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音程

2018 DEC 2 19:19:37 pm by 西村 淳

音程のことで苦労している。
まず、基準となる音律はどれなのか?音律と言うのはドレミファのことで一番慣れ親しんでいるのが12音平均律と言われるピアノの調律だ。ところがこの平均律と言うやつはドミソの和音がきれいな響きにならないらしい。「らしい」と言うのは昔ピアノをやっていた時には本当はあまり美しく響いてなくてもそういうものだ、と納得していたし耳がそれに慣れてしまったこともあると思う。
かれこれ30年以上もの話だがピアノからチェロに転向すると一番の違いは楽器を自分で調弦しなければならいことだった。
A線、ラの音を当時は440Hzの音叉に合わせるようにしてとり、以下のD線、G線、C線とうなりを聴きながらアジャスターで調整する。これが完全五度。しばらくすると世にはチューニング・メーターなる便利なものが出回り始める。メーターがついていて音を出すと針が振れ「正しい」時には真ん中で止まるという仕組みだ。ところがその頃のメーターは平均律しかなかったし教わっていた先生も平均律できちんと弾けるならだれにも文句なんか言われない、みたいなことを仰る。その当時、桐朋学園には音程確認円盤みたいなものがあって出した音が高ければ右回転、低ければ左回転するような仕掛けがしてあったそうで、これが平均律。そもそも純正五度の調弦をしておきながら、平均律で弾く練習をするという窮屈なことを大真面目にやっていたわけだ。「権威ある」音大でこれだ。小澤征爾さん世代の人たちは多かれ少なかれ苦労をしたに違いないが日本のオーケストラがどこか響きが薄いことの一因かもしれない。
ではどうするか?最近やっているのはピタゴラス音律で弾くこと。どんな古典調律を使ったところで、長所短所は持っているのでこれで徹底的に耳を作り直そう。チェロは一番下の音を弾くことが多いのでこれでいけるはず。和音ではドミソのミがとても重要になるはずで、ぶれないドを弾けば、ミを担当しているヴァイオリンやヴィオラに迷惑をかけることはないはずだ。ピタゴラス音律のチューナーとにらめっこの毎日が続く。おお、針が中央に!さてさてこんなアプローチをこの歳になって始めている・・なんか遅れてきた青年そのものではないか・・。

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