ライヴ・イマジン祝祭管弦楽団第3回演奏会ご報告
2017 MAY 11 14:14:07 pm by 吉田 康子
リハーサルはピアノ協奏曲から。このホールには巷で「ピアノのフェラーリ」と呼ばれるイタリア製の高価な手作りピアノ「ファッツィオリ」があります。この数年で広く知られるようになり、ショパンコンクールの公認ピアノとなりました。明るく美しい音色はモーツァルトにピッタリ。弦や管楽器とも綺麗に溶け合います。第25番の協奏曲は演奏機会が少ないものの、モーツァルトの後期を彩る名曲です。この曲からベートーヴェンは運命交響曲のテーマとして取り入れたのではないか?というのが東氏の考察です。
あっという間にリハーサルは終わって写真撮影を済ませて開場時間を迎えます。
すでにホールの外のロビーやエレベーター周辺には長い行列。受付ではベテランの3人が手際よくお客様をご案内しました。
最初は恒例の幹事の挨拶から。そしてレクチャーの東 賢太郎氏にバトンタッチ。今回は「さよならモーツァルト君」というタイトルに因むお話ということでハイドン、モーツァルト、べートーヴェンの関わりをピアノ演奏を取り入れながら解りやすく解説して下さいました。
そしていよいよ演奏です。最初はハイドンから。これこそ「さよならモーツァルト君」のタイトル通り、ロンドンでモーツァルトの訃報を聞いたハイドンが終楽章で最後チェンバロとヴァイオリンの二重奏を入れて別れを告げます。今回のヴァイオリンソロはコンマスが、チェンバロ代わりのピアノソロは指揮者が行って曲を締めくくりました。
次はピアノ協奏曲。第1楽章には運命動機が次々と形を変えて登場します。独奏者自作のカデンツァを取り入れての演奏です。管楽器とのアンサンブルが美しい2楽章、軽やかな第3楽章とファッツィオリから煌めくような美しい響きの音が溢れました。
そして休憩の後は、いよいよジュピター交響曲。モーツァルトの最高傑作であるこの曲は公演を締めくくるのに相応しい大曲です。田崎先生の巧みな指揮で全員の熱い想いを紡いでいきます。一期一会のオーケストラでありながら時間をかけて練習を重ねてきました。
本番での渾身の演奏は、皆の気持ちを昇華させ、聴衆を感動で酔わせました。夢から覚めたような拍手喝采に感無量の思いでした。今まで最多の230名のお客様を迎えて、素晴らしい演奏が出来たライヴ・イマジン史上に残る最高の演奏会でした。