Sonar Members Club No.36

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半年ぶりに戻って来た

2018 MAY 5 10:10:42 am by 西 牟呂雄

 伐採のために重機をいれたために真っ平にされてしまった手作り農園、ネイチャー・ファームをどうにかしなくては只の空き地になってしまう。ほったらかしてナチュラル・フィールドにすることも考えたが、やはり少しは生産活動をしなければバチがあたる、と耕運機を入れてみた。
 ところが何トンもするキャタピラ跡も凄まじく、踏み固められて掘り起こせない。これではまるで開墾だ。鍬なんか持ってないしスコップで試しに掘ってみた。
 するとこれはとんでもない重労働で、今更ながら北海道開拓なんかは大変だったろうなとため息が出た。結局2m程でやめてしゃがみこんでしまった。
 何気なくチョコッと引っ掻いた地面を触っていると、違和感がある。何かが突き刺さっているようだ。引っ張り出すと何と半年前に失くした鋏ではないか。その時悲しみのあまりこんなブログを書いている。 

モノを失くすという事


 そしてSMCメンバーのトムさんの「失くしたモノは異次元の自分が使っている」とのコメントに癒されました。
 雨風にさらされ重機に踏んづけられながらもよくぞ僕に見つかってくれた。元々錆は出ていたが、持ってみるとあの重さが甦って来て嬉しかった。
 それにしても見失った場所から多少違うところにあったので、全然関係ない所を嘆きながら必死に探していたことになる。この偶然の邂逅は天文学的に低い確率だっただろう。土にまみれて動きは随分と鈍くなっていたが確かにあの鋏なのだ。
 実はお気に入りのシャベルも似たようなことがあり、手作り花壇の隅っこから出て来て驚いたこともあった。
 もしかするとここ喜寿庵はどこか空間が歪んでいて忽然とモノが消えたり出現したりする霊界のスポットなのか、僕がボケが徐々に進行してチョット置いた場所を直ぐ忘れてしまうレベルにまでなったのか、まぁ後者だろう。
 数珠や携帯をコンビニに忘れ(それもこの半年の間にだ。携帯はきのうのことである)悲しみ嘆きつつも反省せずにモノを失くす(ただしコンビニに戻って事無きを得ている)。

修験者の正装

 すぐ近くにお不動様のお寺がある。ここは日光修験道の流れを組んでいて春の例大祭として「火渡り」をやる。
 ここは一つ僕もやってみて、今までのウッカリ癖を叩きなおす必要があるのではないか。
 行ってみるとホラ貝を吹きながら行者さんが入ってきて結界の周りに立った。
 なにやら勧進帳のような問答をして、剣・弓で四方を清める。
 いよいよだ。
 あれ、般若心経をみんなで唱えている。
 色々儀式があって(中略)「のうまくさんまんだ~~」の大合唱とともに積み上げられた檜の束に火が付けられた。
 瞬く間に火炎が上がり、火の粉が飛んできた。

龍のような火炎

 これ、ヤバイぞ、ヤバい。
 周りの行者さん達は火が強くなりすぎると水をかけ、熱いので時々自分でも被り、弱くなると灯油をかけていた。
 パチパチと燃えていた上段の方から次第に焼け落ちてくる。
 すると一番下に太い梯子状に丸太が組んであるのが見えた。
 そして一人の行者様が剣を抜いて何かを唱えると
『エーイ!』
 の気合もろともサッサッサッと渡ってしまった。
 他の行者様も檀家の人達も次々と行ってしまう。
 僕はと言えば列の後ろに靴を脱いで並んでいたが、玉砂利が足の裏に突き刺さるようで痛い。そうこうするうちに順番が回ってきてしまったではないか。

真ん中の人影が僕

『エイッ』と気合をかけられてもう後に引けない。
 うわ~、と思いながら丸太に足をかけるとジタバタと進んだ。
 アレッ熱さは感じなかったぞ・・・・。

 これで忘れ物がなくなり、心の平安が取り戻せれば助かるのだが

   のうまくさんまんだ~      のうまくさんまんだ~

ちなみに今年は炎が上がり過ぎて消防が来たそうである。

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Categories:和の心 喜寿庵

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