Soner Menbers Club No43

Since May 2014

ファッツィオリを弾いてきました。+満員御礼

2017 MAY 2 2:02:45 am by 吉田 康子

5/7の公演に沢山のご応募を戴き、ありがとうございました。
おかげ様で満員になりましたので、ここで締切にさせて頂きます。

5/7に豊洲本番で使用するピアノはファッツィオリというイタリア製のピアノです。
1981年パオロ・ファッツィオリ氏による創業のピアノメーカーで、多くの手作業工程によって製作され、独自の設計と美しい音色で知られます。
ウィキペディアより

日本では2008年にファツィオリピアノの日本総代理店としてピアノフォルティ株式会社を設立されました。
ピアノフォルティ株式会社
「手作りの素晴らしい音色の全く新しいピアノがある。滋賀県栗東町のホールにしか置いていない」という噂の幻のピアノという存在でした。私の好きな「パリ左岸のピアノ工房」という本にもその名前は取り上げられていて、いつか一度は弾いてみたいと思っていました。

2010年に近所の楽器店がファツィオリの試弾者を応募しているのを偶然知り、一番先に予約申し込みをしました。田町駅から殺風景な倉庫街を歩き、その一角のビルの中にズラリと全部の機種が並んでいました。TV撮影でブーニンが弾いて戻ってきたばかりという4本ペダルの最大モデルから一番小さなベビーグランドまで。さぁどうぞ、と言われても気遅れしてしまいそうでした。プロのピアニストなら何でも思いつくままに弾けるのでしょうけれど、私は本番を終えて間もないシューマンの協奏曲しか弾けませんでした。それでも社長のワイルさんは手探りながらもオケパートを一緒に弾いて下さって、本当に至福のひと時でした。欲張って全部の機種を弾かせて頂きましたが、4本ペダルの最大モデルは本当に特別な深い響きがありました。また一番小さなベビーグランドであっても楽器の持つパワーと明るく精緻な音色が今までとは全く違うものとして印象に残っています。

昨年8月にNHKで放映されたBS1スペシャル「もうひとつのショパンコンクール~日本人調律師たちの闘い~」という番組で、ファッツィオリの名前は更に広く知られるようになったと思います
NHK BSスペシャル

2015年に豊洲文化センターが豊洲シビックセンタービル内に移転し、新しいホールに何とファッツィオリが入ると知った時には、熱い想いで一杯でした。ピアノのフェラーリと巷で呼ばれる程、高価で近寄る機会も無かった楽器を身近に弾ける機会が再び巡って来るとは思いもよりませんでした。幸いにも昨年6月に私はドヴォルザークの作品を弾く機会を得て、以前の印象が更に実感として迫ってきたように思いました。

4/22に豊洲ホールでのリハーサルでも、「今までとは全く違う美しい響きがするピアノ」と指揮の田崎先生が評したように、他の楽器と綺麗に溶け合う特別なピアノです。それだけに弾いた感じ、タッチも響きもペダルも自宅のNYスタインウェイとは全く違う感じがして「楽器に慣れる」必要があると実感しました。

ライヴ・イマジンのようにマチネ公演だと、午前中にリハーサルを行う為に調律の時間が取れません。昨年五反田文化センターホールでジュノームを弾いた折には、前日に自宅ピアノでお世話になっている調律師の斎藤勉さんに来て頂いてホールのピアノ調律と私自身の練習を行いました。「少しでも沢山弾いて自分のピアノにして下さい」という齋藤さんの言葉通り、翌日の本番ではピアノと信頼し合える感じを持って弾くことが出来ました。


今回の本番はゴールデンウィーク最終日ということもあり前日も全く空きが無く、せめて私自身がファッオリを少しでも多く弾きたいと思い、今日午前にホールとピアノを借りて弾いてきました。何とも贅沢な事ですが私にとっては何物にも代えがたい貴重な機会でした。本番まで残り僅かですが、出来る事は全て行って臨みたいと思っています。

写真は、レクチャーを行う東さんです。
 
今日豊洲にお立ち寄り下さって、ファッツオリにもご挨拶代わりに一曲。練習の後に今回のプログラムについてのお話を沢山聞かせて頂きました。舞台の後ろはガラス張りになっていて、パネルを開けると東京湾の景色が一望できます。午前中は日差しが直接差し込まないので、自然光の中でのホールもまた違った雰囲気です。

Categories:ライヴ・イマジン

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