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国境を考える Ⅶ 

2015 APR 22 19:19:20 pm by 西牟呂 憲

 今日ではあまり声高に十字軍とは言いづらい。キリスト教VSイスラム教の構図があまりにも頂けないからだ。その十字軍時代にルーツを持つ聖ヨハネ騎士団がある。塩野七生氏がローマ物でも取り上げたマルタ騎士団のことである。

マルタ騎士団の国旗

 パレスチナからスタートしてロードス島を領有。オスマン帝国にそこを追い出されるとマルタ島に移る。どうやらここで普段はイスラム船に対する海賊行為をしていたようだ。
 僕は一度マルタ島を訪ねているが、バレッタの町はいかにも要塞風だった。
 そしてナポレオンによってマルタも失うが、驚いたことに今日でも存続しているのだ。ローマに事務所を持っており、そこは大使館扱いの治外法権(イタリア等カトリック国は国家として承認)であるとか。国連にもオブザーバー加盟済み。現在約一万人の国民がいて、コインも切手も発行している。
 尚、実体は国旗のデザインの赤字に白十字といった逆バージョンの救急車を走らせるNGOの医療法人らしい。なんだか公開の秘密結社というか、陰謀のないフリーメイソンというか。いっそマルタ騎士団の国籍でも取って見ようか。

Domaro_en_McLeod_Ganj[1]

 ダライ・ラマ率いるチベット亡命政府も領土が無いと言えばそういうことになる。左の写真はダラムサラの光景で、ちゃんと行政機関も立ち並んでいる。憲法草案も持っている。
この地域はインド共和国より『与えられた』ことになっているが、厳密に言えばインドの治安機関によって守られているのか。
 インドといえば、財閥で有名なタタはパールシー族すなわちペルシャ系の民族で、混乱を逃れて遠くインドの東側までやってきた。従って地元のヒンドゥ・ドラビダ系の(100種類以上あるとされる)言葉は使わず、結果として固有のマザー・タングを失い完全な英語部族となる。インド経済を支えているが、その宗教はゾロアスター教で、男系にしか伝わらない。皇族みたいなもんで、一向に人口が増えないのだそうだ。一説にはやって来た際に部族の増加を気にした当時のマハラジャに、そうすることによって人口を増やさない、と約束したからと言われている。日経の私の履歴書を書いたラタン・タタ氏もタタ姓を名乗る最期の一人だ。
 こういうのは税金は払うものの、国境なき民族とでもいうのか。在外のユダヤ・チャイニーズ・ロマ・クルドといった連中も皆そうか。

 そう言えば昔『五族協和 王道楽土』なんていうのもあった。この五族とは日・満・蒙・鮮・漢だった。

 国境なき国家。それにしてもⅠSには困る。

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Categories:国境

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