見えてきたディープ・ステートの正体
2024 SEP 28 17:17:48 pm by 西 牟呂雄
これはある国における分断の真相に迫るレポートである。
その国は豊かで民主的で常に世界の最先端を行く技術をも持つ。更に他の追随を許さない強大な軍事力も持っている。しかしながら大変若い多民族国家だ。生み出される多様な文化はそのまま世界に伝播して大きな影響を与え続けている。
一方でこの国はいかにも拙速かつ独善的であり、しばしば洗練されていないむき出しの力の外交で世界を混乱に招く。重層的な異文化を理解しようともせずに、自分たちのデモクラシーを押し付けたがる単純さがある。
そのくせ自国内にも複雑な分断と乖離を内包していて、人種・格差・宗教と対立のネタは枚挙に暇がない。そしてしばしば銃撃事件だのテロだの犯罪に見舞われている。この国はその成り立ちから矛盾の塊なのだ。
切り口を政治的に分析すると、陰謀論的なダーク・サイドと一見単純なカウ・ボーイが常に緊張関係を孕んでいる。
折しも太政大臣の選挙がある。
軍産複合体と巨大官僚機構に押された針巣氏は、脳梅毒の症状が顕著になった梅田太政大臣の後任として名乗りを上げた。実は対抗馬の都乱府氏の陣営が銃撃事件をゴルゴ13に依頼し、見事に耳だけをかすめるという抜群の演出が大当たりしたせいで梅田では到底勝てないため、焦った軍産複合体を中心とした勢力が候補者を代えたのだった。勿論フェイク銃撃の犯人にはダミーを仕立てて殺させた。
この作戦は見事に当たり、針巣の支持は都乱府に肉薄してきた。そして両者が直接対峙する形での公開プロレスでは、もちろん引き分けのシナリオではあるものの、針巣の必殺技アイアン・コブラ・ヘッド(どんな技か不明)を数発喰らって都乱府の受け身の下手さが露呈してしまった。
焦った都乱府側は、夢よもう一度とばかりに暗殺未遂を仕掛けたが、ゴルゴ13は今回のギャラに20億ドルを要望したので契約は成立せず、素人を使い未遂にもならないで失敗した。
ついでながら、同盟国である大和国の企業である一本製鉄がこの国の優越製鉄を買収しようとしている。双方ウィンーウィンの買収内容だが、組合員の票欲しさに両候補とも反対のフリをして見せた。どうせ後で理屈をつけて賛成するのはミエミエで、最近のその国の政治判断の幼稚さを物語っている。
この国のディープ・ステートは明らかにリベラル・グローバリストの仮面を被って身を潜めているつもりだが、他方で力の行使にはあまり躊躇しない。従ってネオコンとの親和性も高い。ネオコンはネオコンで党派には関係なく使いやすい太政大臣ならば分け隔てなくスリ寄る。例えばこの国の利害のための大義名分が立てば戦争に至る緊張感を煽ることでディープ・ステートのご機嫌を取るのはやぶさかでない。
これに対抗するために都乱府陣営ではことさらに移民問題・貿易不均衡を言い立てる。特に中花国との貿易戦争を厭わない。結果は妥協するにせよ、当面は強硬極まりない姿勢で臨むだろう。それにしても最近の発言は度を越してきた。
更にディープ・ステート狩りのプログラムを用意して、上院の承認を必要としない政治任用の高官(約4千人)をデータベースに登録して指名する構えである。
さて、お互い先が短くなった大和国の現木志田総理は梅田太政大臣と最期の傷の嘗めあいなのか、サミットごっこに興じていた。
『お互いいいこともやったんだが最後は足をすくわれたな』
『全くだ。そっちは針巣といういい後継者がいたからよかったけど、オレの周りは裏切り者だらけだ』
『だけど勝てるかどうかははっきりしていない。いい勝負ではあるが』
『万が一都乱府が勝ったら相手をしなきゃならなかったからオレもトンズラして正解だった』
『あの公開プロレスではアイアン・コブラ・ヘッドが決まったからな。あせった奴はますます出鱈目を言い散らして自滅するかもしれん。この前も「移民の好物は犬ソーセージと猫のニャーニャー焼きだぞ」とやったからな』
『こっちも大変だよ。モゴモゴ喋りのヒキガエルが後任だぜ』
『どっちにしろやっかいな不沈や醜金平と渡り合わなくてよくなるからホッとはしたが』
『世界はどうなるんだ。ドンパチが終わる気配もない』
『知ったこっちゃない。勝手にしろ、だ。この国だってあんなメチャクチャなバカに投票する国民なんかどうでもいい』
『おいおい、まさか大和国もどうでもいい、なんて人前で口走しらないでくれよ』
『ん?オレ何か言ったか』
『・・・・』
太政大臣投票まであとひと月。
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