Soner Menbers Club No43

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「リトルイマジン」無事終了!

2020 AUG 19 21:21:52 pm by 吉田 康子


(写真の上でクリックして頂くと少し大きい画像がご覧になれます。)

3度目の正直、とはいえ前日まで「本当に大丈夫?」と半信半疑の思いでした。でも心配は危惧に終わり、予定通り無事に発表会を行うことが出来ました。
当初は午後枠だけのホール使用でしたが、今回が初めての発表会という生徒が過半数であったことを考慮して午前中から十分な時間を取ってリハーサルを行うように変更。講師演奏でピアノトリオを共演して下さるお2人に演奏だけでなくステマネとしてお手伝い頂くようお願いました。

子供の発表会は初めてのお二人でしたが、会が滞りなく進行出来るように細部にわたり段取りを考えて下さいました。各生徒の使用椅子は何番目の目盛りの高さにセットするか、高中低3種類に設定した足台のどれを使うかを一人ずつリハーサルで記録して本番で生徒が入れ替わる度にそれぞれの子に合ったものを設置。そしてアナウンスは誰、椅子を並べるのは誰、など担当を決めて同じような作業を人数分だけ繰り返して、皆が同じ条件で演奏出来るように配慮。それぞれの曲が短いだけに、何度も同じ作業を殆ど休む間もなく続けて下さったことには頭が下がる思いでした。

講師演奏についてもどういう順序で行うかを事細かに決めてリハーサルで実際にやってみました。これは、頭の中で解っていても、なかなか本番では実行できないからです。配置換えをする人、お話をする人、お辞儀はいつ?どういう順序で誰が?ということです。これはライヴ・イマジンからのノウハウでもあります。「発表会ということで保護者から費用を収めて頂いている以上は、それ相応の対応を提供するべき。それが信用につながる」という言葉は重みがあります。

万全の準備をして迎えた本番でした。女の子は皆、華やかなドレス、煌めくアクセサリーや靴、そしてきちんとセットした髪など発表会という場に華を添えるような素敵な装いで登場。男の子もそれに釣り合うようなきちんとしたフォーマルな服装と靴でした。最近は「TPO」や「ドレスコード」などという言葉が死語に感じられるほどの風潮ですが、やはりその場に相応しい装いを知るというのは大切な事です。これは保護者の皆さんの意識の高さの表れでもあると大変嬉しく思いました。

演奏については、全員が十分な練習を重ねた上での出来でした。やはり「人前での演奏」という点を重視したことが良い形で成果を出しているようです。発表会という公の場で弾く以上は、お客様の存在ありきです。聴いて頂けるレベルまで仕上げるのが必須であり、最低限の礼儀でもあると考えています。

ドキドキしながら出番を待ち、アナウンスのあとに舞台に一人で出て行って弾くのは、心臓が飛び出しそうなくらいの気分でしょう。リハーサルで弾いたとはいえ、本番での様子を舞台袖から見ていて緊張が伝わってきました。でもしっかりと練習を重ねてきただけあって、ピアノに向かえばレッスンの時のように落ち着いて弾いていたように思います。演奏を終えて戻ってくる顔は皆とても晴れやかに輝いていて、私も嬉しくなりました。

そして独奏を終えてホッとしたのか、連弾はリラックスして皆楽しそう。とは言っても本番は何が起きるかわかりません。一緒に弾いている私は出だしの音を確認し、拍を数え、合図を出し、ちゃんと繰り返し出来るかなと子供達の手元を横目で見ながら弾いていました。

最後の講師演奏の前に配置換え、そして楽器紹介と曲目解説。子供達にも解るように、「小さなヴァイオリンは高い音。大きなチェロは低い音。そしてピアノは沢山の音が弾ける」と易しい言葉で説明すると、なるほど、という感じでこちらを見ている顔が客席のあちこちに。

会場のピアノ「ベヒシュタイン」は少し小さ目のセミコンサートグランド。朝一番で音出しした時にはペンペンと乾いた薄っぺらな音だったのが、時間が経つにつれて鳴りが良くなりました。一般的な普及品の楽器は奏者の近くでは大きな音にきこえる「そば鳴り」ですが、そこはさすがにリストが愛したと言われるベヒシュタイン、持っているパワーが違います。ホールの隅々まで音が方向性を持って飛んでいきました。可動席216の3分の1にも満たない来場客だったため、弦楽器の音も妨げられることなく響き渡りました。

演奏が始まると、初めて聴くヴァイオリン、チェロの生の音に加えてアンサンブルの中で縦横無尽に走り回るピアノは、日頃聴く機会の無いものであったと思います。それまではザワザワとしていた客席が皆シーンとして演奏に集中している空気が伝わってきました。皆が耳を傾けてくれている雰囲気の中で弾くのは本当に嬉しいものです。それぞれが歌い、掛け合い、響き合うアンサンブルを誰よりも先ず演奏している私達が存分に満喫しました。僅か10分ほどでしたが、本当に楽しく幸せな時間でした。

「このようなご時勢になると自然淘汰されて本当に大事なものだけが残るように思います。私にとって大切な音楽は、やはり変わることなく存在し喜びと励ましを与えてくれています。生徒の皆さんにも音楽が宝物の一つになって欲しいと願っています」と挨拶で話しました。大変な状況の中であっても目標を持って前向きに取り組んできた生徒達を家庭で支えて下さった保護者の皆さんにもお礼を伝えました。

おかげ様で沢山の方々のお力添えを戴いて素晴らしい会になりました。短い夏休みに特別な「夏休みの思い出」をプレゼント出来たと思います。

Categories:催し物

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