Soner Menbers Club No43

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新札

2021 MAR 2 20:20:18 pm by 吉田 康子

先日の鍼の料金を前もって用意していきました。茶封筒に新札を入れたものをお礼と共に「お確かめ下さい」と言って渡したら「わぁ新札ですね…。」という素直な反応が返って来て、くすぐったいような気分になりました。

私のピアノ教室も未だに銀行振り込みでなくて毎月現金を月謝袋に入れて納めて頂いています。楽器店に行けば音符やピアノの柄から流行りのキャラクターものまで様々な絵柄の月謝袋が売っていて、私が買い集めたものから次の1年間に使う袋の柄を選ぶのが生徒のささやかな楽しみでもあります。

保護者の中に前の月の最後にいつも新札で月謝を納めて下さる方がいます。2年前にそれまで習っていた先生の引っ越しに伴い私の教室に移ってきました。その時にも前の先生についてや使っていた教材を全て書きだしたものを渡して下さいました。何かの費用が必要になった時も茶封筒に新札を入れて表に名前、教材名、金額を書いて下さいます。このキチンとした対応はブレることなく続いています。すごいなと感心すると同時に頭が下がる思いと、自分自身が姿勢を糺す気持ちになります。

何かのサービスの対価ように先生の時間をお金で買っているのではなくて、時間を割いてくれた先生へのお礼という考え方、私も鍼灸師さんに対してそういう気持ちでした。それがすぐに伝わったのは、たぶん師匠の教えでしょう。鍼灸師さんは、お見受けしたところ30代後半でしょうか、その世代の方では経験の機会が少ないと思いますが、隅々まで掃除の行き届き季節の花が活けられている治療院を見ていると日常の細々したことまできっちりと仕込まれていると感心しました。今どきは親でも教え切れない日常のふるまいですが、その人の身に付けば目に見えない財産になると思います。

ついでに言えば、いつも行く美容室でもお釣りは全て新札です。美容師は60代後半の男性です。もう20年以上通っていますがその姿勢は変わらず、毎朝銀行に行って新札を用意しているようです。そういえば前回のイマジンメンバーからレッスン費用を集めた時にも全員が新札だったと聞きました。同じような価値観を共有出来るのは居心地がいいものです。別に同じお金には変わりはないし現金のやりとり自体が少なくなっている昨今、古き良き習慣を重んじる自分達の世代を改めて実感しました。

ここまで書いて読み返してみると、なんだかひと昔前のお姑さんの小言のようにも思えてきました。同世代には孫自慢をする人もチラホラという歳になったということでしょう。以前は当たり前だったものが変わってくると目につくのかもしれません。だんだんと少数派になってそのうちに絶滅危惧種に属するようになるかもしれませんが、自分の中では大切にしたい事だと思っています。

Categories:雑感

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