日日是楽日
2021 AUG 11 17:17:24 pm by 西村 淳
2021年3月31日をもってサラリーマン人生が終わった。最後の五年間は鉄鋼関連の会社だった。しばらくリモートワークだったのですんなりと新しい環境になじむことができたが、同じように家にいると言っても仕事をしているのとしていないのは天と地ほども違う。
小さい頃から協調性のない奴(と言われていた)だったがそれを第一に求められる社会で30年余り。そんな中にいてもやはり同調性なんか全くなかったし、すべて自分で判断して結論を導いてきた、というかそうしかならなかった。とにかく会社という小さな世界の中での歓びは仕事の達成感であり、それが世の中のためになるという自負があってのこと。これがあったからこそじっと我慢も出来た。その一方で手柄は横取りされるわ、出る杭はめり込むほど打たれるわ・・止めておこう、愚痴ったところできりがない。
最近は如実に足腰の衰えは感じられ、時々思考が止まっていることがわかる。外見上はごまかせても歳相応というべきものは絶対にある。つまらぬ努力はせずに自然を受け止めよう。爺は突然やってくるらしいからそれまでにやるべきことをやっておこう。
チェロの練習も日頃やれなかった基礎練習を再開。指ならべ、スケールと音程確認。今になってその大切さを思い知る。
そういえばライヴ・イマジン47のヴァインベルクのピアノ五重奏曲の練習だって平日昼間にみんな集まってできるようになったのは、私の足の鎖が解かれてからだ。1日24時間のうち12時間働いて、7時間睡眠。残り5時間で飯を食い、風呂に入り、資料原稿を探りながらなんとか練習時間をひねり出す。これほどの時間制約の中でよくライヴ・イマジンを継続できたと思う。
一方、家にいることが多くなって半径500m圏内でしか生活していない。当然他人との接点もなくなるし近視眼的にモノの値段に敏感になったりする。お、水が2Lで75円。買いだな~んちゃって。行動半径が狭くなった分、本を読み、歴史を語り、はたと膝を打つ。知らなかったことばかり・・そう、今からだって遅くはない。
「知らなくてはならないことを、知らないで過ごしてしまうような勇気のない人間に、わたしはなりたくありません」いかんいかん、気が短くなってテレビに向かって文句を言うガミガミ爺さんにならないように自戒すべし。
さて、秋も立ったことだし昔から気になっていた漱石の「自転車日記」でも読もう。
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西牟呂 憲
8/11/2021 | 11:53 PM Permalink
西村さん、
足腰どころではありませんですぞ、お気を付けください。
私はついに断酒し(させられ)ました。
そして止め(させられ)ても何一つ快適になりません。
お互い復活の日を目指しましょう!
西村 淳
8/12/2021 | 6:13 AM Permalink
そうです、走っていて2回も躓き転倒しました。メガネはひしゃげるし、散財したのでもうそれ以降走るのは止めました。(笑)
断酒は相当に堪えそうですね・好きなものをとるか年金受給年月をとるか、究極の選択。
東 賢太郎
8/13/2021 | 12:40 PM Permalink
西村さん、サラリーマン卒業おめでとうございます。僕は55才でしたが、何より嬉しかったのは満員電車に乗らなくてもいい事でした。あんな狂気の沙汰は世界のどこにもないんです、日本はそれひとつとっても明らかに異常な社会なんですね。しかも、それに耐えるから世界でも裕福な方だと思ってたら、もう一人当たりGDP(ざっくり国民の平均年収です)は韓国に抜かれてます。政府もマスコミも報道しませんが事実です。このままだと俺たちの人生なんだったんだということになってくるでしょうね。べつに政治家でないんで他人様はともかく自分の時間を大切にしたいですね。
西村 淳
8/13/2021 | 8:50 PM Permalink
ありがとうございます。
何故か卒業の清々しさがないのですが。
満員電車は誰だって嫌なはずなのに、みんなやってることだから、と異様なことでも受け入れてしまう。在宅勤務のメリットはこの浪費していた2時間を自分のために使えた、ということに尽きます。こんなことが日本でも現実に起きるんですね。
さて、残された時間はどれ程か、これから北斎にちなみ人生90年計画を早急に立てなければ・・