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私が選ぶ「9人の指揮者によるベートーヴェン交響曲全集」(4)第4番変ロ長調

2013 JUL 21 10:10:37 am by

今回は4回目、交響曲第4番変ロ長調です。

◎曲目に関する若干のコメント

作品番号55第3番「英雄」を、満を持して発表したベートーヴェン、中期黄金期を迎え、まさに乗りに乗っている勢いを感じさせます。

作品57は、ピアノソナタ第23番ヘ短調「熱情」

作品58は、ピアノ協奏曲第4番ト長調

(あくまで、私個人の感じ方に過ぎませんが、上記2作品は「陰陽のコントラスト」が非常に明確であるのと同時に、熱情ソナタは「極度の凝縮感」、P協4番は、それに対して「解放感と癒し」というコントラストも感じられてなりません。)

作品59も大変有名な「ラズモフスキー弦楽四重奏」の3曲(真ん中の第8番はホ短調と第4番ハ短調に引き続き再び短調の作品)

今回の交響曲第4番は、ラズモフスキーに引き続く作品60です。

ちなみに次の作品61は、これまた有名な「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」です。

上記の創作過程からの推測ですが、またベートーヴェンが自身で付けた作品番号からの乱暴な推測に過ぎませんが、交響曲2番、3番と「大規模化」と「内容の極度の凝縮」というプロセスを辿り、恐らくは「自己実現の場」でもあろう、弦楽四重奏にて、同じ目的を果たせた!と実感したベートーヴェンが、今度は、その逆のコンセプトである「解放感や、寛ぎの感情」を交響曲の場で表現してみようと意図したと思われてなりません。この4番交響曲に続く作品61のヴァイオリン協奏曲も、同じコンセプトに入ると思われます。

私個人の好みの話で恐縮ですが、私はベートーヴェンの9曲の交響曲の中で、最も好きなのは、この4番です。ちなみに好きな順を挙げますと、4番と6番→2番→7番と8番→1番→9番→3番→5番という順番になります。つまり、短期間でサッ書き上げた作風の方を、時間をかけて凝縮した作風よりも好きなわけです。同じことがブラームスの交響曲にも言えて、2番が最も好きで、1番は息がつまるようで、余り好きではありません。

 

◎私が選ぶ交響曲第4番のベスト1

ムラヴィンスキー指揮 レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団演奏(1973年4月29日 ライブ録音)

上記にも触れましたが、この4番、「開放感や、くつろぎ」をベースにしてはいるものの、作品55の英雄交響曲や作品57の熱情ソナタで、正に異常なほどの「凝縮感」を達成しているベートーヴェンですので、彼自身は、充分に寛いでいるつもりでも、我々凡人が、ボーッとしている緊張感のレベルとは、勿論、雲泥の差であることは間違い無いと思われます。

つまり、この第交響曲の演奏は、曲の上辺の印象とは真逆の、緊張感に満ちた、切れ味の鋭い演奏でないと、この曲の良さは、ほとんど出ない! と私個人は考えます。その意味で上記ライブ演奏は理想的であります。

ある意味、冷徹なほどにスコアを読み込み、曲の本質に対する洞察の鋭さが具現化されている演奏は、他に無いと入ってもけっして過言ではないと思います。

全ての楽章が速めの理想的なテンポで進み、緊張感は一瞬たりとも途切れず、ティンパニーに代表される切れ味鋭い表現、などなど言葉にすると野暮な、私がこの曲に持つ理想的なイメージを、ことごとく体現していると思います。

ベートーヴェンの9曲の交響曲の中で最も好きな4番ですので、個人的な視野の狭い拘りの感情が異様に増大した結果なのですが、このベスト1に推薦しました演奏以外には、現在では、満足の出来る演奏は、正直言って、ひとつもありません。

よって、今回は次点の名盤の推薦は、敢えて取り止めさせていただきます。

また、今回は著しく客観性に欠けた記述になってしまったようでして、誠に申し訳ございません。 花崎 洋

 

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