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日本で地震がいちばん少ない場所、大東諸島

2015 APR 8 17:17:43 pm by 中村 順一

大東諸島は沖縄本島の東、340キロに存在する絶海の孤島である。南大東島、北大東島、遥か南に離れた沖大東島の3つの島からなる。およそ100万年前から20万年前、珊瑚礁の隆起によって形成された海洋島である。島の面積は南大東島が約30.6平方KM, 北大東島が約12.7平方KM, 沖大東島が1.147平方KM.。人口は南大東島が約1400人、北大東島が約700人、沖大東島は現在無人島である。

沖大東島は南北大東島からは南に遥かに離れており、正に絶海の孤島である。ラサ島という別名もある。戦前はリン鉱石採掘で栄え、人口が数千人を数えた時期もあった。第二次大戦中は米軍上陸に備え、陸海軍が駐留していた。戦後は住民が引き揚げたため、無人島になり、その後長い間米軍による射爆撃訓練に使われていた。島全体が、現在でもラサ工業という私企業の私有地である。これは不思議なことに1937年以降変わっていない。この島の存在のお蔭で日本の排他的経済水域の面積はかなり増えている。国境にある日本にとって貴重な島なのである。皆さん、是非大東諸島、特に沖大東島の場所は地図で参照してほしい。

筆者は南大東島を15年ほど前に訪れたことがある。那覇から飛行機で1時間くらいだ。那覇から日帰りの旅だったが、島では頼んでおいてガイドに付いてもらった。島は平坦であり、大規模かつ機械化された農業が盛んである。島は周辺部の方が標高が高い、特異な地形のため、島の内部に行くと海が見えない。従って面白いことに島にいるという感覚が持ちにくかった。

ガイドが興味あることを言い出した。「中村さん、大東諸島はには地震がありません。島が開かれてから100年以上経ちますが、ほとんど地震に関する記録が残っていないのです。もっとも珊瑚が隆起した島なので、台風で大波が来ると、島が微妙に揺れるんですけどね。」 へえー、そうなんだ、と思い、東京に帰ってから調べてみると確かにそうだった。大東諸島はフィリピン海プレートに位置しており、大陸プレートの境界からかなり離れているために、地震が少ないのである。

大東島地方で観測した体に感じる地震は、地震観測が開始された1957年から2014年までの57年間で20回しかない。しかもそのほとんどが震度1である。2010年に震度4が2回あったのだが、その時を除くとほとんど揺れていない。日本のほかの地域に比べると特異な場所である。

沖大東島は絶海の孤島であり、現在無人島。地震もない。筆者は原子力発電のごみ最終処理地として最適、と長い間考えている。前職時代に当時某電力の会長だった、N前県知事とこの話題で盛り上がったことがある。3.11よりかなり前の話であるが。

日本もなかなか広い国である。おもしろい場所がたくさんある。

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