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やっぱりちょっと無理だったかー凱旋門賞観戦記

2013 OCT 9 11:11:35 am by 中村 順一

マネ ブローニュの森、1872年

マネ ブローニュの森、1872年

うーん、今年も勝てなかった。今年のフランスのオークス馬で3歳牝馬トレヴの圧勝、日本馬のオルフェーヴル2着、キズナは4着であった。

レース前からいやな予感はあった。ロンシャン競馬場の馬場が重そうに見えたのである。発表はやや重だったが、高速馬場に慣れている日本馬には不利な、ちょっと力のいる馬場に見えた。スタートしてからも特にオルフェーヴルは他の馬に包まれてやや行き場を失うシーンもあり、かなりエネルギーを消耗させられている印象があった。直線に入って最も警戒していたトレヴが動いた時、オルフェーヴルもキズナもついていけず、瞬間的に離されてしまった。ああ、これは今日の重い馬場とオルフェーヴルの重い斤量では、もう差し切れないと思った。その後はもうトレヴに離されるばかり、オルフェーヴルは今年のフランスのダービー馬のアンテロとの2着争いに勝つのがやっと、キズナはもっと離された4着に終わった。

 

日本競馬界の夢は果たせなかった。昨年はゴールの寸前で逆転を許し、悔しい思いをしたオルフェーヴルにとってはリベンジの舞台で、前哨戦のフォワ賞も圧勝し、体調も万全、圧倒的1番人気だったのだが。池江調教師もレース前はかなり期待している雰囲気で、我々ファンからも、「今年こそは行けるのでは」と思わせたのだが。もう一頭のキズナは前哨戦のニエル賞を英国ダービー馬を破って快勝し臨んだが、いつもの末脚が全く不発だった。

 

やはり世界の壁は厚いのだろうか。凱旋門賞は1920年の創設だが、創設以来欧州馬はただの一度もトップの座を譲っていない。いや、日本馬には是非再度挑戦してほしい。ロンシャン競馬場の馬場は日本の馬場よりは重く力が必要だが、それでももっともっと重く、急な坂が多くて、日本馬には全く向かない英国の馬場よりは戦いやすい筈。僕も英国の競馬場の馬場に入ったことがあるが、あまりの日本の馬場との違いにびっくりしたことがある。またアメリカはダートのレースが多く、芝のレースを主体に使う日本の一流馬には、アメリカの馬場に適応する為の訓練が必要になる。これも時間がかかる。やはり、ロンシャンで世界一を狙うべきなのだ。凱旋門賞は馬の負担斤量が3歳馬に優しい。これは3歳馬重視の欧州の伝統である。日本からも今年のキズナの様に、3歳時の挑戦が理想である。しかし3歳馬はまだ若駒で、精神的に長期の遠征に耐えられるか、という課題はあろう。

 

今後日本馬が勝つための条件を考えてみた。

1:凱旋門賞の開催時のロンシャンの馬場が良で固いこと。天候はコントロールできないので、これは運のみ、2:日本からもダービー馬かオークス馬の3歳馬が理想、挑戦馬には菊花賞等の日本の秋のG1は断念させる。4歳馬か5歳馬でもいいが、圧倒的に強く、重い斤量に強い馬、3:早めに遠征して環境に慣れておくこと、ロンシャン競馬場での前哨戦も当然使っておくこと、4:騎手はやはり欧州の競馬界を熟知した欧州人、特にフランス人を使うこと。フランス人騎手なら、ある程度、欧州騎手の談合による日本馬勝利阻止の動きを遮断できる。日本人騎手の起用は1回日本馬が勝利した後に考える。等々であろうか。

 

いやいや条件が多すぎて大変ですね。来年に期待したいです。

 

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