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静けさの中から (12) レクチャー・コンサート

2019 DEC 20 21:21:15 pm by 西村 淳

☘(スーザン):コンサート前のトークは最近よくあることだけれど、普通は奏者の一人が舞台に出て、「本日の聴きどころ」といった話を簡単にする程度だ。でも、今日の主催者のリクエストは私たちフロレスタン・トリオのメンバー全員が出てそれぞれのパートの抜粋を弾きながら解説をしてほしい、というものだった。
じつは私たちは今まで、このようなレクチャーに積極的ではなかった。本番の直前に、1時間もかけて曲目の解説をするのは、実際、とても疲れてしまうものなのだ。なによりも、気が散ってしまう。開演前に演奏者が自分でレクチャーをすればさらに集中力が高まる、と思う人もいるかもしれない。でも実際は逆効果で、演奏そのものに対して、言葉では表現しにくいが、距離感みたいなものが生まれてしまう。コンサートそのものはあまり重要ではなく、曲目解説のために実演をしているような気持になってしまうのだ。コンサートでは、音楽そのものが一番大切であるべきだと思う。でも、「音楽」よりも「言葉」のほうが人間に直接的に訴える力があり、理解しやすい。だから主役が「言葉」にとってかわられてしまい、「音楽」がわき役に甘んじてしまうのである。

🍀(私):ライヴ・イマジンでは演奏を始める前に、ご挨拶としてわたしがプログラムのことを中心に5分ほどお話をさせていただく。またライヴ・イマジン37でやったように(初めてのことだが)東さんに「さよなら、モーツァルト君」というプログラムに沿った興味深いお話をしていただいたこともある。ピアノも弾いてこれは20分。また音楽指導をしていただいている古典四重奏団の田崎先生はプレトークと称して、15分ほど開演前にメンバーの演奏を交えてレクチャーをやることがよくある。スーザンが指摘していることは事実であるし、本来であれば「俺の音楽を聴いてくれ」ですまされるはずであるが、実際にはレクチャーという形は好評を得ることが多くお客様は楽しみにしていることのほうが多いようだ。聴衆のひとりとして参加してみるとやはり「言葉」のもつ直接的、直感的なパワーは具体的で直接心に届く。だからこそ言葉はえらばなければならない。あり方としては演奏をする人とレクチャーをする人が同じであるよりは、別の人のほうが全体の水準は高まるような気もするが・・なかなか企画するほうは苦労しそうだ。

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