Sonar Members Club No.36

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年若い友人への手紙

2014 FEB 6 11:11:08 am by 西牟呂 憲

久しぶり。その後どうしているかい。噂も聞かないが随分参っているようなので、手紙を書いてみた。大変なことになったのを耳にしたのが1年前だから少し間が空いたので、手紙でも読む気になったかとしたためている次第だ。別にこのまま捨ててしまっても構わない、僕には分らないからね。

まあ、あの事件については今更(このイマサラがポイント、直後ではこうはいかん)なのでどうこう言うつもりもない。しかし、この程度の時間が経てば多少考えも変ってくるもんだろう。無論、色々な感情は、全くの忘却でもしない限り無くなりはしない。今思い出してここで頭に来られてしまってはオジャンだからそのことには触れない。聞いて欲しいことはこれからだ。

その後、辛くも生きていることは、実は大変マトモなことで、キミは十分堪え忍ぶことを学んだはずだ。キミのことだからこの言葉を素直には受入れられないだろうが、僕はそう思っている。現に生きている。そして今後も(普通に考えれば僕よりも)長く生きる。どういう道を歩んでいくか、それはきっと僕の想像もしないことになっていくと思う。そして様々な人に触れあったり、多くの経験を積んでいくはずだ。当たり前の話だが、女性と出会い人の親になっていくだろう。しかし新しく出会う人がどんな人かにせよ、1年前のことを決して口に出すな。一度口にすればするほど、後戻りすることだと心得たまえ。

断言できるが、例えば10年も経ってしまえば、その件を口にする時に必ずウソが入る。「実は」「本当は」「今まで言わなかったが」といった前置きの後に続く言葉がいかに虚飾に満ちているか、僕ぐらいの年になるとよく分る。それは一面仕方の無いことだし、誰でもそうなのだ。キミを良く知っているから、敢えてこんな余計なことを書いているのだが、キミはそこで嘘を並べるたびに苦しむはずだ。そして一切誰にも言わないということは、キミの側から言えば恐ろしく孤独なことでもある。しかし考えて見てごらん。自分から言わなければ誰もそんなことは聞きに来ない。あれはどうだったんだ、と聞かれたらば、自説でも反論でもすればいいが、わざわざ聞きに来る者などまずいない。従ってあの話はキミの新たな知り合いにとっては無かったことになるだろう。

どうも当時の関係者とは連絡を絶っているようだが、それはそれでいい。だけど長い人生どこかでクロスすることがきっとあると思う。そんな時はシレッとして明るく挨拶できるようにし給え。別に無理に笑うこともないが、肩肘張ることなく普通に会話できるような胆力をつけることだ。そしてその後は人の噂を気にせず、端然としていればいい。こういうことはコツがあって、そういった『噂』とか『評判』に近づかないようにする、仮に偶然耳に入っても一切無視する、といった癖をつけること。これもまた孤独な振る舞いと言えるのだが、できるかい。分かりやすい例を挙げると、一人で口も利かずに酒を飲む行為が一番近いのじゃなかろうか。一人で飲む習慣があるかどうかは知らないが、ジッと黙々と飲んでみると、しみじみと解ってくると思う。

キミのことだから、面白可笑しく生きていくだろう。しかし犯罪だけは犯さないように。即ち、新聞・テレビ・ネットに名前が出てしまうと、キミの最も嫌う『あいつならやりかねない。』という心ない話題に堕すだろうから。返事は無用。体に気を付けてな。

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年若い友人からの返事

Categories:遠い光景

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