小倉記 春風駘蕩編

 風、未だ冷たくも晴れ上がる。小倉に春がやっと来た。  僕のいる工場に犬が住み着いている。聞くところではもう十年以上居るらしい。元々ノラだったのが行き場を失っていたところ、現場の連中がエサをやったりしていて、そのうち首輪 … 続きを読む 小倉記 春風駘蕩編