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謎のロシア人とワインバーで

2014 JUL 25 16:16:07 pm by 中村 順一

マレーシア航空機の残骸

マレーシア航空機の残骸

ロシア、ウクライナ情勢が風雲急を告げている。オランダのアムステルダムを出発し、マレーシアのクアラルンプールを目指していたマレーシア航空便が、親ロシア派の勢力圏であるウクライナ東部上空で、地対空ミサイル「BUK(ブク)」で撃墜されたのである。

今回の事件に関しては、東京に住むロシア人、あるいはロシア関連の仕事に従事する外国人、日本人の間でもかなりの激論が交わされているようだ。昨日は、こんなタイミングでどうして?と思ったが、ロシアへの投資を勧誘する小規模のセミナーが都内銀座で行われた。ロシアとの関係を維持したい派は、状況に当惑しつつも筆者にはだいたい以下の調子で議論してくる。

A氏「やっぱり、ロシアは重要でしょ。プーチンがいないと北方領土も解決しないよ。」

筆者「しかし、今度ばかりは、一応安全保障や政治の議論で、アメリカを中心とする西側諸国にベースを置いている日本は、ちょっとロシアをサポートするわけにはいかなくなってきた。拉致問題があり、日本人の生命がかかっている北朝鮮との交渉の方が、まだ関係諸国の理解を得られる可能性があるのでは。日本は西側諸国から孤立したら、結構ヤバくなる。核装備すら必要になってしまう。」

B氏「しかし、中東ガザ地区には、イスラエルがアメリカ製のミサイルをガンガン打ち込んでいるではないですか。そもそもアメリカへの脅迫観念がロシア人にはあるのです。今はウクライナの情勢の安定が何よりも重要だ。EU諸国も本音はそこですよ。」

筆者「そうですかねえ。オランダは相当に怒っているんじゃないの。オランダに住んでいるプーチンの娘を国外退去させろ、と主張した市長もいたでしょ。」

どうも、銀座のセミナーには親ロシア派が集まる感じになってきたので、筆者はセミナーへの出席は取りやめて、ロシア人ながらも、プーチン政権には批判的なC氏と一緒にワインバーでゆっくりと飲むことにした。C氏はかなり荒れていた。

C氏「中村さん、以前から申し上げていますが、プーチンはひどい奴です。まるでヒトラーです。ロシア国内では意図的な情報コントロールが行われています。メディアはプーチンに都合のいいようにしか情報を流しません。この間久々にロシアに帰ってびっくりしたのですが、私の兄ですら洗脳されています。彼に言わせると、クリミア併合をロシアが実行しなかったら、すぐにアメリカが侵攻してきた筈で、ロシアを守るための当然の行動だ、とのことです。ありえない話です。」

筆者「しかし、サンクトペテルブルグ在住のあなたの兄上には私も会ったことがあるが、彼は医者でありインテリだった。彼でもそうなのか。」

C氏「そうです。ロシアの中はもうひどい状態です。BUKはもちろんロシアから供給されたのですし、元プーチンの側近だった某評論家に言わせると、BUKは精密な攻撃兵器であり、間違ったターゲットに発射してしまうことなんて考えられない。これは陰謀だ、とのことです。ロシアは、ともかくウクライナを混乱させて弱くしたいのです。バルト3国が良くなるのはまだ許容できるけれども、人種的にも近いウクライナが西欧みたいに良くなっていったら、ますますロシアの酷さが目立つでしょ。ロシア国内のロシア人が目覚めたら困るんですよ。」

筆者「しかし、ウクライナなんて、そもそもロシアの一部であり国家として認めがたい、と言っているロシア人も東京にいるぞ。言語だって同じキリル文字だし、会話もロシア人とウクライナ人なら通じるんじゃないの?」

C氏「そんなことはありません。私はこの間キエフに行きましたが、ウクライナ人の会話は9割わかりませんでした。しかし、中村さんの言うように、1941年にヒトラーは大チョンボをしましたね。1941年6月の独ソ開戦後、ドイツ軍がキエフ攻略に迂回せず、モスクワを直撃したら、スターリンを間違いなく倒せたし、ウクライナ人は自動的にドイツ側に付きましたよ。ウクライナとロシアは全く違う国家であり民族です。」

筆者「うーん、随分たまっているね。ところで北方領土は?」

C氏「それはプーチンを倒して、その後の政権と交渉してください。」

いつの間にか、ワインをグラス飲みからボトルに切り替え、2人でかなり飲んでしまった。夜もどんどん更けていった。世界情勢もキナ臭くなってきた。

 

 

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