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インド漫遊記

2017 SEP 26 18:18:29 pm by 西 牟呂雄

 一年ぶりにインドに来た。
 ところでインドのビザを取ったのだが、従来のビザ・センターが無くなってインド大使館に引っ越した。あそこのスタッフの態度の悪さとコロコロ言う事が変わるのは有名で、いつも憮然とした日本人や怒り狂う外人観光客がいたのが少しは良くなったかと期待した。ところが行って見ると窓口にいたのはおんなじオバハンだった。
 その効率の悪さは少しも改善されておらず、相変わらず書類をつきかえしたりして窓口でトラブッていた。
 そもそもビザ申請のオンライン・システムが使いづらいの何の。
 原爆を持ち、中にはあんなに天才的な人材が出るインドが、決して先進国としての生産性に達しないと常々思うのは国全体としての効率が全く向上しないからだ。

 今回はトランジットの関係で、従来ルートではなくバンコック経由となったため航空会社もタイ航空を選んだ。するとこれが楽しいことに成田の出発が2時間遅れる。それも一度ゲートから離れてから「機体に不備がありました」などとアナウンスがあって戻る。しばらくすると「燃料を入れてます」「ドキュメントが遅れています」「あと15分です」と詐欺師の常套手段のような具合で実に疑わしい。止まっている機体に座っているのは結構キツい上に乗り継ぎも心配で、旅の今後が偲ばれた。案の定バンコクで免税のタバコを機中に忘れた。

 そしてバンガロールへ、去年は水争いで暴動が起きた街である。

インド 暴動の街へ (今月のテーマ インドの旅)


 そこから車で3時間かけて深夜に、街だか村だかわからないところに辿り着いた。今度の旅はここをベースにして古い友人と会うことにしている。

外見はそれなり

 着いた時は真っ暗だったので良く分からなかったが、翌日見ると外見はそれなりでホリデイ・パルム・ナントカというリゾート型のホテルだった。
 ところが周りには何もない。こんなところでリゾートねぇ、確かにプールやキッズ・ルームがあるにはあったが。

 ちょっとその友人に触れておきたい。バブル期に日本に留学したインド人なのだが、その後日本で多少仕事を得て日本人と結婚し10年以上暮らした。従って働いてはいたのだが、まぁあんまりカタギじゃなかった。大阪でディスコをやったりホストクラブをやったり。だから堪能な日本語も大阪弁。
どういう経緯かは知らないが、現在はインドに帰っているが何をしているのかは分からない。税金に異常に詳しくて、そんなところは今も大いに怪しい。きっと荒稼ぎした金を持ち逃げでもして遊び暮らしているのかと見ている。インドは政策金利を去年下げたが6・25%、以前はもっと高かったから悠々自適にやっているらしい(家族は日本に残しているけど)。

怪しげなカード

 モディ首相ははびこるニセ札対策や脱税防止の名目で去年1000と500のルピー紙幣を廃止したりダイナミックな金融政策をとった。実際に大企業は影響を受けていて、アッと驚く某企業グループの製造業が倒産したりしている。
 今回もたかだた1万円を両替したら700ルピー分はキャッシュ・カードで渡された。それも『Yes Bank』なるふざけた名前の銀行が発行したやつで、こんなのはアナログ型の仮想通貨みたいだ。

 話がとんでもない方に行ってしまったが、その友人によると僕と入れ違いみたいにインドに来ていた安倍総理は熱狂的に歓迎されたようで、モディ首相は自身の地元で歓迎のセレモニーを催しパレードまでやったことが新聞の一面に出たとか。
 こういう話は安倍嫌いの日本の新聞にはロクに出ていなかったが、地球儀外交は確実に効果を上げている。

わかりますか?右に傾いている

 ところでそのホテルなのだが、部屋に戻ってハッと違和感を感じた。
 よくみる中央に置いてあるテーブルが傾いているのだ。なるほどね。
 インドのローカルのホテルはこんなもんだ。田舎のホテルにはまずバスタブはないがここもない、お湯を汲みおくポリバケツがあるだけ。
 前置きばかり長くなったので続きは続編で。

つづく

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インドには日陰が良く似合う (今月のテーマ インドの旅)

インドで知り合った日本人 (今月のテーマ インドの旅)

Categories:インド

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