鮮やかな一夜
2019 JUL 12 17:17:52 pm by 西 牟呂雄
月も無く 梅雨冷え
月下美人 かな
一年に一晩だけ鮮やかに咲くという月下美人です。
夜にコンビニに行こうと歩いていた時、軒先にこの花が一杯咲いている鉢を上品なご夫人が並べていました。
「今晩だけですからね。こうして通る方々にお披露目してるんですよ」
とおっしゃるので、写メにしようとしたら
「一つお持ち帰りになりますか」
一輪切ってくれたのです。
この日は曇り空で月光には照らされていませんが、持ち帰って撮ったのがこの写真です。
息を吹きかえると長く密集したオシベがワラワラと揺れて何やら怪しげな、翌朝には散ってしまうとか。
と、翌朝には散ってはいませんが御覧の通り花は閉じてしまいました。
まるで『さようなら』とお辞儀をしているようなたたずまい。
この一年に一回というのは伝説で、丁寧に面倒を見てやれば2回以上花を咲かせると書いてあります。メキシコ原産で日本にある月下美人は輸入された一株から株分けされたクローンだ、というのも今日では否定されています。
それでも一晩限りという事実は儚げで、哀愁を誘います。この私でさえ、亡くなった親や親友を思い出しました。
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Categories:春夏秋冬不思議譚 四季編