Sonar Members Club No.36

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赤い借景を二枚

2015 JUL 22 21:21:36 pm by 西牟呂 憲

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 夏至から既に1月経ってしまうともう夕日の落ちる場所が変わってくる、或いは夜明けの時間がズレて来ます。みなさんお気づきでしょうか。
 日本の場合梅雨が挟まってしまうので夏はこれからなのですが、僕はいつも「ああ、盛夏はもう過ぎてしまうな。」と意識します。そりゃあこれから暑くなるのですが。
 珍しく散歩していて、思わずスマホに納めたのが右の一枚、そして素晴らしい色だったと友人が送ってくれたのが下の一枚です。
 残念ながら腕が悪くて右の一枚は『赤』が出ませんでしたが、明るすぎたのでしょうか。見ていて吸い込まれてしまいそうな色合いだったのですが。遠景の町並みが切れ込むあたりは真っ赤だったのです(繰り返しで恐縮ですが私は色覚異常)。

 上海を旅行した芥川龍之介が思い出についてインタヴューされた記事がありますが、彼はそこで『一番忘れるのは色です。』と答えています。しかし芥川ほどの人が、何かの印象を持った時点で目に焼き付いた色を忘れるはずはないでしょう。これは忘れるというより思わず筆をとって文章を書きつけるまでに彼の感性が発酵していなかったため、意識に残らなかったのではないか。あの鮮やかな文章が成立した時には実際とは別の色彩が施されてしまったに違いない。それを天才たる彼は『色を忘れる』と言った、というのが私の解釈です。得意の皮肉が脳裏に浮かんだ際の目に留まった物の実際の色を忘れるはずがないと思っています。

 私は安易にスマホでパチリとやりましたが、その時ある事でムシャクシャしていた気分は覚えていて、その感覚がこの写真よりももっと硬質な赤と刷り込まれたか・・・。やはり天才には程遠い。
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 一方左の写真は堂々たる『赤』が映っています。どうです、この胸騒ぎがするような赤。
 こちらは自分で見たわけではないので、勝手に『空が怒っている』でも『天が嘆いている』とでも言うことが可能です。色を見ながら印象を作り上げていくわけですね。

 蛇足ながら、第三京浜を飛ばしてくる時にガンガンかけていた、舘ひろしがリード・ボーカルの『クールス』というバンドが歌った『紫のハイウェイ』という曲が重い浮かびました(恥ずかしいですが)。「背中に受ける、オレンジの輝き、黒いマシンに、命預けて、」という危ないロックンロールでしたけど。

 ところで皆さん、この二枚。どちらかが夕焼けでどちらかが朝焼けです。お分かりになる方はコメントに書き込み下さい。正解の方には抽選で仮想通貨 100万ソナー・ダラーを贈呈しましょう。

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夕空晴れて秋風吹く (エスパーからの写真)

今はもう秋 港で思ったこと

Categories:春夏秋冬不思議譚

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