Sonar Members Club No.36

日: 2016年11月7日

雨ニモマケズ

2016 NOV 7 0:00:42 am by 西 牟呂雄

 友人がさるところで聞いてきた講義の内容が素晴らしい。宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を英訳してみる、というテーマだった。全文は長いので途中までだったが、念のため載せてみます。

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル

 僕もやってみた。
 更についでにそのインチキ英文を元に再度和訳を試みると( )内の日本語になる。似ても似つかないものになってしまった。賢治の詩心が飛んでいってしまいアホな散文に、ダメか。

Never give up even in hard rain and wind (強い雨・風 参るものか)
Nor hottest summer, heavy snow (クソ熱い夏も 重い雪にも)
Be strong body  (強い体で)
Free from desire (欲望から開放され)
Without anger   (怒りも無く)
Always happy smile (常に楽しく笑う)

 僕のチャランポラン訳ではない、ちゃんと講義中で秀逸とされたのはこれだ。

Be not defeated by the rain
Nor let the wind prove your better
Succumb not to the snow of winter
Nor be bested by the heat of summer
Be strong in body
Unfettered by desire
Not entice to anger
Cultivate a quiet joy (translated by David Sulz)

 さすがですね。
 この講義は他にも俳句を英訳する試みもやったそうです。
 そこでこういうのはいかがかな。

「ほっておけ 臆病者は 調子ハズレ」

 この狂句を英文にしてみる。

「Free care,(Mr.)Coward to become mid not」

そしてこの英文を早口で2~3回声に出して読んでみる。するとアラ不思議。いつのまにか

「フルイケヤ カワヅ トビコム ミズノオト」

になるというオチ。失礼しました!
 正直に言うとこれは僕のオリジナルではない。僕の二代前の爺様が作った。
 大戦末期、先生方が兵隊に取られて教員不足に陥った女学校の英語の講師を買って出て(ノー・ギャラだったと言われている)その授業でこれを披露したところ、今で言うドン引きされたらしい。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶー翻訳の味ー


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