Sonar Members Club No.36

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セールを上げろ!

2018 MAY 9 19:19:00 pm by 西 牟呂雄

 連休は風が悪くてセーリングには不向きだと言われている。結構寒いし。
 それがこの真夏日にもなろうという地球の狂い方に、今年はどうだろう、とハーバーに。

 ところで加山雄三の光進丸が焼けて沈んでしまった。会見で涙ぐんでいたが、あの気持ちは良く分かる。長年連れ添ったパートナーを失ったような悲しさと言っていた。
 しかしここだけの話。『オレがここに光進丸を泊めていれば観光資源にもなるだろう』との理屈で係留料を全然払ってない、という噂が根強かったけど。事実相模湾にいたときはそれに近かったという話だった。
 アノ手の有名人は周りがチヤホヤして多少我儘が効くため、地元の一部からは大っぴらに表には出ない話はある。かの慎太郎センセイも油壺では・・・。
 しかし光進丸は実に美しい船型で、間近でみると我々34フィート・クルーザーからは駆逐艦のような威圧感だったが見とれるほどだった。
 保険には入っているだろうが、あの規模の船をもう一回造る気力はあるだろうか。維持も大変だし。

回航されたレース艇

 久しぶりに会う我が愛艇は物凄い風の中でユラユラと漂っていた。
 何しろ予定されていたレースが中止になり、参加するはずの船はみんな待機状態。クルー達はヒマを持て余してガバガバとビールを空けて焼酎までやっている。
 着いたのは昼前だったがみんなもう酔っ払っていて晩飯の相談をしていた。
 まぁ何だかんだいっても追いかけるように僕も飲みだしたのだが出遅れ感は否めず、ぼんやりと海を見ながらロープを手慰みに結んだりほどいたりした。
 丁度陸揚げする船を見上げて改めて、丸みを帯びたヨットのボディは色っぽい、だから女性名詞なのかと思った。
 これはセクハラにはならんでしょうな、今時注意しないと・・・。

 ヨット愛好家の女性も多いが、皆さんなかなかお美しい。
 このハーバーで知り合ってゴール・インしたご夫婦もいらっしゃる。
 にもかかわらず僕の周りには浮いた話がまるでないのはどうしたことか、謎は深まるばかりである。

 そうこうしているうちに風は益々強くなり冷たくなっていった。
『これは明日も中止になるだろうな』
 誰かが口走ってしまい、これで歯止めを失った僕は本気モードで泡盛を飲みだした。

 オーナー仲間は先日10日程、ニュージーランドまで行き、オーストラリア・ニュージーランド・アメリカ・カナダ・ロシア・日本の六か国クラブ対抗のレースをやってきた。
 映像を見せてもらったが各国参加者の年齢は高い。レースは3日間行われたが、毎晩の楽しそうなパーティーやピクニックといった催しが凝っている。日本チームが『炭坑節』で盆踊りをやると各国全員が輪になって踊っていた。『コール・マイニング・ソング』と訳して大受けとか。
 ホーム・ステイしたが、全体的にボランティア精神というか運営にかける情熱が感じられて、こういうのをヨット精神というのではなかろうかと思わされた。しかしこれ、日本の番が来たときはどうするのだろう。あんな家に住んでるのはいない。
 次回は二年後にナホトカ。今回ロシア艇は接触して失格だったからがんばるだろう。ナホトカでヨット・レースってイメージはないのだが。

 夕日が沈んでいく。これも贅沢な時間と言えなくもない。
 ヨーシ、オレも気高いヨット・マンに生まれ変わりあしたはどんなに風が強くてもセールを上げるぞ!

 (結果はやはりレース中止プラス二日酔いだったとさ。今年は未だにスピンはおろかメイン・セールを見ていない、ダメだこりゃ。)

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Categories:ヨット

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