本日、5月10日より旧暦の「夏」が始まります。
2013 MAY 10 5:05:24 am by
先日、5月5日は「立夏」でした。中国由来、陰陽5行説に基づく太陽歴の上では、既に夏は到来しておりますが、月の運行(太陰暦)をも併用する旧暦では、月齢ゼロ(月が真っ暗な状態)となる本日から、夏が始まります。今年の旧暦の夏は、次の3ヶ月間です。
旧暦4月:西洋暦の5月10日から6月8日まで
旧暦5月:西洋暦の6月9日から7月7日まで
旧暦6月:西洋暦の7月8日から8月6日まで
さて、この旧暦の夏ですが、西洋暦にすっかり慣らされてしまっている現代の日本人が抱く「夏のイメージ」とは、かなり異なります。
旧暦4月(卯月、うづき)
梅雨期に入るまでの、新緑鮮やかな、もっとも過ごしやすい時期です。日光が鋭くなり(紫外線の分量は西洋歴8月に匹敵する)、日の出の時刻もグングンと早くなり、昼の時間が長くなっていきます。朝晩の若干の涼しさは未だ残りますが、陰陽の「陽」の側面がたいへん強くなって来るという意味で、夏の最初の月というわけです。
旧暦5月(皐月、さつき)
この皐月は、梅雨の時期とほぼ重なります。「五月晴れ(さつきばれ)とは、辞書を引きますと、「元来は梅雨の合間の晴れの日」という意味と出ています。また男児のお祭りであります旧暦5月5日の「端午の節句」の代名詞でもあります「こいのぼり」は、元々は梅雨期で水かさが増えて流れが速くなった川を勇敢に登っていく鯉のように、男児が元気に育ちますようにとの願いの象徴だそうです。この「端午の節句」が梅雨期のお祭りであると初めて知った時には、私も大いに驚きました。
旧暦6月(水無月、みなづき)
この月に入りますと、梅雨が明けて、雨の無い時期(水無月)に入ります。そして、気温が最も高い盛夏(太陽歴の上では「大暑」)を迎えたところで、旧暦の夏が終わります。その後の秋のお彼岸頃までの暑さは「残暑」と呼ばれる旧暦上の秋となります。
花崎 洋