カメラのおけいこ⑤ライカのオールド・レンズをソニーに取り付けてみる
2017 FEB 15 16:16:37 pm by 野村 和寿
ライカのレンズを、最新のカメラ・ソニーに取り付けてみました。このカメラ詳しくいうと、一眼レフのような姿をしていますが、実はそうではなくて、ミラーレス一眼カメラというカテゴリーに属し、オールドレンズとの相性がいいのです。ソニーは、前回紹介したFUJIFILMのイメージセンサー(撮像素子)がCMOSと呼ばれる素子で、35㎜相当に換算すると、1/1.5の大きさ、つまり、焦点距離50㎜のライカレンズだと、その1.5倍の75㎜になってしまいます。これに対し、ソニーα7Ⅱ(2014年12月発売)はイメージセンサーが、35㎜相当に換算すると1倍、フルサイズなので、レンズの焦点距離が、たとえば、50㎜であれば、そのまま50㎜で使えるというメリットがあります。われわれ、オールドレンズファンにとっては、このフルサイズといところが、実はこのカメラが受けている一番のポイントです。
ソニーのα7Ⅱのカタログでうたっている「35㎜フルサイズセンサー搭載」とあるのは、実は、そういうことをいっております。
ソニーは、マウントがソニーEマウントを採用しているため、ライカのレンズはそのままでは、取り付けることが出来ません。長野県にあるフォクトレンダー・ブランド(株式会社コシナ)の「フルサイズ・Eマウント・アダプター」という製品が出ていて、これでもって、ライカのレンズをマウントアダプターを介して、ソニーα7Ⅱに取り付けることが出来ます。このマウントアダプターは、なにしろ日本製なので、正確に製造されているのでとても重宝できます。しかもヘリコイドといって、ピントの微調整ができるつまみがついているので、レンズのピント合わせをさらに正確にできるがいいところです。
前回、御紹介した1958年生まれのライカのレンズ LEITZ WETZLER生まれのELMAR50mm f2.8 沈胴式のレンズを、ソニーα7Ⅱに取り付けて撮影しでみました。
オールドレンズは、いまの市販されているレンズにはない独特の甘さと柔らかさをもっているのが特徴でして、どことなく、昔の味わいのある写真を撮ることができます。
ただし、デメリットもあります。「逆光にはめっぽう弱い」というレンズなのです。確かに以前、子どもの頃、よく「逆光だとカメラは写らないだよ」ということは、父親に教授され、多くの子どもでさえも、逆光というのは常識でした。
左の写真のように、なんとなくもやがかかったようになってしまいます。
逆にいえば、ライカのオールドレンズは、逆光にさえ、いつもより注意すればよいともいえなくもありません。一方、カメラボディのほうのソニーα7Ⅱは、価格も、ライカに比べると、1/7くらいで、ずいぶんとお安く、しかも、イメージセンサー(撮像素子)がライカと同じフルサイズですから、かなりなお得感はあります。
ぼくは、シャッター音が、ちょっとカメラっぽくないなと思うのと、あまりにも、電気メーカーっぽい電子音なのが少々不満です。
しかしながら、なんといっても、不満の一番は、デジタルカメラの場合、光からの情報をイメージセンサーで取り込んだ後で、「画像処理エンジン」と呼ばれる、一種の画像処理のためのデジタル回路を通るのですが、ソニーの場合、その画像処理エンジンがあまりに、よく出来すぎていて、なんでも、綺麗に写ってしまう点です。
写真は手前味噌ですが、ちょっと今撮影したとは、思えない、何となくふるくて懐かしいところのあるものになっていたらよいのですが。しかし、ぼくにとってみると、上記写真の出来もなかなか満足はしていないのです。それは・・・
ライカのレンズをライカ本体のカメラで撮影した場合と比べると、なんでも綺麗。贅沢な悩みかもしれません。もっとライカの場合、色のコントラストがくっきりと色濃くついて、出るところと引っ込むところがもっとはっきり出てきます。ところが、ソニーの場合、どうも、「平均的な美人」のような、おしなべて普通のようにも思えてしまう。そこが、唯一というか、もっといえば、最大の難点だと思っています。でも、ソニーα7Ⅱはよくできたカメラであることは確かだと思います。ソニーは、1933年から2006年まで続いたミノルタのカメラ部門が、写ってきたメーカーです。どことなく、昔のミノルタのペンタ部分(でっぱった所)が似ていなくもないと思っています。かつて一世を風靡したロッコールレンズ、ライカと提携も果たしていたミノルタのαではじまる、一眼レフが、デジタル時代に、ソニーに移り、α7Ⅱとなっていると、ボクは思っています。
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