Sonar Members Club No46

since(September)(2015)

ラーメンに殉じた求道者たち

2020 NOV 20 7:07:12 am by 松下 寛

こんにちは松下です

東さんにラーメンネタを振られたので
これはソナーズクラブの掟としてレスしないといけないな、と感じ入りアップいたしますね(笑)

さて僕のラーメン行脚は思い出すところ
1980年代に発刊された山本益博氏の「東京味のグランプリ200」からだと思います。
(まだこの赤い本を僕は手元に大事に置いています)

この本はそれまでヨイショの提灯記事しか掲載されていなかったグルメガイド本に対抗し
きちんと本人が覆面で取材し 
料理やサービスに対する評価を良い点も悪い点も下して記述したという点で
画期的なものと考えています
(その分 当時の料理人には随分と恨まれたようですが)

同書には寿司とか鰻とか天婦羅なんか名店も紹介してあるのですが
当時はお金のない貧乏学生だったので縁がないと諦め
手に届くラーメン追求の決心し
ガイド片手に都内のラーメン屋を求めて行ったことのない地域を探訪していました
東京というのは巨大な田舎の集合体です
行ったことのない地域を地図を頼りにラーメン屋を探し当て
新しい味わいに驚き感動すると これはやめられなくなりました

それらの多くは日常食の延長としての普通においしいラーメンでした
地域の風情と相待って 昭和の雰囲気を一緒に食するという感じでしたね

ところがその中に次元の違う味の妙味を感じさせるお店が何店かあったのです
中国の麺の日本的な変種として戦後に発生して昭和の世代の日常食として普及したラーメン
ひそかに職人がクオリティを追求して
食としての芸術性と言えるレベルまで高めたものが生息していたのです

いわば
美川憲一や水前寺清子の演歌を日常的に楽しんでいる中で
ひそかにフィーシャーディスカウが石川さゆりに変装して「天城越え」を唄っているようなもの
崩壊しそうな不倫の恋の下でのアイデンテティを必死に堰き止めようという葛藤と苦悩
演歌の枠をはみ出しそうな表現を盛り込んでしまった とでも言った感じでしょうか

皆さんがよく知っている人口に膾炙している例としては
藤沢の支那そばやの店主 佐野実さんなんかがそうでしょうね
彼のウィキべディアを検索すると 
食材の選択や製法に対する尋常ならざるこだわりがみてとれます 
「ラーメンの鬼」との異名もうなずけるものがあります

僕は本店を訪問する機会は失ってしまいましたが
自宅近くの支店で食べたときには
麺やスープ 具といったそれぞれの食材が各々の風味 食感 味わいにおいて練り上げられ
パートごとの美味しさを主張しつつ 
全体としても一杯の丼としての調和した味わいを形作っていることに唸りました
これは良質な室内楽や室内オーケストラの演奏を聴いた時の感動に比肩するものです

日本というのは面白い国だと思います
かつては中国麺の変種として町中華の日常メニューだったラーメンを
独自に追求し オリジナリティあふれるジャンルとして確立してしまう
料理でも他にも枚挙のいとまがありません
コロッケ然り とんかつしかり カキフライも
ナポリタンも 明太子スパも 各種の変種カレーも
原産国の料理をモディファイして 全く違うものを追求して作り上げ
しかもその追求の仕方が半端ない 命をかけて道として追求する
またそれを理解する お客さんがいて フォローするものだから
追求の度合いに拍車がかかる
(佐野さん 実際に命を落としてしまいましたからね 残念)

その一方では
ミュンシュの幻想みたいに爆演系のこってりむっちりのラーメンも
発展して それも熱烈な支持を受けている
この振り幅の大きさを俯瞰すると ラーメンの全体構図が面白くてしかたない
(吉村家を起点とする家系 二郎系 背脂の土佐っ子系 なんかです
 でもよる年並で さすがにこれらは最近はご無沙汰ですが)

たかがラーメンなんですが
一杯の丼の中には 魅惑の小宇宙が存在しています

皆さんもご興味あれば 探訪してみてはどうでしょうか
ただし選択肢を間違うと 血糖値やコレステロールが急上昇し
次回の食事が食べられないという事態に発展しますので
ご注意ください
(僕の自己紹介さんで推薦しているお店はひとまず大丈夫です)

私にとっての東映フライヤーズ

2020 NOV 2 1:01:20 am by 松下 寛

話題共有という意味でネタをひとつ

それほど熱心な野球ファンではありませんが
昭和世代の少年の例に漏れず
V9時代の巨人がそこそこ好きで
(でもこれは巨人戦に偏向したテレビの戦略の餌食ですよね)
漫画の巨人の星も熱心に読み
大リーグボール養成ギブスを家にあったエキスパンダーで自作を試みたが断念し
でも基本的には運動音痴なのでクラスの試合ではライトくらいしか守らせてもらえない
(大学の医局ではカーブが捕球できるというだけでキャチャーをさせられましたが)
その程度の嗜みでした

ただ心情的には現日本ハムファイターズ 
かつての東映フライヤーズがいつも応援の対象でした
たまの日曜日に従兄弟のいる近くの本家に遊びに行くと時々デーゲームのパリーグの中継をやっていて何回か東映の試合もやっていました
昼下がりの球場の雰囲気もテレビの前の本家の食卓もなんとものどかな昭和の風景でした
毒島という変わった名前の投手が投げていましたが
勝っていたためしがなかったなあ そんな記憶です

1962年昭和37年 僕が5歳の時 
東映フライヤーズがリーグ優勝と日本一に輝きます。
日本一が決まった数日後 我が家の前がすごいことになりました
選手を乗せた街宣車が何台も目の前を通り 
怒号とも歓声ともつかない大きな声が町中に轟き
窓という窓からは人の頭が街宣車を称賛の声とともに何人も見え
街宣車の周りを視界を覆い尽くさんばかりの紙吹雪が舞っていたのです
自宅の二階からそれをみていた僕には衝撃的な光景でした

で、その街宣車はどこに行ったのか?
我が家の隣なんです そうです
僕の家の隣は東映の当時の社長の大川博さんの豪邸だったのです

二階の僕の家からは大川さんのお庭が丸見え
お庭ではしつらえたテーブルに選手たちが立ち並び 談笑している姿が見えました
これで東映ファンにならなければ不思議ですよね・・・
チーム自体は 東映を離れて 日拓 日本ハムと流転の年月でしたが
どこかで気にしていました

大川さんの豪邸の土地はもともと僕の祖父の土地で
大川さんの邸宅の土地探しをしていた東映が祖父の土地に目をつけ
交渉の末 土地を譲り受けて邸宅を建築したとのことを父から聞きました

父母に聞くと 大川邸には正月には東映の有名スターがご挨拶に来るのが恒例で
これも結構な見ものだったと話していました

大川さんには僕と同年代の息子さんがいて
お隣のよしみで一緒に遊んだことも何回かあります その馬鹿でかい豪邸でね
窓際の廊下だけで通常の家の二倍くらいの広さだったと記憶しています
我が家は二階建ての木造ぼろ家 
なのに無頓着な僕はなんの違和感もなく遊びに行ってました

でも時の流れは無情なもの
僕が中学の頃 大川さんが亡くなり その後は残されたご家族が住んでいましたが
しばらくしてお引っ越しされ 豪邸も取り壊され
跡地の一部は駐車場となり 一部はダイニッカが買い取って講堂学舎という柔道選手の養成所となり
そこから古賀 吉田 棟田 泉 瀧本などの名選手を輩出することとなります
僕の家はお惣菜を製造販売していたので それらの選手がよく買いに来ました
建物の中にも何回か遊びにいかせてもらったり 練習場の見学もしました

その学舎もいまはなく
解体され 駐車場とともに マンション建設中と言う次第です
かれこれ50年 お隣の歴史を父母とともに見てきた門番のような気持ちです

今も僕の中にはあの日の紙吹雪の嵐が焼きついています
東映フライヤーズよ 永遠なれ

自己紹介文を恥ずかしながらアップします

2020 OCT 30 8:08:47 am by 松下 寛

(私家版自己紹介文章 2020年版)

東京の片隅で歯科医師という堅気の仕事をしています
肩書きは歯学博士 歯内療法学会認定医(根の治療) 有床義歯学会理事・指導医 (入れ歯全般)
自己評価では腕はそこそこいい所と思っています 
とはいっても世の中名人達人は多くいますので、大相撲の番付から言えば十両の筆頭か幕内の下位くらいでしょうか
一応アマゾンで僕の名前で検索すると何冊かヒットします
現在の歯科医師としての研究課題は熟練技能の継承をいかに明示化・系統化・システム化し次世代継承に役立てたいということです。
ようするに知識だけはあるが手先がからっきし動かない若い先生方(実に多いのです)に、手先の手技の合理的・系統的な修練のやり方を確立して広めたい。
産業界ですでに流布している「暗黙知」という概念を応用して、その筋の専門家にも指導を仰いですこしづつ進めています。

好きなもの

・カフェめぐり
自称第一世代カフェマニア 酒があまり飲めない(肴は好きだが)僕にとってカフェの存在はある種の啓示でした
2000年くらいから青山 裏原 表参道 代官山とことあるごとに散策しています
今のお気に入りは三軒茶屋のムーンファクトリー 表参道のラントマン

・スイーツ巡り
基本的に甘党です ハナコ オズマガジン愛読
カフェにスイーツとくれば女の子との話題には不自由しません
趣味のインスタは女子力満載で笑えます

・ラーメン屋散策
正当派鳥スープ あるいはWスープ系が好み 家系は苦手です
最近の好み横浜本町の下前商店 池尻の八雲 荏原中延の多賀野
この三つはそれぞれの食材の個々の味わいと全体のハーモニーのバランスを塾考しているのがよくわかり芸術性のある味わいを感じさせます

・クラシック音楽観賞
高校のころにラヴェルとストラヴィンスキーに嵌って以来
ずっと続けています。
その時の同級生からドイツ古典派からロマン派までの手ほどきを受けたことは僕にとっての感謝。
今はモツ(煮込みではない)からマーラーくらいまでが守備範囲
ヴァント・セル・ブーレーズ・チェリビダッケとか
偏屈でオケをしばきこむマニアック系の指揮者がすき
実演では75年のベーム=ウィーンの来日の際のシューベルトの交響曲およびアンコールのマイスタージンガーの言霊が振動するような響きが忘れられないです

・小田和正
 二人時代のオフコースから聴いています。「軟弱音楽」と揶揄されることもありますが、音のイメージの造形的なセンス、康さんとのハーモニーの美しさなどにどうしても惹かれます。単純なラブソングよりもメッセージ性の強い作品が好き。「生まれ来る子供たちのために」「The flags」など。
 最近は小田さんと昔から一緒に仕事をしているレコーディングエンジニアの方とお知り合いになれる幸運があり、現場の滅多に聞けないお話を折に触れて聴かせていただいています。
 
・プロレス・格闘技観戦および少々の実践
国際プロレス 新日本 猪木=ウィリー戦から佐山の旧UWFを経て現在の総合系まで細々と観ていました。いわゆるプロレスも好き 格闘技も好きという形。東京スポーツと週刊ファイトがかつての愛読紙。佐山に関する論考を週刊ファイトに投稿し、採用掲載してもらったことが嬉しい思い出。
自分で格闘技をやりたいという夢やまず、一時はタイ式のジムに通いトレーニングをし、試合のセコンドについたこともあるが、プロ(特にタイの選手)のあまりの強さ・精神面のタフさに気がつき断念。
最近は港区立のトレーニングセンターでキックの手ほどきを久しぶりに受けました。トレーナーが佐山さんのお弟子さんだったのでお話に花が咲きました。

・テレビ鑑賞 ETVやNHKBSのマイナー番組観賞。マイノリティに光を当ててくれる NHKには敬意を評しています。民放ならばテレビ東京や東京MXの低予算番組で時々掘り出し物があります。MXで大晦日にやっていたスナックママカラオケ選手権はもう復活しないのだろうか・・・

好きな音楽
初期の椎名林檎(優れた言語感覚とパセティックな曲想に対して) 
ベートーヴェン(生きることの苦さを感じさせる晩年の音楽に対して) 
ブラームス(外見とは裏腹の含羞の内面に対して)
東さんに触発されてブーレーズのラヴェルを久しぶりに聴きましたが実に素敵。この人の音作り僕やっぱり好きだなあ。

好きな有名人  佐山聡 藤原喜明 アントニオ猪木 

読書の傾向
佐藤優氏の著作の数々 週刊SPAの人生相談の極めてリアリスティックな返答に興味を持ち、彼の著作から西欧の哲学や歴史の変遷、キリスト教神学の成り立ち、組織の中での自分自身のあり方など多くのことを学びました
技能習得の参考にするため武道、料理、芸能などのマニュアル本や上達論などの本をしばしば読みます
臨床心理学、カウンセリング関連の本も自分の仕事や自分自身のメンタルコントロールのために手にすることが多いです
その他サブカル系の本も好きで面白そうなタイトルがあるとつい買ってしまいます

以上 真面目で不真面目なヒロシくんの自己紹介でした

はじめまして

2020 OCT 30 8:08:56 am by 松下 寛

こんにちは 今回新たに参加させていただいた松下です。
現役の歯科医師です。まあ腕はそれなりにいいところ行っていると思います。

ベートーヴェンの交響曲第八番でいい演奏がないかと検索していたところ、東さんのブログがヒットしました。
読むにつけ「うーむ この人わかっている 音楽の基礎知識だけでなく 歴史 哲学 数学的知見があって演奏を読み解いている 感服だ〜」
そう感じ入りました。

他の皆さんも同様にそれぞれの分野で非常に含蓄に富み、興味ある記事を書いてくださっています。

ほぼ同年代の皆さんと意見交流できれば日常がもっと豊かに過ごせるなと思い、西牟呂さんを通じて参加させていただいた次第です。

以下に昔作ったものに手を加えた自己紹介文を提示させていただきます。
自分で読み返してみて、よく言えば多趣味 悪く言えば節操がない。 まあそこらへんのご判断はおまかせします。

クラシック音楽への造詣に関しては東さんはじめ参加者の皆さんは大相撲の幕内レベル、僕は幕下かそれ以下と分かりました。
謙虚に稽古をつけていただくスタンスで臨みます。

むしろ診療のこと、臨床教育のことなどで日頃思っていること世相を反映していることをアップしてみようと思います。

     よろしくお願いいたします。

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