太陽暦に更に、月の動きを組み合わせています(太陰暦の併用)。ごく簡単に言えば、立春に最も近い「新月」の日が、元旦というわけです。今年は、2月10日が立春に最も近い新月の日で(月齢がゼロで月が真っ暗な状態)旧暦で言う、新しい年のスタートです。中国では、爆竹をハデに鳴らして、この日から長いお正月休みに入ります。上海の株式市場も勿論、長い休みを取ります。ちなみに今年の場合ですと、西洋暦との関係は次のようになります。
旧暦1月は 西洋暦の2月10日から3月11日まで(旧暦での1月7日、春の 七草も野山に食べ頃な状態です)
旧暦2月は 西洋暦の3月12日から4月9日まで(春分の日は必ず旧暦の2月 に入る。正に春を2つに分ける日)
旧暦3月は 西洋暦の4月10日から5月9日まで(旧暦3月3日のひな祭り、 桃の節句という名の通り、桃が満開の時期) となります。
上記各月ともに、一日(ついたち)が必ず新月で、月半ばに満月、そして月末は次の月の新月前日というわけです。
そして、旧暦1月から3月は、季節は「春」です。
ただし、私たちが抱く「春」のイメージとは違っていて、旧暦1月は「寒さの最後のあがき」(秋田県内陸部の豪雪地帯では、旧暦1月の前半に最も雪が積もると言い伝えられているそうです)、旧暦2月に入るとグングンと日増しに暖かくなっていって桜が咲き、旧暦3月は完全に暖かくなった日々が続くと、だいたいこんな感じです。
我が家では旧暦で大晦日(おおみそか)の本日2月9日、旧暦元旦の明日2月10日、シャンパンでささやかにお祝いします。 花崎洋
暦について。
2013 FEB 4 12:12:38 pm by
梶浦さんが京都の節分風景について投稿してくださいました。1000年以上の歴史を感じさせる京都が持つ独特の深みが充分に伝わって来ます。
さて、今年は「へび年」ですが、厳密に言えば、節分の次の日である、本日2月4日からが「へび年」のスタートです。(節分までは「たつ年)
そして、2月10日が旧暦でいう新年の始まりです。ご存知の方も多いとは思いますが、中国では世界の主流となっている西洋暦と共に、この旧暦を併用していて、自国の新年の春節祭等のお祭り行事や、個人の誕生日などは、この旧暦に則っています。(ちなみに来年2014年は西洋暦1月31日が旧暦の元旦)
日本では江戸時代までは、この旧暦が使われていましたが、明治政府になって、法律で旧暦使用を禁じてしまい、今に至っています。
ややこしくなりますので、旧暦のメカニズムの説明は一切省略しますが(一点のみ申し上げますと新月の日が必ず各月の一日になる)、旧暦で生活してみますと、例えば次のように、まさに季節の変化と共に、情緒ある素敵な生活が可能となります。
・最近、暖かい日があったように、旧暦の1月1日が近づくと、春の気配を実感 出来る。「新春」という言葉も、しっくりと来る。
・新暦(西洋暦)の七夕、7月7日は梅雨期間中で、乙姫様と彦星様の年に一度 の逢瀬はまず不可能だが、旧暦での7月7日は、年によっても異なるが、概ね 西洋暦の8月初旬から中旬頃にやってきて、梅雨もとっくに明けていて、その 頃に雨が降ることはまず有り得ない。(今年の七夕は西洋暦の8月13日で す。)
・旧暦では19年に7回、閏(うるう)月が入りますが、つまりその年は1年が 13ヶ月になるわけですが、どの季節に閏月が入るかで、その年の気候の特徴 もある程度予測が出来る。ちなみに温暖化が叫ばれ始めた20世紀の後半から 将来の21世紀半ば頃までは、「夏」に閏月が入り、つまり、夏が4ヶ月と長 くなる年が多くなっているそうです。暑くなるわけです。この事は何と200 0年も前から太陽と月の動きを計算することで分かっていたそうです。
さらに間接的に聞いた話ですが、ある漁師さんによれば、自分の仕事場である海に初めて秋刀魚が回遊してくる日が、旧暦で見ると、毎年ピッタリ同じ日になるとのこと。また、ある衣料品店経営の社長は旧暦で木枯らしが吹き始める日を予測して、冬物セールの計画に活かしているそうです。
四季が明確に存在し、昔から季節の変化の妙を愛でて来た日本人、旧暦(太陽太陰歴)を意識しないで過ごすのは、もったいないように思います。花崎洋