ブラーマン一家の来日
2023 MAY 21 9:09:13 am by 西 牟呂雄

盟友がご家族とともに来日した。一行はご夫婦と息子さんにお嬢さん、息子さんは大学で経済学を専攻しており、娘さんは高校生。夏休みでもなかろうに1週間の滞在である。
因みにインドは目下大変な好況だ。何しろインドはロシアへの非難決議にも賛同せず制裁は関係ないし、米中対立も我関せず。返って行き場を失ったロシアの石油がザバザバ入ってくる。
御主人は何回も来日しているが、ご家族は初めて。ちょうど2年に一度の神田祭と重なったので小雨だったが勝手知ったる明神様にご案内したら、これが大変喜ばれた。御神輿はインド人好みのキンキラだし、一斉に掛け声を出しているのも楽しかったらしい。『あれはなんと言っているのか』と聞くので『リズムをキープする掛け声で、ソイヤと言っている』と教えてやると、一緒に『ソイヤ。ソイヤ』と言いながらはしゃいでいた。
ここは僕の本籍地なのですっかり調子に乗って、トラディショナルなフェスティバルだから(将門様から勘定して)ざっと千年前からやっている、と自慢した。すると、これがアメリカ人なら『ウワーオ!』となるところだが、さすがに悠久の歴史を生きているインド人は、なんだその程度か、という反応にズッコケた。そうだよなぁ・・・。
メシを食べるのにまた一苦労。彼らはベジタリアンで、その中でも最も厳しいヴィーガンなのだ。肉も魚も卵も牛乳もダメだという。豆腐懐石料理のフル・コースに落ち着いた。終いには動物性の油を使ったフライパンもイヤなんだが、などと言いだしたがそんなのシラネー。地元の吉祥寺にも仲良しのネパール人がやっているインド料理屋があるが、そんな話は聞いたこともない。
インドの多様性について話が弾んだ。宗教・言語のマトリックスで分けるといくつになるのかわからない。御一家は家庭内ではタミル語、仕事で英語、必要に応じてヒンディー語を日常的に使い分けていて、バイリンガルどころではない。
正確ではないかもしれないが、平等という概念が薄い。彼らは最高位のカースト(上の中くらいの)バラモンだが、下位カーストを見下すという感じではなく、差別というより区別している様子が見て取れた。ただ、一般的に言って女性の地位は低いらしい。社会の経済的格差はもの凄すぎて問題にもならず、グローバル・サウスのリーダー、と持ち上げてみても、特に誇らしいとも思っていない様子。まぁこの人たちは初めから金持ちなんで、経済成長とか国民の豊かさといった尺度が意味をなさないのではないかな。カーストが歴史に溶け込んでしまい、苦しんでいる人も大勢いるだろうが、要するによくわからないので、無理に理解することはしない方が無難である。僕は絶対にインド人にはなれない。
一行は相撲見物やら箱根行き、京都滞在ののち広島に行く計画。息子さんとお嬢さんはあした渋谷・原宿・歌舞伎町と回るとか。
プレゼント交換にも苦労した。相手は金のローレックスをキラキラさせているのだから、せめて光物にしようと手作りビーズのアクセサリーにした。すると先方はラッキー・アイテムだという象の置物。これ蝋でできているというのだが、ヌルヌルしないけど・・・。
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