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面白かった春の天皇賞

2014 MAY 7 15:15:31 pm by 中村 順一

春の天皇賞、ゴール前のデッドヒート

春の天皇賞、ゴール前のデッドヒート

春の天皇賞が5月4日の日曜日に京都の淀競馬場で行われた。春の天皇賞は3200MでG1レースでは最長の距離である。明治からの帝室御賞典に繋がる長い長い伝統を持つ古馬の最高峰のレースであり、数えきれない程の名馬を輩出してきた。

ところがである。最近はこの春の天皇賞の地盤沈下が激しい。これは3歳馬クラシックの菊花賞にも言えることなのだが、どうも最近の馬主や調教師は長距離のレースを敬遠する傾向になってきた。これは実は世界的な傾向である。競馬のスピード化が進んでいるのだ。英国でも伝統のある3歳3冠レースの最後を飾るセント・レジャー(約3000M)には超一流馬は関心を示さなくなった。どの馬もセント・レジャーの直後にあるパリの凱旋門賞を目指してしまうのだ。日本でも1990年代からスピード化に対応する為に、いわゆるクラシックディスタンス(2400M,ダービー、オークス、ジャパンカップ、凱旋門賞等)と並び、より短い距離の成績が重視されるようになり、短い距離の競走体系が整備されてきた。秋の天皇賞は2000Mに距離短縮され、3歳馬の出走も可能になった。馬を消耗させる3000Mの菊花賞にわざわざ出走させる必要は無いのだ。安田記念(1600M)、マイルチャンピオンシップ(1600M)、スプリンターズS(1200M)、高松宮記念(1200M)等短い距離のGⅠも盛りだくさんである。長距離のクラシックの重要性は薄れ、どの馬も目指したいレースでは既になくなっている。筆者のような古い競馬ファンには寂しい限り。昔はどの馬も菊花賞、天皇賞を目指し、長距離をどうやって克服させるかが、騎手の腕の見せ所だったのに。長距離レースでの、淀競馬場の第3コーナーの坂の攻防は本当に面白かった。最近の春の天皇賞など、筆者としては、まったくつまらない、もう「古馬オープン長距離特別」とか冴えない名前に名称変更すべし、とまで考えていた。
 
ところが、今年の春の天皇賞は久しぶりに盛り上がった。ダービー馬キズナ、いくつものクラシックを勝っているゴールドシップ、惜敗続きだが復活してきたウィンバリアシオン、ダービー2着で去年の春の天皇賞を勝っているフェノーメノ等が出走してきた。出てこなかった牡馬の有力古馬(中長距離型)は去年の菊花賞馬のエピファネイアくらいである。エピファネイアは天皇賞を回避して香港で出走したが、ダサいことに4着に敗れていた。
 
レースは最後の直線のデッドヒートが凄かった。フェノーメノ、ウィンバリアシオン、ホッコーブレーヴ、キズナが叩き合った。ゴールドシップは出遅れて7着に惨敗。勝利はフェノーメノ、前走の日経賞で5着に敗れていたが、豪華メンバーを相手に見事に復活した。1番人気のキズナは伸びずに4着。
 
昔の天皇賞を思い出させる迫力だった。敗れたゴールドシップは、筆者は好きでない血統なのだが、遥か昔の天皇賞馬メジロアサマ、ちょっと最近の春天皇賞連覇馬メジロマックイーンに繋がっている。メジロアサマが絶対本命のアカネテンリュウを破った天皇賞、メジロマックイーンが無敗の天馬トウカイテイオーを破った天皇賞を思い出した。
 
残念ながらその後、キズナが骨折したことが発表された。全治6か月という。10月の凱旋門賞は当然出れない。復活できるかどうかも5分5分だろう。最も痛いのはキズナのお蔭で、少しずつ再び競馬社会のメインプレイヤーとして再認識されだした武豊ではないか。また干されるかも知れない。
 
フェノーメノは秋の日本国内のレースを目指すという。何れにしても、久しぶりに長距離レースの醍醐味を楽しませてくれた名レースでした。
 

Categories:競馬

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