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両国界隈

2018 MAY 21 21:21:17 pm by 西村 淳

20数年前、住居を今の場所に決めた。決め手はロケーション。その当時は出張も多く週2回の国内、年2回の海外、みたいな感じで羽田と成田、東京駅への利便性を第1に考えたことに加えオフィスが西新宿にあったことから大正解だった。何しろ田舎から出てきてしばらく住んでいた西武新宿線沿いの久米川では夜、最終便で羽田に降り立ってから我が家がはるか遠くに感じられ、なんとか間に合った電車で読書に夢中になって乗り越してしまい、戻る電車がない始末。ここ両国に居住してからはそんな精神的な負担はほとんどなくなった。言うまでもなく通勤時間は短ければ短いほどいいということも実感できた。
このあたりは本所・深川という江戸の下町。関東大震災と戦災でそのほとんどが灰燼に帰してしまったエリアで、海抜もほとんどゼロメートル地帯。地味としては良いわけがなく山の手の住人からはその点が一番評価されないことと聞く。ただ、東日本大震災の時には液状化現象が起きたわけでもなく、(今話題の豊洲なんかはマンホールが柱状になって突き出していたりしたが)唯一の心配は大雨、大嵐の荒川の氾濫か。
良くないことばかりではなく、白髭神社のお祭りは下町の風物詩であろうし、本所松坂町では吉良の殿様はそれほど悪人でもない、とばかりに毎年吉良祭が行われるし、近くの回向院は鼠小僧次郎吉の傍に我が愛猫ビリーも眠っている。何と言っても尊敬する葛飾北斎ゆかりの地でもあり最近では小さいながら北斎美術館までオープンしてしまった。北斎はライフ誌にミレニアムの年、最近1000年で最も影響のあった人物100人の中に選ばれた唯一の日本人であるが、海外での評価と極東のガラパゴス島の評価に乖離を感じてしまう。東に行けばポケモンGOの聖地でもある歓楽街・錦糸町。そうそうポケストップのあるちっぽけな野見宿禰神社は相撲の神様がいるそうだ。
一方、「すみだトリフォニーホール」は度々ライヴ・イマジンでは本番に、練習にたびたびお世話になっている。このホールの音響とプロフェッショナルな運営は他の公共ホールとは一線を画す。第40回の記念公演がここで出来ることが自慢のタネ。演劇ではやはり聖地となっているシアターΧ(カイ)。ソナーメンバーのお一人、早野ゆかりさんが出演する演目も今月の25日からここで予定されている。
こうして挙げてみるとわが街も悪くない。それどころか歴史を大切にし、その伝統を現代に生かしていこうという姿勢が古い下町の空気にモダンの息吹を吐きかける。
夜の帳が落ちるころ、ふと見上げるとスカイツリーのイルミネーションが美しい。強烈に現代を主張しながら。

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