Soner Menbers Club No43

Since May 2014

ピアノのムシ

2017 JUN 22 22:22:32 pm by 吉田 康子


作者 荒川三喜夫
出版 芳文社

巽(たつみ)ピアノ調律所に勤務する蛭田敦士(ひるた あつし)は、超一流の腕を持つピアノ調律師。 どんなピアノでも蛭田の手にかかれば、再び美しい音色を奏でる。 しかしその性格は難アリで…。 気高くも毒がある、調律師の世界へいざなう第1巻!という宣伝文句で紹介されています。

ピアノ関連の漫画は今までにも色々ありましたが、調律師を主人公としたものは私にとって初めてでした。時々行く中古CDショップの方から「面白い漫画がある」と教えて貰ったものです。音楽を、しかもピアノの調律だと音そのものを漫画でどう表現するのだろうか?という点にも興味がありました。

主人公は漫画にありがちな「天才的」な調律師。集団に属さない一匹狼で歯に衣着せない言葉や酒浸りで仕事をする状況も完全にアウトロータイプ。接客に不向きでも余りある才能で他の人には到底出来ない事を軽々とやってのける・・・学校や音楽教室の先生、音大生だけでなく、コンサートチューナー、ピアノ製作に携わる技術者、自社製品の専属調律師、調律師養成学校の様子など業界の関係者や、ピアノを金儲けの対象として企むひと癖もふた癖もありそうな怪しい人物も登場して様々な人間模様が繰り広げられます。

曰く付きのピアノが複数出現した、ピアノ線を作る職人、粗悪品の部品の流通、調律不可能なコンサートグランド、ピアノロールの再生、ピアノにヴィヴラートのある音を・・などなど謎解きを含めたストーリー展開に思わず釣り込まれて一気読みしてしまいます。またピアノについてのウンチクもたっぷり盛り込まれていていました。失語症ならぬ失音楽症やピアノの巻き線の作り方など知らなかったことも沢山あり、とても新鮮な印象がありました。

ある時私のピアノの調律師の齋藤さんにも「ご存知ですか?」と見せたら、興味深そうに眺めていました。その存在だけは小耳にはさんでいたようです。プロの立場から見ると紙面で「ダーン」という音で描かれている音出しの仕方や調律の手順などは、実際の作業ではあり得ない光景が多々見受けられるようです。やはり音を文字や画像で表す為には大袈裟なくらいの表現が必要なのかもしれません。「今度買ってじっくり読んでみますね」と齋藤さんは言っていましたが、その後の感想をお聞きしたいものです。
先月5月16日に第10巻が発売されたばかり。もちろん私も一気読みしました。

調律師 齋藤 勉さん

2017 JUN 14 16:16:55 pm by 吉田 康子


私の自宅にはNYスタインウェイがあります。ご縁あって4年ほど前に米国から個人輸入したもので、クリーブランドから航空便で運びました。このピアノの調律師を探していた時に知人からご紹介頂いたのが齋藤勉さんでした。そして斎藤勉さんのお父様、齋藤義孝さんの著書ということでこの本に出会いました。

齋藤義孝さんは、前回掲載記事の宇都宮さんより10歳下の明治39年生まれ。戦前戦後を通して調律の第一線で活躍されました。その次男にあたるのが前述の勉さんで、ご兄弟でお父様の仕事を継いで今に至ります。

この本はグランドピアノの基礎知識という副題の通り、グランドピアノの歴史的変遷や構造、響きなどについて、調律師の立場から丁寧に説明してあります。当時外国ピアノ輸入商会の技術部に在籍していた義孝さんは、世界各地の代表的ピアノで音色やタッチを学ぶ機会を得たそうです。来日演奏家からの信頼も厚くクロイツァー、レヴィ、コルトー、バックハウス、ルービンシュタイン、ケンプ、スコダなど歴史を彩るピアニストとの交流が添えられていて、私もタイムスリップしてその場に居合わせたかったと羨ましく思いました。またポーランドのピアニストであり首相も務めたパデレフスキーの自伝を愛読書として挙げ、そこから多くを学んだようです。この本は戦後の楽団演奏の資料としての回想録という意味合いも込めたと書いてありました。


長旅を経て私の自宅の小さな防音室に収まったピアノは、少し暗くてくぐもった音をしていました。ピアノ到着の一報ですぐに様子を見に来て下さった齋藤勉さんは、製造番号を見るなり大きな溜息をついて「あぁ、NYスタインウェイの一番いい時代のものです。いい楽器を手に入れましたね。」と言って下さいました。その言葉で今までの不安や心配が溶けていくような気持になりました。そして、一か月後こちらの気候に馴染ませてからの本格的な調律を約束してくれました。「今日は軽く調整程度で」と言って慣れた手つきで蓋や譜面台を外して調律を始めました。1時間もかからないうちに作業を終え、弾いてみると、まるで魔法でもかけたかのようにピアノの音が生き生きと明るく輝かしいものに変わっていました。あの感動は今でも忘れません。

昨年五反田文化センターホールでジュノームを弾いた時にも、前日に調律をして頂き大変心強く本番に臨むことが出来ました。また音楽学者としてモーツァルトの校訂者としても著名なロバートレヴィンのコンサートに行った時には、会場の紀尾井ホールで奇しくも仕事中の齋藤さんにバッタリ会い、お互いにビックリしたこともありました。

私のピアノがこちらの気候に慣れるまでには、夏が過ぎ、冬を越し、四季を巡って1年かかりました。こうして齋藤勉さんは私とこのピアノにとって信頼のおけるとても大切な方となりました。

調律師 宇都宮さん

2017 MAY 24 22:22:58 pm by 吉田 康子


【東京音楽社刊】
「宮さんのピアノ調律史」―ピアノ調律一筋に歩んだ70年間の記    宇都宮信一著

先日はファッツオリの調律師の越智さんについて書きましたが、それに続いて気にかかっていたこの本について書いてみます。

東さんのアウグストピアノの調律をご近所にお住まいの宇都宮さんのご長男、誠一さんにお願いしたという記事を読んだのがきっかけです。
アウグストのピアノ

検索してみると宇都宮信一さんは、ピアノ調律師の草分け的存在であり、日本調律師協会の設立に貢献した方であること、NHK番組「四季ユートピアノ」出演で知られる方です。日本のピアノ調律の黎明期にあって70年間をこの道一筋に歩んでこられた半生を振り返って語りかける内容になっています。

文中に出て来る同業者の方々の中で広田米太郎さんといお名前に聞き覚えがあり検索してみたら、広田ピアノの創始者とのこと。三代目広田芳一さんは現在「広田ピアノサービス」を設立されていて、奇しくも私が以前使っていたヤマハピアノの調律を長年お願いしていた方でした。

三鷹のスタジオに素晴らしいスタインウェイのフルコンがあり、そこをお借りした時に管理している方にご紹介頂きました。こうやって人と人がつながっていくんですね。狭い世界なだけに偶然とはいえ、不思議なご縁を感じました。

ファッツィオリの調律

2017 MAY 15 23:23:42 pm by 吉田 康子

公演に先立ち4/22に全員が本番会場でリハーサルを行いました。
おそらくファッツィオリに初対面だった指揮者の田崎瑞博先生は、指揮をしながら耳をすませ、途中で舞台を離れて客席に行ってみてから響きを確認していました。「今までのピアノとは全く違う響きがする。オーケストラの音と綺麗に溶け合う。これでショパンを弾いたらどんなだろう?!またロシアもののコンチェルトの場合は?」と興奮気味に話していました。

今回はファッツィオリの調律を頼みませんでした。費用でなく時間の問題でした。マチネ公演だと午前中がリハーサルで午後2時開演となるために最短でも2時間を要する調律を入れる時間がありません。公共ホールの常で、9時開館という規定を繰り上げるという融通を効かせてくれるところは稀にしかありません。今回の豊洲も典型的なお役所的運営でしたから例外など望めませんでした。しかもGWの最終日とあって、前日にも全く空き無しの状況。「度々調律は行っているから」みたいなホールスタッフの言葉にも半信半疑でしたが、今回はせめて私自身が楽器に慣れるつもりで、本番直前の5/1にホールを借りて個人練習を行いました。
https://sonarmc.com/wordpress/site43/2017/05/02/%e3%83%95%e3%82%a1%e3%83%83%e3%83%84%e3%82%a3%e3%82%aa%e3%83%aa%e3%82%92%e5%bc%be%e3%81%84%e3%81%a6%e3%81%8d%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f%e3%80%82%e6%ba%80%e5%93%a1%e5%be%a1%e7%a4%bc/
弾いているうちに楽器の様子も実感としてつかめるようになってきました。キーの深さ、遊び、戻り具合、ペダルの効きなど。初対面の人でも時間をかけて話していれば少しずつ親しくなれる、そんな感じに似ているのかもしれません。
ただ一つ、気になることが出てきました。ひとつだけ他の音のように響かない音がありました。

隣のキーは柔らかく適度な残響もあるのに、その音だけコツンとした堅い音しか出ません。無理に鳴らそうとすれば、他との音量もタッチのバランスも崩れてしまいます。しかも、その音は中心から2オクターヴ高い「ド」の音だったんです!今回弾く25番はハ長調です。事もあろうにハ長調の主音のドが不調でした。すぐさまホールスタッフを呼んで直近の調律はいつだったかを確かめました。3日前の4/28だったとのこと、そして私の本番の5/7までに調律の予定は無いとのことでした。その場に居たスタッフは事の重大さを理解していない様子、そして後で立ち寄った東さんもファッツィオリの響きに酔うばかりで、ひとつだけ違う音の事など気に留めていない感じでした。
やっぱり調律を何としても入れるべきだったと後悔してもあとの祭りです。練習の時間が終わってホールを後にしての帰りの電車でさんざん考えた末に、どうしても気持ちが収まらなくて電車を降りた駅からファッツオリの会社、ピアノフォルティに電話をしました。車中でホールの使用状況を検索したら、その日の午後と夜間、翌日の午前がメンテナンスとなっていました。可能なら調律師と一緒に豊洲へ引き返すつもりで、帰宅後でなく駅からの電話でした。「社長のワイルさんを」と言いましたが、海外出張で不在とのこと。電話に出た方が調律師だと言うので、事の次第を詳細に伝えました。もちろん調律を頼んでいないのだから、無理を承知の上だとも言い添えました。「私はアマチュアのピアノ弾きだからプロのようなわけにはいかないけれど、5/7本番には満席に近い多くのお客様が来て下さることになっている。そういう場でピアノ自体に問題があるのはファッツオリのメンツにかかわることではないか?」と。

相手の方は穏やかに話を聞いてくれて「実は明日1時間半しか時間を貰えていないが、メンテナンスで豊洲行く予定をしている。問題の音を完璧に直せる時間が無いかもしれないが、気に留めておく」と約束してくれました。「ただ、それ以降にも使用の予定が入っているようなので、5/7まで良い状態を保てるかどうかは保証の限りではない」とも。「それでも結構です、少しでも良い状態になれば十分有難いです。」と私も返事しました。電話を切り際に、相手の方が「調律師の越智です。」と名乗ってくれました。それを聞いて全員の力が抜けて救われた気持ちになりました。先の記事で紹介した通り、FAZIOLIを興したFAZIOLI氏からも「100万人に一人の耳を持つ天才」と認められショパンコンクールにも派遣されていた調律師の越智 晃氏、当の本人でした。これで私の出来る事は全てやり切って条件は整った、あとは本番まで練習を重ねて臨むばかりだと納得と安堵の思いでした。
 
そんな事があった6日後の5/7の本番。リハーサルでファッツオリの前に座って一番先にドの音を確かめました。予想通り完璧ではないけれど前回よりかなり良い状態になっていました。越智さんのおかげです。やっぱりちゃんと仕事をしてくれました。
指揮者の田崎先生は、前回同様に指揮台からだけでなく客席や通路を歩いて色々な位置からの響きを聴いていました。「このピアノは通常よりオクターヴの高い音を強調しない調律になっている、このピアノの特性をよく理解している人が調律したようだ。Aの音を442.5でなくて442.3にあわせて」とコンマスに伝えているのを傍で耳にして、その耳の鋭さに改めて感嘆しました。そこで5/1の事の次第と調律師の越智さんについて田崎先生に伝えました。「公共のホールだから、何も知らない人が鍵盤を思い切り引っぱたいてしまって、アクションに狂いが出たのかもしれない」とのこと。「とにかく直して貰えてよかった」と。
 
今思えば、思い切って電話したこと、しかも翌日に調律に行く前日であったこと、越智さんに直接話せたこと、など絶妙なタイミングと運に恵まれました。自分が一歩踏み出したからこその結果を得られたのだと思います。もちろん本番での演奏もファッツオリの美しい音色と田崎先生の指揮のもと、しっかりとしたオケの皆さんに支えて頂いてのモーツァルト、幸せな時間でした。

ライヴ・イマジン祝祭管弦楽団第3回演奏会ご報告

2017 MAY 11 14:14:07 pm by 吉田 康子


爽やかな五月晴れのゴールデンウィーク最終日、豊洲シビックセンターホールでにてライヴ・イマジン祝祭管弦楽団第3回演奏会が行われました。
朝9時に全員集合で舞台設営をした後にリハーサル。舞台上の運営や進行の指示をする役割を担うステージマネージャーの見事な采配で要領よく迅速に進行しました。




リハーサルはピアノ協奏曲から。このホールには巷で「ピアノのフェラーリ」と呼ばれるイタリア製の高価な手作りピアノ「ファッツィオリ」があります。この数年で広く知られるようになり、ショパンコンクールの公認ピアノとなりました。明るく美しい音色はモーツァルトにピッタリ。弦や管楽器とも綺麗に溶け合います。第25番の協奏曲は演奏機会が少ないものの、モーツァルトの後期を彩る名曲です。この曲からベートーヴェンは運命交響曲のテーマとして取り入れたのではないか?というのが東氏の考察です。



次はハイドンの交響曲第98番。


そして最後はジュピター交響曲。




あっという間にリハーサルは終わって写真撮影を済ませて開場時間を迎えます。

すでにホールの外のロビーやエレベーター周辺には長い行列。受付ではベテランの3人が手際よくお客様をご案内しました。
最初は恒例の幹事の挨拶から。そしてレクチャーの東 賢太郎氏にバトンタッチ。今回は「さよならモーツァルト君」というタイトルに因むお話ということでハイドン、モーツァルト、べートーヴェンの関わりをピアノ演奏を取り入れながら解りやすく解説して下さいました。



そしていよいよ演奏です。最初はハイドンから。これこそ「さよならモーツァルト君」のタイトル通り、ロンドンでモーツァルトの訃報を聞いたハイドンが終楽章で最後チェンバロとヴァイオリンの二重奏を入れて別れを告げます。今回のヴァイオリンソロはコンマスが、チェンバロ代わりのピアノソロは指揮者が行って曲を締めくくりました。


次はピアノ協奏曲。第1楽章には運命動機が次々と形を変えて登場します。独奏者自作のカデンツァを取り入れての演奏です。管楽器とのアンサンブルが美しい2楽章、軽やかな第3楽章とファッツィオリから煌めくような美しい響きの音が溢れました。


そして休憩の後は、いよいよジュピター交響曲。モーツァルトの最高傑作であるこの曲は公演を締めくくるのに相応しい大曲です。田崎先生の巧みな指揮で全員の熱い想いを紡いでいきます。一期一会のオーケストラでありながら時間をかけて練習を重ねてきました。


本番での渾身の演奏は、皆の気持ちを昇華させ、聴衆を感動で酔わせました。夢から覚めたような拍手喝采に感無量の思いでした。今まで最多の230名のお客様を迎えて、素晴らしい演奏が出来たライヴ・イマジン史上に残る最高の演奏会でした。

ファッツィオリを弾いてきました。+満員御礼

2017 MAY 2 2:02:45 am by 吉田 康子

5/7の公演に沢山のご応募を戴き、ありがとうございました。
おかげ様で満員になりましたので、ここで締切にさせて頂きます。

5/7に豊洲本番で使用するピアノはファッツィオリというイタリア製のピアノです。
1981年パオロ・ファッツィオリ氏による創業のピアノメーカーで、多くの手作業工程によって製作され、独自の設計と美しい音色で知られます。
ウィキペディアより

日本では2008年にファツィオリピアノの日本総代理店としてピアノフォルティ株式会社を設立されました。
ピアノフォルティ株式会社
「手作りの素晴らしい音色の全く新しいピアノがある。滋賀県栗東町のホールにしか置いていない」という噂の幻のピアノという存在でした。私の好きな「パリ左岸のピアノ工房」という本にもその名前は取り上げられていて、いつか一度は弾いてみたいと思っていました。

2010年に近所の楽器店がファツィオリの試弾者を応募しているのを偶然知り、一番先に予約申し込みをしました。田町駅から殺風景な倉庫街を歩き、その一角のビルの中にズラリと全部の機種が並んでいました。TV撮影でブーニンが弾いて戻ってきたばかりという4本ペダルの最大モデルから一番小さなベビーグランドまで。さぁどうぞ、と言われても気遅れしてしまいそうでした。プロのピアニストなら何でも思いつくままに弾けるのでしょうけれど、私は本番を終えて間もないシューマンの協奏曲しか弾けませんでした。それでも社長のワイルさんは手探りながらもオケパートを一緒に弾いて下さって、本当に至福のひと時でした。欲張って全部の機種を弾かせて頂きましたが、4本ペダルの最大モデルは本当に特別な深い響きがありました。また一番小さなベビーグランドであっても楽器の持つパワーと明るく精緻な音色が今までとは全く違うものとして印象に残っています。

昨年8月にNHKで放映されたBS1スペシャル「もうひとつのショパンコンクール~日本人調律師たちの闘い~」という番組で、ファッツィオリの名前は更に広く知られるようになったと思います
NHK BSスペシャル

2015年に豊洲文化センターが豊洲シビックセンタービル内に移転し、新しいホールに何とファッツィオリが入ると知った時には、熱い想いで一杯でした。ピアノのフェラーリと巷で呼ばれる程、高価で近寄る機会も無かった楽器を身近に弾ける機会が再び巡って来るとは思いもよりませんでした。幸いにも昨年6月に私はドヴォルザークの作品を弾く機会を得て、以前の印象が更に実感として迫ってきたように思いました。

4/22に豊洲ホールでのリハーサルでも、「今までとは全く違う美しい響きがするピアノ」と指揮の田崎先生が評したように、他の楽器と綺麗に溶け合う特別なピアノです。それだけに弾いた感じ、タッチも響きもペダルも自宅のNYスタインウェイとは全く違う感じがして「楽器に慣れる」必要があると実感しました。

ライヴ・イマジンのようにマチネ公演だと、午前中にリハーサルを行う為に調律の時間が取れません。昨年五反田文化センターホールでジュノームを弾いた折には、前日に自宅ピアノでお世話になっている調律師の斎藤勉さんに来て頂いてホールのピアノ調律と私自身の練習を行いました。「少しでも沢山弾いて自分のピアノにして下さい」という齋藤さんの言葉通り、翌日の本番ではピアノと信頼し合える感じを持って弾くことが出来ました。


今回の本番はゴールデンウィーク最終日ということもあり前日も全く空きが無く、せめて私自身がファッオリを少しでも多く弾きたいと思い、今日午前にホールとピアノを借りて弾いてきました。何とも贅沢な事ですが私にとっては何物にも代えがたい貴重な機会でした。本番まで残り僅かですが、出来る事は全て行って臨みたいと思っています。

写真は、レクチャーを行う東さんです。
 
今日豊洲にお立ち寄り下さって、ファッツオリにもご挨拶代わりに一曲。練習の後に今回のプログラムについてのお話を沢山聞かせて頂きました。舞台の後ろはガラス張りになっていて、パネルを開けると東京湾の景色が一望できます。午前中は日差しが直接差し込まないので、自然光の中でのホールもまた違った雰囲気です。

豊洲でのリハーサル

2017 APR 27 2:02:38 am by 吉田 康子


次回ライヴ・イマジン37は、5月7日です。それに先立ち
4/22(土)に本番会場でリハーサルを行いました。
今までにない、贅沢なことです。ホールを借り、舞台にはひな壇を作り、本番さながらの配置で行いました。もちろん照明や音響も本番と同じです。事前にはホールスタッフと打ち合わせまでしての臨みました。

皆で準備を始めたところです。限られた時間を手際よく進めます。

準備も大変でしたが、本番が近づいた今、出演者にとって貴重な機会となりました。舞台や照明、客席の様子など本来なら本番当日でないと判らない事を一度前もって経験しておくだけで、どれだけ本番が心強いかと思います。


今回の会場、豊洲シビックセンターホールは、数年前に開館したばかりの新しいホール。東京メトロ有楽町線や「ゆりかもめ」の駅を出て目の前のピカピカの江東区のシビックセンタービルの5階にあります。

ご覧の通り舞台後ろはガラス張りです。普段は閉めてあるパネルを開けると豊洲の景色が一望に見渡せるというサプライズもあります。

公共のホールだけあって舞台設営も自分達で行う為、軍手持参で手際よく平台を運んだり、椅子や譜面台を並べました。もちろん録音録画も行い、反省材料にもなりました。舞台は明るくて音が会場全体にムラ無くよく響き、各奏者の音もとても聴き易いという感メンバーからの感想でした。

ここのピアノはファッツィオーリというイタリア製の明るく美しい響きのピアノです。ライヴ・イマジンでは前回にも使用しましたが、指揮の田崎先生と解説を行う東さんにとっては初対面の楽器のようで、興味津々。舞台で弾いてみたり客席から聴いてみたりとその魅力に引き込まれていました。写真でピアノを弾いているのは、当日レクチャーをして下さる東さんです。

本番まであと僅か。準備は着々と進んでいます。どうぞお楽しみに!

動画編集奮戦記その3

2017 APR 8 1:01:16 am by 吉田 康子

公開は見合わせる事にしたものの、折角の動画をメンバー内で共有したい
という思いはありました。自分の弾いている姿は、姿勢や体の使いかたなど
一歩離れてみると気づく事が沢山あります。
iPhoneの画像が思いのほか綺麗だったこともあります。
いよいよ本題の動画編集の必要性に迫られました。

ヤフーボックスは1ファイルの上限が500MBしかありません。
それって、GBが当たり前の動画なのに使い物にならない規格です。
動画はアップするなということか?と思ったくらいです。仕方なしに
70分の録画で約4GBを8分割することを考えました。
先ずどのソフトを使ったらいいか、それさえわからず検索して
ようやく行き着いたのがVideo Padというフリーソフト。
せっかく編集できるなら、編集者特権で自分が上手く弾けなかった
ところはカットしようとか私利私欲が頭をもたげてきました。
試行錯誤の末に何とか短いビデオクリップに仕立てたものの、
PCに保存することが出来ない。再生できるように拡張子をmp4に変換
できない。それらの作業をしようとすると、「ソフトの本編を購入して」と
14000円の今だけの特別価格!とやらの広告が何度も出てきました。
どうも最初の5回くらいは保存できるようですが、それ以上は試用期間外に
なるようです。

検索機能というのは便利なもので、そういう場合の抜け道も教えてくれました。
やっぱり視覚に訴えるものは説得力があります。四苦八苦してアップロードした
3分ほどの短い動画でもリアリティが違いました。
それにしても動画を分割するだけの作業が何故出来ないか?文章ならアドビの
アクロバットで瞬時にできるのに!ともどかしい思いです。
たったここまでの事でも朝からずっとパソコンとにらめっこして
他に何も出来ずに数日を費やしました。
いやはや、このままでは本末転倒になると思ったので、早々と動画編集の
放棄宣言を同報メールとして出しました。
結局こんなに苦労しても一体誰が見てくれる?という思いもありました。

動画編集奮戦記 その2

2017 APR 5 21:21:21 pm by 吉田 康子

演奏もそれなりに(汗)何とか乗り越えて、録画と録音も行い、

カメラマンの方から写真データを受け取り「さて」と考えました。

先ずは手慣れた写真からと300枚以上の写真を

ヤフーボックスにアップロード。

解像度をそのままにフォトショップでサイズダウンして

ブログにも掲載しました。そこまでは公演後にいつも

行っているので順調に終わりました。

 一眼レフで撮った写真

今度はいよいよ動画です。先ずiPhoneの画質の綺麗さにビックリ!

iPhoneは他のスマホより高価ですが、このあたりでの実力差を実感しました。

デジカメは手持ちだったせいもありますが、歴然の差がありました。

今どきのデジカメなら事情は違ったと思いますが、なんせ9年前の製品。

技術の進歩をこんなところでも実感です。

デジカメの動画よりスクリーンショット

iPhoneの動画よりスクリーンショット

感心ばかりしていられないので、実際に録画を見て考えました。

先ず「これは公開出来ない!」と。メイキングの動画は巷に溢れています。

当初はTVなどで見る超メジャーのプロオーケストラのような

イメージが先行していました。

が!現実はキビシイ・・それを思い知らされたような感じでした。

録音はシビアです。やはり所詮アマチュア、しかも初回の練習となれば

CDで聴くようなプロの演奏とは比べものにならないくらい遥かに遠いところにいます。

そういえば指揮者の先生(プロ)がこの話を聞いていて、困ったような様子

だったことに思い当りました。

折角盛り上がった雰囲気に水を差すのは気が引けたのでしょうか・・

よくYouTubeで「ウチの子の発表会」とかをアップしていますが、

あれって世界中の人が見るという想定はないのだろうか?と思った事が

しばしばあります。「そう思うなら自分は止めておけ、年相応の良識は忘れずに」と

急に謙虚になりました。私達アマチュアの演奏は、本番の熱演とホールでの空気、

視覚から受けるイメージなどに脚色されてライヴならではの条件がプラスに

作用してくれるものだと痛感しました。まぁ「伸びしろはたっぷりある!」ということで、

自分を励ましながらもブログにアップするのは写真のみになったわけです。

 

詳しくは、「ライヴ・イマジン始動」をご覧ください。

ライヴ・イマジン37 始動

 

 

 

 

動画編集奮戦記 その1

2017 APR 4 21:21:24 pm by 吉田 康子

このソナーのブログに参加させて頂いたのは、私達の演奏活動である「ライヴ・イマジン」の公演についてより多くの人に知ってもらいたいという事がそもそも始まりでした。今回ご縁あって東さんとお話が出来た機会に動画配信のアイディアを頂きました。「百聞は一見に如かず」は大いに共感するところです。そしてこのブログを使わせて頂くことになりました。

ライヴ・イマジンの活動は14年になりますが、本番の録画と写真はあったものの、なかなか新しい事に一歩踏み出せずにいたところでした。SNSを駆使して宣伝をする必要性は感じていましたが、背中を押してもらったような気持で、とにかくやってみようと。思い立ったが吉日です。

初回2/26の練習で初めて録画を行いました。「やってみなはれ」ですが、大体において何を使って録画するか?さえ咄嗟に思い浮かびませんでした。録画=ビデオカメラの発想でしたが、子供の学校行事の録画からビデオカメラにもご無沙汰して久しいです。今どきのビデオカメラには縁が無いし・・他には?と考えて、手元にあるコンパクトデジカメが思い当りました。それだって2008年製の1010万画素のものでした。動画なんて撮ったこともありませんでしたから、取扱説明書を検索してダウンロードするところからのスタートでした。

他には?と考えた時に、何の事はないスマホでの録画があるじゃないか?!と気が付きました。iPhone6Sの16GBです。写メは撮っても録画と言ったらせいぜい数分程度の生徒のレッスンでの演奏録画くらい。以前に室内楽の練習録音に使っている方がいて、とてもクリアに長時間録音出来ているのに驚いた覚えがあります。

取りあえず手持ちの物でやってみよう!と小さなカメラスタンドだけ買って迎えた初回練習でした。そのスタンドも「スマホ、録画、道具」みたいなキーワードを入れて検索して出て来たものです。やはりカメラを安定させるのが大前提のようです。

2/26は、オケの皆さん、指揮者、写真撮影の方、東さんも見えられて、まさにオールスターでの初顔合わせ。録画以前に、自分の演奏で精一杯の気分でした。

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