スポーツを科学の目で見る (ソチ五輪で日本選手頑張れ)
2014 JAN 30 11:11:34 am by 中村 順一
いよいよ2月7日に開幕するロシア、ソチ五輪が迫ってきました。日本選手への期待が高まるが、果たして日本選手は活躍できるのだろうか。選手団長の橋本聖子参院議員は、1月20日の東京都内での日本選手団結団式で、何と、「活躍間違いなし、長野越えも可能」と宣言した。これは凄い宣言である。ちょっと嬉しかった。
もともと冬季五輪での日本選手は、出場した五輪では必ず金メダルをとっている夏の五輪とは異なり、あまり活躍できていない。最初のメダルは、1956年のイタリアのコルティナ・ダンペッツオ五輪での猪谷千春のスキー回転での銀メダルである。その後は札幌五輪(1972年)の日の丸ジャンプ飛行編隊の金銀銅メダル独占、アルベールビル五輪(1992年)とリレハンメル五輪(1994年)でのノルディックスキー複合団体の金、などはあったが、基本的に冬の五輪は北欧、ヨーロッパアルプス近隣諸国、ロシア、北米が圧倒的に強く、それ以外の地域は参加するのみで、時々活躍、といった歴史だったのである。ところが1998年の長野五輪は日本選手が大活躍、金5、銀1、銅4の合計10個のメダルを獲得した。長野五輪は、日本中が大いに盛り上がっていた五輪だった。その長野を超えると言うのだから、これはなかなか凄いのである。
本当ですか?と聞きたいところ。
じゃあ、どの選手が金メダルを取るの?と皆が期待する。まずは女子ジャンプの高梨沙羅(17)ですね。沙羅はW杯で圧倒的な強さを見せている。文武両道の凄い女性で筆者も大ファン、是非是非勝たせたいが盤石だろうか、ライバルは怪我から復帰のヘンドリクソン(米)と急成長のアバクモア(ロシア)あたりだろう。沙羅が飛ぶ瞬間は怖くてテレビを見ていられないかも。
フィギュアは女子も男子も期待。女子はもちろん浅田真央(23)、男子は羽生結弦(19)と高橋大輔(27)。浅田のライバルは金妍児だが、公平な審判をお願いしたい。金妍児の国の審判もいるんだよな。どうもサッカーW杯のスペイン戦、前回バンクーバー五輪のフィギィア等、この国はいろいろ噂があるのだ、まったく面倒くさいお国柄である。男子のライバルはチャン(カナダ)で、冷静に見ればやや劣勢。
次は男子ジャンプの葛西紀明(41)、今季W杯で史上最年長で優勝した。もともと絶対的なエースなのだが、どうも従来は五輪直前になると調子が落ちる傾向があった。今季は、規定の改定による新型のスーツが葛西に合っているようで絶好調、メダルは十分期待できそう。
ノルディックスキー複合の渡部暁斗(25)はメダル有望。モーグルの上村愛子(34)も頑張ってほしい、長野五輪の時は地元大町高校の高校生だった、その後どうしてもメダルが取れないが、今度こそ。運も必要かも。応援したいです。
筆者には馴染がない種目なのだが、スノーボードハーフパイプも有望。平野歩夢(15)と平岡卓(18)。特に平野は、五輪3連覇を狙う絶対的な王者のホワイト(米)が「凄い才能、回転のスピードが自分より早い」と最も警戒する存在らしい。
スピードスケートも頑張ってほしい。男子短距離陣は加藤条治(28)と長島圭一郎(31)に期待、2人ともバンクーバー五輪のメダリストで経験があり、本番で強そう。女子はバンクーバーで惜しくも銀だった団体追い抜き(パシュート)が狙える。田畑真紀(39)と菊池彩花(26)が好調。
この選手が全員メダルを取ったら(是非、金を期待したいのだが)、確かに「長野越え」になる。いやあ2月7日の開幕が楽しみですねえ。寝不足になりそう。
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