贋作 ジェット・ストリーム アメリカ編
2017 DEC 31 9:09:12 am by 西 牟呂雄
インストゥルメンタルの ミスター・ロンリー が流れる
お久しぶりです。パーサーのジェット・ニシムロです。
どんな旅の途中でしょうか。
傷心を癒す旅でしたら 旅の終わりには生まれ変わったような気がするでしょう。
不安で一杯の旅でしたら 着いた途端に晴れやかな気持ちになるでしょう。
希望に満ちた旅でしたら 帰りたくなくなるでしょう。
闘いに望む旅でしたら 深い満足が得られるでしょう。
いずれにせよ、旅は非日常的です。
日頃のあなたではなく、一味ちがった自分になってみては。
そうすることで、より一層深く自分がみえてきませんか。
もっとも定期的なお仕事で出張される方
お疲れ様です。
さて、私事で恐縮ですが今から40年前に北米をグレイ・ハウンド・バスで横断したことがあります。建国200年が盛大に祝福されていました。
今日、トランプ大統領の出現によってアメリカの分断が様々に論じられていますが、一泊づつ縫うように旅したアメリカは当時すでにいくつもの顔を持っていました。
リーマン・ショックの前、9.11の遥か以前、ニューヨークの地下鉄は今よりも危険でありゴミが舞っていたのを鮮明に覚えています。特に都市部で落ちぶれていたのはベトナム帰りで就職に失敗した(と説明されただけですが)若者は乞食なのかヒッピーなのか分かりかねました。
ところがマンハッタンは夜になると観光客に見せる顔が一変していました。正装してディナーに現れる人、ミュージカルを楽しむ人。
昼間にはっきりしていた影が日暮れと共に見えなくなる。ガキだった私は、これがアメリカの中産階級か。などと思っていました。
その頃のマンハッタンのイメージとして私に刷り込まれたのは、隣のブルックリンで結成されたトーケンズのファルセット。1961年にヒットした明るいドゥワップなのでした。
ところは変わってテキサス。
『ヘイ、ボーイ、ジャパニーズだな
コンニチハ
どうだ、オレはタチカワにいたんだ
旅行!ウェルカム・トゥ・テキサス
ニューヨークからグレイハウンド!クレージー!
オレなんか行った事ない
あそこはアメリカじゃない
何を飲む、ビア、オーケー、ダークかライトか
ダークはオレみたい、ライトはお前みたいな色だ』
屈強の黒人バーテンダーは愛想は良かったが恐かった。
そのモーテルに併設されているスポーツ・バーでガンガン流れていたのは、南部も南部、テキサスとルイジアナの州境の街ポート・アーサー出身のイモ姉ちゃん、ジャニス・ジョップリンでした。
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昨今の世相では40年前の中産階級が完全に没落してしまい、トランプ政権を生み出したと言われています。
私が旅で出会ったあの明るい黒人も白人も生きていれば後期高齢者です。彼らはどうしているのでしょうか。
エマニュエル・トッドの観察では白人中年の人口が減り始めていると。オピオイド系鎮痛剤中毒のにより悲惨な死に方をする人は後を絶ちません。いわゆるアメリカのラスト・ベルトと呼ばれるエリアは深刻な事態になっているそうです。
今のアメリカはどうなるのか、トランプを起爆剤として蘇るのか。
そして日本は。
私はそう悲観的ではありません。
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