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最近困ったあべこべの話

2018 FEB 5 22:22:58 pm by 西室 建

 討論番組で大嫌いな評論家が偉そうに「安倍さんに会ったら」「自民党の幹事長に会ったら」などと喋っていて不愉快になりつつ一点不安に駆られた。
 アメリカが憲法改正を言って来なくなったと言う。
 何しろ最近のアメリカはシリアにミサイルを撃っただけで、中東でも存在感は出せていない。エルサレムに大使館を持って行っても別にどうってことはない。未だに移転する時期は後ろずらしにしている。
 更に言えば、御存じとは思うがイスラエルは何百発もの核を持っているのだ。このモデルを東アジアで見立ててみると、恐ろしい話が現実味を帯びる。歴史・人口学者エマニュエル・トッドは『核は分散すれば誰も使えない。日本も核武装したらいい』と言った。 

 狂った国の指導者が本当に戦争を始めて、見せしめ的に核を日本に向けて発射した場合は米軍は即座に反応するだろう。但し全面戦争に巻き込まれかけた時点で、核の傘が日本を守ってくれない可能性は高い。外交力でどうなる話ではなかろう。
 憲法改正の論議は深まるだろうがまさか核武装まではできまい。国民のアレルギーが強すぎる。公明党も連立を離脱するだろう。
 米・中・露の核大国は三竦みのように、世界中でどこかが退くとどこかが刺さり込んで来る。シリアはロシアが仕切るだろうし中央アジアは中国とロシアがせめぎ合う。中国の海洋進出に蓋をするような位置にある日本は今のところアメリカの縄張りということだ。
 ひょっとして、アメリカは真っ当に日本が憲法改正をするのを望まないのか。それでいて『中国の膨張は自分で止めろ』等と言い出されたらどうする。苦し紛れの安倍総理の加憲案や閣議決定の解釈集団的自衛権や安保法制だけではいささか心許ない。おまけに半島にはもう核があり、核武装でもしなければ防衛力に不安が残る、となれば右翼もつらいのだ。
 自主独立の悲願は当然としても、一国だけで安全保障は確保できる環境にはない。『私の机の上に核のボタンがある』とまで言ってのけて威嚇した。

 話は変わって、EUのドイツ一強その他全滅はもう懲りただろう。
 スペイン・カタルーニャが独立騒ぎを起こす一方で、国民投票までやったスコットランドの独立熱は冷めていると言われている。その理由は北方油田の価格の値下がりにより経済が良くなっていないからなのだそうだ。カタルーニャはスペインの中では豊かで、スペインその他地域の若者の失業率35%とは大違いだから、いつまでもこいつらを税金で養うのはかなわん、という理屈だ。その”取り残された”上記『多弱』の方が(移民問題もあり)右派を支持している。
 ここで不思議な逆転が起きていると筆者は考える。従来のイデオロギーの左右対立がはなくなったために(旧西側では)保守ー革新の構図が変わってしまった。
 これはどうも移民問題で苦しむEUの極右はさておき、我が国に於いてはそっくりそのまま新自由主義ーリベラルの対立構図に入れ代わったのだ。
 ところが、右とされる安倍政権は岩盤規制をこじ開けて『規制緩和』する、移民は受け入れる、TPPは推進する、要するにグローバル化を進めている。真摯に議論に参加してそれなりにプロの対応をしているリベラルは(与党内議論ではあるが)公明党ぐらい。
 するとこれらに全部反対する野党は国粋主義のナショナリスト党になってしまう。これでは私のような保守派は困る。いつのまにかリベラルはいなくなってしまい、充分に与党内リベラルの意見を吸い込んだ安倍一強が成り立っているではないか。
 希望と民進は一瞬くっつきそうになって一晩でオジャン。小沢一郎は見る影もなし。

 目下のところリベラルを標榜するならば反新自由主義の思想が確立されなければならない。それはおそらく大きな政府の元、職能にあった高い雇用と福祉を充実させるべく平等感のある文化国家といった概念か。筆者は想像たくましく江戸時代がそれにあたるように思えてならない。江戸期はヨーロッパで起こったようなブルジョア革命を醸成しないような安定社会だった(維新はブルジョア革命ではない)。

 さあ、困った!

 民進党は大塚代表が気の毒なくらい苦労が偲ばれるが、党大会でついに「新しい党」と言い出した。何をどう新しくするのかは分からない。原点回帰でも詠ってはいかがか。

もしも江戸時代が続いていたら

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Categories:2021年の安寧

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