狂言 『樋の酒』
2024 OCT 26 9:09:28 am by 西 牟呂雄
『樋の酒』とかいて『ひのさけ』と読む。
留守を預かる太郎冠者(万作さん)と次郎冠者(萬斎さん)がこっそり酒をのんでしまうお話です。狂言は大衆芸能だから、酔っぱらってバカをやる物がたくさんあって身につまされるますね。棒縛(ぼうしばり)とか脱殻(ぬけから)ですね。
さて、すっかり酔っぱらって謡うは舞うはでしまいには『ハッハッハッハ』と笑い転げているところに主人が帰ってきます。もちろん怒り狂って????りつけるも『お許されませお許されませ』と逃げ回り、舞台からきえていきます。
御年93才の万作さん、立ち上がるところ、舞うところはいまだに矍鑠とされていて見事なもの。さすがに日頃の修練の賜物でありましょう。しかしながらどうにも鍛えようもないものがあって、私が言うのもなんですがそれは『声』、すなわち喉なんですなぁ。萬斎さんがまことに通る発声なので尚更目立つ。
ところで狂言の鳴きについて今回も面白い話がありました。
『靭猿』では子役が着ぐるみで猿を演じますよ。猿は『キャー・キャー』と鳴くそうです、成程ね。
カラスとスズメが並んで留まっているのをいるのを見た主が太郎冠者に言いました。
『あの2羽の鳥は親子であろう』
すると太郎冠者は、
『違いまする。片方はカラスと申し、片方はスズメと申します』
『そんなはずはない。あのさえずりを聞いてみよ』
「コーカー・コーカー」「チチッ・チチ」
『それ、親が「子か・子か」と尋ねれば「父・父」と応じておるではないか』
他に、犬は『ビョウ・ビョウ』
猫は『ネウ・ネウ』
そこで僕も狂言語を作ってみた。
ライオン『げーう』
ゴジラ『えあーん』
ウルトラマン『どわっけ』
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Categories:古典