そこにいた男 Ⅰ 

 原部(ばらべ)穣(ゆずる)36歳、妻と二人で東京のマンション暮らしである。商社勤務のサラリーマンで、仕事はそこそこできるだが、酒が好きで酒乱のケがある。原部の運命の歯車は狂うべくしてある日狂った。  週明けの月曜日、酒 … 続きを読む そこにいた男 Ⅰ