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素晴らしきマイナーレーベル

2018 JAN 27 21:21:44 pm by 西村 淳

テディ・ウィルソンこそ数多いジャズ・ピアニストの中で最高のマイ・フェイヴァリッツでマイ・アイドルでもある。こんな洒落たピアノが弾けたらどんなにいいだろうとどれほど思ったことか。最近Mosaic Recordsに発注したテディの1936年から42年にかけて録音されたセッションがもうそろそろ届く。

Mosaicというレーベルはもうかれこれ30年以上前になるが、LP時代からのお付き合い。モノクロの写真ジャケットに、詳しいレコーディングデータや写真など貴重なデータが満載のライナーノーツ、今のようにネットから簡単に発注できるような環境はなかった時代のことだ。手紙を書いて、見積書を送ってもらい、銀行にバカ高い手数料を払って海外送金。少しでもお金を節約しようとして、Air(航空便)ではなくSurface(船便)でレコードが到着するのを首を長くして待っていたものだ。MosaicのCEOのマイケル・カスクーナはBlue Noteレーベルのプロデューサでもあるし、膨大なジャズの録音を後世に遺産として伝えたいという強い思いが感じられる。これまで制作されたレコード(CD)セットのカタログはジャズの歴史そのもので、別テイクまですべて収録して楽しませてくれる。使命感に満ちた音作り、そして何よりもジャズそのものを慈しみ、大切に、そして愛していることが溢れ出ているのがこのレーベルの特徴だ。
ここと同じようにクラシックの歴史的な録音を掘り出し、最上のデジタル・リマスターを行ってリリースしているのがWard Marston率いるMarston Records。自分の名前をレーベルにする前、彼はメジャー、マイナーレーベルを問わずクラシック音楽の歴史的遺産のCD化に大いに貢献してきた。代表的なものはRCAのクライスラー全集がある。またイギリスのBiddulph(弦楽器工房でもある)からは大変良質な弦楽器やピアノのCDを多数リリースしている。ここのコルトーの復刻などはマーストンの手によるものがどこよりも素晴らしく、最高の音質を誇る。SP時代の音源、そしてそこにMarstonの名前があれば品質保証されたも同然で、中古店でCDを見つけたら何はともあれ入手してしまう。その音楽への接し方、情熱をもって音楽を慈しむ姿はMosaicのカスクーナに重なる。
現在、Marston レーベルは歌手とピアノの復刻の二本柱で会員(歌手会員とピアノ会員)になると、それぞれ特別に復刻したいくつかの録音をサービスで、送ってくれる。(もちろん新譜の正規品はお金を支払って買う)そのなかでもリスト、メンデルスゾーン、ベルリオーズ(!)らと親交を結び、ショパンの演奏に直接触れたことがあるとされるフランシス・プランテの復刻はクラシック音楽愛好家の宝物に違いない。


ここで耳寄りな話。とうとうテオドール・シャリアピンの全録音がMarstonからリリースのアナウンスがあった。もちろん、帝国ホテルのメニューにシャリアピン・ステーキとしてその名を遺すエンリコ・カルーソと並ぶ20世紀最大の歌手だ。
両方のレーベルとも、個人相手の通信販売のみ、限定盤として入手できる。

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