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ベートーヴェンのコーヒー

ベートーヴェンはコーヒーを淹れるときに、きっちり60粒を数えていたと伝記は伝えている。有名な話ながら勿論彼の音楽とは何ら関係もない。下世話な話だが実際に数えてみると私の場合は61粒であった。ベートーヴェン君、なかなかいい線いってるじゃないか、と思ったが大体このあたりの数字は中央値なのかもしれない。
一日に3度のコーヒーを欠かすと干からびてしまう、と歌ったバッハの「コーヒー・カンタータ」(1732年ころ)にあるが、それから60年後、コーヒーは広く世間に行き渡りウィーンには多くのカフェがあった。シューベルトは仲間たちとカフェに集っていたが、耳の聞こえない哀しいベートーヴェンはそれを横目で見ながら自宅で淹れていたのであろう。淹れ方はメリタ方式のような便利グッズはまだなく、トルコ式のミルで挽いた豆をガラス製のサイフォンか布のフィルターで落としていたにちがいない。
一方コーヒーとくればケーキはどうだろう?砂糖はすでにヨーロッパ全土に行き渡っていたので、これに卵があればそれなりのお菓子は出来たに違いないし、「パンがなければ、ケーキを食べればいいのに」とマリー・アントワネットの言葉も伝えられている。ただウィーンの銘菓ザッハトルテが登場するのは1832年なので、ベートーヴェンは食べていない。それにしてもコーヒー片手にケーキを食べるベートーヴェン、なんとも微笑ましい。

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  1. 東 賢太郎

    4/20/2017 | 10:23 PM Permalink

    モーツァルトも好きだったし当時のウィーンはトルコ産品が嗜好品だったみたいですね。ライプツィヒのカフェ・バウムがドイツ最古でシューマンが確か常連でした。

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