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リベラルやーい 

2019 MAR 22 5:05:48 am by 西 牟呂雄

 ネット批判の一つに、結局自分の好む画面ばかり見ていると、ビッグ・データに取り込まれてマーケティングの対象とされ、ネットから偏ったニュース・商品・サーヴィスばかり提供されるようになる、というのがあった。要するにバカになる、と言いたいようだがギクッとさせられた。
 ブログに書いている通り僕は保守派だが、確かにその手の言説ばかり読んでは快哉を上げているところがある。
 するとですな、これは全くバイアスのかかっていない中立的な本の中に『大半のリベラルは保守派は頭が悪いと思っており云々』と言う記述があってオイオイオイ。
 確かにそれはチトまずいと思い、最近は経済論説に限ってはリベラル系の物に注意を払うようにしてみた。
 読者にはくどいかもしれないが、僕の言う保守は「何もかも古臭いものはダメだ」と新しいものに飛び付く前に、本当にそうか、昔はよかったなどと嘯くハメに落ちないか、と深く考える気質だと定義している。
 ついこの前に(露骨な言い方だが)IQが低いが改革はしたい、という人々のことを『B層』と広告代理店が名付けて、小泉(当時)総理の支持基盤と想定した。この場合の『B層』を僕は一種のリベラルだと思った。因みにIQが高くて改革好きはAなのだそうだ。
 ひどい話だが、この対になるいわゆる保守派で構造改革否定に回るグループはIQが高かろうが低かろうがバカにされているとしたら、僕の立つ瀬がないではないか。
 しかし、経済学でいうリベラルとは経済自由主義のことで、市場に任せようとする原理主義のようなもののはずだった。これはアメリカで言えば元々共和党が主張していることで、一方の民主党は大きな政府を標榜して弱者・マイノリティを助けようと金融政策や財政政策にも取り組む姿勢を目指す。
 ネオコンと呼ばれるグループの台頭あたりからこの境界、即ち保守ーリベラルの区別が複雑に絡み合ってしまった。どうもネオコンとは肌が合わないという人々はオバマ以降支持する候補者を失ってしまい、トランプ大統領の出現を呼んだのではないか。ヒラリーも一部ネオコンっぽい。
 翻って日本はどうかと言えば、リベラル組は経済については有効な政策を持っていない。民主党が音頭を取った三党合意で消費税アップを決めて(驚くなかれ2012年!)以来、有効な対立軸が立てられずに今日まで来てしまった感がある。リベラルと言えば反原発・反改憲くらいしか結集する旗がない、誰でも言える。一方で小泉・細川元総理コンビがミョーに提携したりして民主党も民進党になり更に分裂した。
 途中、希望の党だのが頭を出しかけたがオジャンに、そしてまたしても国民民主党が小沢の網に引っ掛かって今度はどういう党名を名乗るのか。一体どこがリベラル正統なのかさっぱりわからない。
 これでは困る。ちょうど一年前に

最近困ったあべこべの話

 を書いてすでに困っていたのだが、状況は更にひどくなったとしか思えない。

 いよいよ地方選挙が始まり、駅前で辻立ちする人も見当たるようになってきた。夏は参議院選挙がある。加えて衆参同時選挙になるかもしれない。
 こうなったら仕方がない。僕がリベラルを作ってしまおう。以下思いつくままに列挙してみる。
① プライマリー・バランスの議論を全く凍結してジャカスカ国債を発行する。ためらわずに財政出動させる。
② 消費税を5%にする。一方で累進消費税を導入し、高額嗜好品の税率を20%にする。
③ 人口減に備えて、国民に等しくベーシック・アッセットを与え、少なくともチャンスの平等だけは確保させる。 
④ 新自由主義的な緩和をやめて、グローバル・スタンダードからは一歩遠ざかるように規制を強化し、国富の消尽を食い止める。
⑤ 我が国の尊厳と自由を堅持するために、いわゆる反日的なキャンペーンに関しては戦略的に無視し、国際世論には徹底的な反論を発信し、平和と繁栄に寄与する。  

 これを小沢一郎に持って行ったら受けるかな・・・。無理か。

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Categories:選挙

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