ライヴ・イマジン41
2018 OCT 25 20:20:53 pm by 吉田 康子

2018年11月24日(土)13:30開場 14:00開演
江東区豊洲シビックセンターホール
入場無料(要整理券)未就学児童の入場はご遠慮下さい
秋のライヴ・イマジンは、爛熟したロマン派の響きの音楽をショーソンを中心とした作品でお楽しみ頂きます。中でもコンセールは、音符の数がとても多く独特の和声がちりばめられ、ほの暗い情感に溢れた美しい曲です。私にとって大変難しい特別な曲ですが、いつかファッツィオリで弾きたいという思いを長年温めてきました。独特な編成のため演奏の機会が少ないですが、詩曲と同じく大変な名曲です。皆様にもその魅力をお伝え出来ればと思っています。ご来場をお待ちしております。
ショーソン 詩曲 (ヴァイオリン独奏:前田秀)
ヴェーベルン 弦楽四重奏のための緩徐楽章
ヨハン・シュトラウス二世 皇帝円舞曲
・・・・
ショーソン ヴァイオリンとピアノ、弦楽五重奏の為のコンセール
ヴァイオリン:内田 明美子、木村 俊道 ヴィオラ:内田 吉彦
チェロ:西村 淳 コントラバス:櫻澤 有紀子 ピアノ:吉田 康子
フルート:大門 一夫 クラリネット:藤崎 香奈子
入場整理券をご希望の方は、下記の問合せ先アドレスに
お名前 ご住所 電話番号 年齢 職業 コメントを添えて
「ソナーメンバーズブログを見て整理券希望」とご記入下さい。
折り返し上記の葉書(入場整理券)をお送りします。
お問い合わせ liveimagine@yahoo.co.jp
リフォーム工事完了
2018 OCT 14 18:18:09 pm by 吉田 康子
3か月に渡った自宅リフォームが完成しました。ほぼ毎日防音室に通っていたので、日々の進捗が手に取るように見えました。
大工さんが柱や壁、床、耐震補強、断熱材など家の構造に関わる部分から着手し、次いで階段、玄関の靴箱やクローゼットなどを作り終えるまでが全行程の3分の2くらいを要しました。今年の夏は特別の酷暑で年配の棟梁には気の毒な程でしたが、コツコツと丁寧な仕事をして下さいました。「一生懸命やっていると何だか自分の家を作っているような気持になる」という言葉が印象的でした。家の前に山と積み上げられた木材が柱や壁材になって家に収まっていく様子はパズルのピースのよう。そのあとキッチンやお風呂など設備が入るのと並行してボードを貼り、クロス屋さんに引き継がれました。家中の天井や壁紙、床のクッション材を貼っていくのは、お化粧をしている感じです。壁や天井が白くなると一気に明るくなりました。その後に電気工事、エアコン取り付け、最後にトイレと洗面台が入って水が使えるようになりました。仕上げにハウスクリーニングが入ると養生シートに覆われていた床材や設備が現れて、まさに「新築そっくりさん」に。昨日今日と「現地見学会」をして、モデルハウスとして公開しました。訪れた方々は新築さながらの仕上がりに一様に感心した様子でした。夕方見学会を終えて鍵を受け取ってようやく工事完成の実感が沸きました。
今回担当して下さった方は、建築士でもあるのでご自身で図面を作成し、色々なプランを提示してくれました。今まで沢山の現場を手掛けてきたのでしょう、的確なアドバイスはとても心強いものでした。階段の勾配を緩くしたり、間取り変更や空きスペースの有効利用、水道栓の位置に至るまで以前の生活に基づいたきめ細かな配慮を頂きました。どんな小さな事でもきちんと対応して下さる姿勢は大きな信頼に。やはり最後は「人」ですね。引っ越し、仮住まい探しからエアコン移動に至るまでの連携も滞り無く運びました。ご縁あっての今回のリフォーム工事はピッタリ予定通りに完了しました。明日、仮住まいからの引っ越しです。

新築そっくりさん
2018 AUG 17 19:19:07 pm by 吉田 康子
これ、リフォーム工事の名前です。以前、広告でこのネーミングを見た時は冗談かと思いました。でも一度見たら忘れないという点ではなかなかスゴイと改めて思います。
我が家は築25年になる小さな戸建てですが、経年劣化とでもいうのでしょうか、古さを感じ始めていました。数年前に浴室や洗面台を取り替えたものの今一つの感じで、次はキッチンを思っていました。やはり水回りが気になるものです。ショールーム見学をしたりリフォーム相談をしているうちに話はとんとん拍子に進み、ピアノのある防音室と外壁を残して内側を全て作り変えるという工期3か月の大々的なリフォームに。まぁ担当者に上手く乗せられたのかもしれませんが、「やるなら今でしょ」という機運に乗ってしまおうというイケイケの感じもありました。
住みながらの改築は出来ないので、3か月だけの短期仮住まい用のマンションに引っ越し。家財の半分は保管庫に、残りの半分を仮住まいに運搬という大ごとに。長年住み続けていると何かと物が増えるものです。ライヴ・イマジンの本番が終わってから一週間ほど、実際には正味3日で荷造りをしました。断捨離なんて言っている暇も無く、とにかく運び出して貰えるように梱包するだけで精一杯、引っ越し当日の早朝に最後に残った自分の荷物を全て段ボール箱に詰め込んで何とか準備完了というギリギリセーフ状態でした。
自宅から車で10分かからない近所のマンションなので生活圏は同じですが、ピアノが無いので毎日自分の練習とレッスンに通っています。家の中は床や壁を取り壊して大々的に工事中ですが、防音室に入れば今迄通り。電気、電話、インターネットは継続しているものの水が使えないのは不便ですが、贅沢を言ってられません。楽譜の他にお弁当や水筒、おやつまで持参して通う毎日は夏期講習にでも通っている気分。9月の始めから次回公演の合奏が始まるので、今は準備と練習に追われています。工事完了は10月半ば、本番1ヶ月前の予定です。

ライヴ・イマジン40Anniversary ! ご報告
2018 JUL 10 13:13:02 pm by 吉田 康子

おかげ様で「ライヴ・イマジン40Anniversary ! 」公演が無事終了しました。詳しくはライヴ・イマジン音楽記をご覧ください。
ライヴ・イマジン40のご案内
2018 JUN 16 23:23:45 pm by 吉田 康子

早いものでライヴ・イマジンは15年目、40回目の公演になります。奇しくも七夕の日に一番親しみのある会場である「すみだトリフォニーの小ホール」でお祝い出来るなんて、なんだか素敵な演奏が出来そう♪と考えるのは楽観的でしょうか・・・
折角の節目なので明るく親しみやすい名曲を、と大切にしてきたシューマンのピアノ五重奏を再び。そしてシューベルト晩年の2つの歌曲で彩りを添え、幸せに満ちたジークフリート牧歌を田崎先生の指揮で、という思い入れのあるプログラムになりました。ご案内チラシも色とりどりで華やかに仕上げました。
シューマン ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44
シューベルト 歌曲 流れの上で D.943、 歌曲 岩の上の羊飼い D.965
ワーグナー ジークフリート牧歌 (指揮:田崎 瑞博)
ソプラノ 鷹尾伏 紘子 フルート 大門 一夫
オーボエ 野原 国弘 クラリネット 佐藤 健 、藤崎 香奈子
ファゴット 奥山 薫 ホルン 池田 真 、宮澤 久美子
トランペット 奥山 宏 ヴァイオリン 玉城 晃子、 青山 千裕
ヴィオラ 須藤 麗子 チェロ 西村 淳
コントラバス 北村 隆男 ピアノ 吉田 康子
お問い合わせ liveimagine@yahoo.co.jp
残念な楽譜
2018 MAY 25 10:10:37 am by 吉田 康子
最近残念だったもの・・・それはショーソン作曲「コンセール」のサラベール版の楽譜です。
ピアノとヴァイオリンと弦楽四重奏の為の、と副題があるOp.21の曲。
これは2007年に旧奏楽堂でのライヴ・イマジンで取り上げたことがあります。第2楽章のシチリアーノはNHK-FM音楽番組のテーマ曲にも使われたことがあるので、耳にしたことがある方も多いかもしれません。どの楽章もドラマチックでくぐもった美しさがあって、ぞっこん惚れ込んで練習を始めました。いやはやピアノの音が多すぎ!という感じ。しかも増6度とか増3度とか馴染みの薄い和音のアルペジオで譜読みに苦労しました。
当時はインターナショナル版しかセット楽譜が売っていなかったので、それを購入して使いました。そして図書館でフランスのサラベール版をコピー。比べてみると中身はほぼ同じでしたが、やはりフランスのサラベール版は、少し大きめサイズで表紙の文字からして雰囲気がありました。当時共演したヴァイオリニストが発注していましたが、結局は到着が本番に間に合いませんでした。
下の画像の左がインターナショナル版、右がサラベール版です。

もし機会があれば今度は是非サラベール版でと思っていました。ライヴ・イマジン41で演奏出来ることになったので早めに発注。値段を見てビックリ!インターナショナル版は全パートのセット譜¥7650に対して、サラベール版は何と弦楽器のパート譜セットだけで¥6170、別売りのスコアを兼ねたピアノ譜は¥8240もしました。全部買えば倍額近くになります。とりあえずピアノ譜だけ発注しましたが、ゆうに2か月を要してようやく届いたのが、これです。

何これ?!と思わず呟いたほどでした。間違った楽譜を頼んだかと焦りました。コピー譜を綴じたかのようなリング式で間に合わせのような装丁。しかも実際はA4より小さめサイズ。何でこんなに変わってしまったのか?図書館にあった昔の装丁の楽譜を想像して楽しみにしていたのに、子供のスケッチブックのようなもので¥8240は、ぼったくりでしょう?!なんか騙された気分でした。
細かい音が多い曲だけにこのままでは書き込みも出来ず使い物にならない・・と思案した挙句、拡大してB4版にと思い立ちました。先日キンコースに行ってクリーム色の紙を指定して両面印刷、表紙には透明なカバー、裏表紙には紙と同じクリーム色の台紙にしてリング式で仕立て直したら見違えるように。こちらの方が余程綺麗で見やすいです。
下の画像は、上から以前使ったインターナショナル版(ペヌティエとパスキエのサインも)、今回取り寄せたサラベール版、拡大してB4版にしたもの。

まぁこれも通販ですから、実物を見ないで買うというのはこういう事かもしれません。そういえば楽譜店のサイトにも画像が載っていなかった事に今更ながら気づきました。
改めてサラベール版について検索してみると「ドビュッシーやラヴェル、サン=サーンスの作品を出版しているデュラン社は1869年、サラベール社は1894年の創立ですが、現在では独立経営が難しくなったため1907年創設のエシック社と組んで共同経営する形をとっています。出版社が合併・統合を繰り返し次第にそれぞれが持っていた個性を失って行くのはなんとなく寂しい気はしますが、これも時代の流れの中ではやむを得ないことなのでしょう。」という記述があって共感。
学生時代には、ショパンのコルトー版といえばサラベール社から出版されている水色の高価な楽譜でした。ポーランドのパデレフスキー版が¥2000くらいだった時にコルトー版は¥6000くらいしていましたが今では全音からライセンス版が出ています。装丁や紙の質が悪かったパデレフスキー版は、すぐにページがバラバラになってしまっていましたが、これも下の画像の通り今では日本語解説が付いた何の変哲もない国内版になっています。

今では楽譜を売っている店が減り、ネット取り寄せや気に入った1曲だけをダウンロードできるサービスもあり、隔世の感があります。

上の画像は中古で買ったフランスの楽譜で廃版のものばかりですが、表紙の絵や文字に個性が感じられて味わいがあります。懐古趣味ではありませんが、私は旧いものの方に心惹かれます。効率だけを求めて合理化したものも必要でしょうけれど、こういう趣味のものにはそれぞれが持つ味わいを残して欲しいです。
ピカチュウ、ゲット!
2018 MAY 11 21:21:25 pm by 吉田 康子
「ポケモンGO」にハマっています。
ご存知の通り「ポケモンGO」は2016年にスマホ向けのゲームとして無料配信され、世界中で社会現象とまで言われた大ブームを巻き起こしました。位置情報と連動して現実世界そのものを舞台にして仮想のポケモンを捕まえるゲームは、幅広い年齢層に受け入れられました。もちろん私も2年前の配信初日にダウンロードして以来のファンです。

ポケモンは、架空の生き物「ポケットモンスター」の略称。題の「ピカチュウ」は、上の写真の通り一番人気の電気タイプの黄色いネズミの名前です。ポケモンはもともと1996年に発売された携帯用ゲーム機「ゲームボーイ」のソフト。収集、育成、交換、対戦の要素があって当時の小学生くらいの子供達に男女を問わず絶大な人気がありました。TVアニメや映画にもなり、当時の子供達は151匹いたポケモンの名前を覚える歌を毎日口ずさみ、文庫本サイズのポケモン図鑑や交換用通信ケーブル、お菓子のオマケのポケモン人形がお宝でした。
それが20年後に「Pokémon GO」として、こんな形で戻って来るとは!
「画面に現れたポケモンにボールをぶつけて捕まえる」という単純さで誰もが解りやすく、自分のペースで遊べる点が受け入れられたのだと思います。通常ゲームはモニターの中での室内遊びでしたが、これはスマホを手にポケモンを捜しに外に出て色々に場所に出かけて行くという点が新鮮でした。やはりGPSの発展した今ならではのものです。
街中あちこちにある「ポケストップ」で道具を手に入れ、出て来たポケモンを捕まえます。ポケモンは1匹ずつ身長や体重、強さや技など事細かに設定されていて感心してしまいます。SNSも行き届いたせいか珍しいポケモンが出る場所の情報がいち早く拡散して一気に大勢の人々が集まるという現象も。単純なだけに時間が経つにつれて若年層は飽きてしまったようです。現在まで続けている人達の中では40代以上の年齢層が大きな割合を占めるせいか「貧乏で暇な年寄のゲーム」だと揶揄されたりもしました。
それで終わってしまわないのが凄いところで、様々な形で「バトル」という対戦要素を盛り込み、離れかけていたファン層を一気に引き戻しました。時間限定で強力なポケモンに皆で立ち向かう「レイドバトル」やジムを守っているポケモンと戦う「ジムバトル」があり、最近では天気に連動する機能や毎月一回特定のポケモンが出現する日など次々とイベントを繰り出して飽きさせない工夫はさすがです。また強いポケモンを捕る時の技や各ポケモンの個体値測定アプリなど、オタク心をくすぐるウンチクの余地もあります。
この集客力に目をつけたのか、日本橋の老舗デパート「高島屋」がブランドショップを改修してポケモンセンターにして大盛況だとか。また昨年11月の鳥取砂丘でのポケモンイベントには8万7千人が訪れて砂丘までのシャトルバスが3時間待ちだったとニュースで見ました。私は、昨年夏の横浜のイベントに骨折で行けなかったのがとても残念でした。今年の横須賀イベントには是非!と思っています。
ゲームとは無縁でインドア派だった私が毎日外に出て楽しめるという点で、生活に彩りを添えてくれています。このゲームではレベル40が今の上限ですが、私はレベル38、まだまだ楽しめそうです。
完治報告
2018 MAY 9 20:20:15 pm by 吉田 康子
今日が手首骨折に関する最後の診察でした。2/20にプレート除去、1週間後に消毒、2週間後に抜糸。そして11週間後の今日、除去後の骨の様子をレントゲン確認して、一連の治療は終了しました。
手首の動きは、手のひらを内側に倒す「掌屈(しょうくつ)」や外側に反らせる「背屈(はいくつ)」また、手のひらを内側ねじる「回内(かいない)」や外側にねじる「回外(かいがい)」などがありますが、どれも9割くらいまで取り戻しました。そしてピアノを弾くことについても9割くらいの回復です。手首の中心部に硬さが残るものの、指に支障は無く元通りに動きます。既に2/17にバッハの協奏曲、3/21連弾版でのモルダウの本番を終えました。今は7/7ライヴ・イマジン40のシューマンやシューベルトの練習に追われ、11/24ライヴ・イマジン41の準備にも取り掛かっているところです。
久しぶりに顔を合わせた担当医師は、レントゲンで骨の様子を見てから私の手の動きを確認。そして「おかげさまで元通りに弾けるようになりました」と言う私の話を聞いて、相好を崩して「よかった、よかった」と喜んでくれました。
受傷後に次々と病院に行く度に悪くなっていく診断にとどめを刺すような結果に直面し「より良い回復を目指すなら手術しかない」という判断を聞かされた時には、目の前が真っ暗になったような絶望の気持ちでした。「元通りに弾けるようになるでしょうか」との私の問いに無言で答えなかったこの医師の様子を昨日の事のように思い出します。私も「大丈夫ですよ」というなまじかの気休めを求めていたわけではなく、「これがベストの治療で他に選択の余地無し」という医師の判断に委ねようと決めた瞬間でもあったと思います。
「この方のおかげでここまで治して頂けた」と思うと言葉にならないくらいの感謝の気持ちで一杯です。医師って尊い仕事だなと身をもって実感しました。骨折してから10か月。沢山の方々にご迷惑やご心配をかけてしまいましたが、皆さんに支えて頂き、おかげ様でようやく完治出来ました。どうもありがとうございました。
連弾版「モルダウ」
2018 MAR 16 16:16:50 pm by 吉田 康子
来週ピアノの発表会があります。「生徒の独奏と連弾、そして最後に先生達の連弾」という形で18回目、すなわち18年目。出演する生徒だけでなく「先生」という立場の私達にとっても年一回のイベントです。同窓の1年先輩の方との連弾で、今迄色々な曲を弾いてきましたが、今回は「モルダウ」にしました。
交響詩「モルダウ」
下は冒頭部分のスコアです。フルートソロから第1の源流。もうひとつフルートで第2の源流、クラリネットも入り次第に本流に。
「モルダウ」は、スメタナ作曲の6曲から成る交響詩「わが祖国」の中で特に有名な第2曲目。1874年に作曲されヴルダヴァ川(ドイツ語名モルダウ川)の流れを描写したもので哀愁漂う旋律で人気の曲です。これに何とスメタナ自身編曲のピアノ連弾版があることを初めて知りました。
連弾版「モルダウ」
下の連弾用の楽譜は有名な主旋律のところ。左が低音部分担当のセコンド、右が高音部分担当のプリモのパート譜です。さすがに作曲者自身の編曲だけあって連弾でも相方の指にぶつからないように巧みに避けながら原曲に近い表現が出来る配分は見事なものです。川の流れを細かな16分音符で伝えてきますが、連弾の場合は2人でピッタリと合わせないと「氾濫」をおこしそうになります。楽譜の各場面に情景の描写を示す言葉が添えられていて標題音楽の形をとっています。「森・狩り」や「村の婚礼」「月の光」「水の精の舞」などの場面があり、実際にはエルベ河となってドイツ領に流れていきますが、チェコの人々の暮らしに溶け込んでいるモルダウの存在の大きさを感じさせます。

私にとって「モルダウ」は原曲の通り「オーケストラで演奏される曲」であり「プラハの春音楽祭のオープニング曲」いう認識がありましたが、歌詞がついて立派な合唱曲にもなっています。作曲者スメタナは知る由も無いでしょうけど、やはり美しい旋律に歌を添えたいと思う人がいるようです。これと同様にホルストの組曲「惑星」の中の「木星」は「ジュピター」という名前の歌の方が一般的には有名だったり、ベートーヴェンの「悲愴ソナタ」の第2楽章も歌としての編曲があるようです。こうやってみると「クラシック」と呼ばれるジャンルの旋律は大事に仕舞っておいたり飾っておく古めかしい骨董品ではなくて、現代にも通用する応用範囲の広い身近な実用品という感じがします。
合唱曲「モルダウ」
合唱曲「モルダウ」は、中高生の学校行事である「校内合唱コンクール」の定番になっていて、合唱曲として知っている人も多いようです。多少教訓めいた歌詞に学校教育用を前提にしているような意図を感じるのは、私だけかもしれませんが。
別にウケ狙いを考えたわけではありませんが、耳慣れた旋律という点でこういう場で弾くには相応しいものだと思いました。以前ラヴェルの「ラ・ヴァルス」よりチャイコフスキーの「花のワルツ」の方が「感動した」という方々が多かったこともあります。親しみのある曲なだけに、滞りない流れを感じさせる演奏が大事だと思います。本番まであと少し、会場のピアノはベヒシュタインのセミコン。小ぶりながらも美しい響きとパワーのある楽器です。当日を楽しみに練習しています。
クラシック音楽バー「ヴァルス」
2018 MAR 4 23:23:11 pm by 吉田 康子

2/17ライヴ・イマジン39でお世話になった調律師の齋藤 勉さんに教えて頂いたお店「ヴァルス」に行ってきました。
齋藤さんの三男の容平さんがオーナー兼バーテンを務めていて、音楽の友社のサイト「オントモビレッジ」でも紹介されました。
目黒の権之助坂沿いのビルの二階にあり、14席のカウンターだけのシンプルな作り。壁面には凝ったデザインのラベルの酒瓶と綺麗に磨かれたグラスが並びます。カウンターの両サイドにあるブロッドマンという名前のスピーカーから流れていたのは、フォーレのノクターン。重厚で柔らかくなめらかな響きがすると思ったら、あのベーゼンドルファー社由来のメーカーとか。スリムな形で表面がピアノのような美しい仕上げに合点がいきました。

夕方6時の開店間もない頃に到着しましたが、カウンターの隅には女性の先客がひとり。常連さんらしく何か書きものをしながら、時折カウンター越しに齋藤さんと話をしていました。
「ここはツイッターか何かでご覧になったんですか?」と容平さんから尋ねられ、「実は」と経緯をお伝えして、ライヴ・イマジン39のプログラムを渡しました。お父様の面影がある風貌と穏やかな語り口で和やかな雰囲気を醸し出しています。
「音楽が大好きで、お酒が大好きで始めた店」とお父様に伺った通り、並んでいるお酒ひと瓶ずつにも拘りがあって、お酒に疎い私にも解りやすく説明して下さいました。中でもKOVALという初めて聞く名前のお酒には特別の思いがあるようです。全てオーガニック原料から生産していること、経営者のプロフィールや日本での取り扱い店など詳しく伺いながら私は香水瓶のように綺麗な形をした瓶の琥珀色に見とれていました。

私がお願いしたのは、あっさりとした口当たりのカクテル「ダイキリ」。容平さんは鮮やかな手つきでシェーカーを振って細身の綺麗なグラスに注いでくれました。素敵な気分に酔いそう♪
齋藤容平さんの祖父にあたる齋藤義孝さんは、日本の調律師の草分け的存在。義孝さん関連の写真や書簡をまとめたアルバム目当てに来店する人も多いそうです。戦後に来日した外国人演奏家のコンサートの調律の殆どを担当して第一線で活躍していました。アルバムには、コルトー、バックハウス、アラウ、デムス、ケンプ、ルビンシュタイン、シフラ、ヴァン・クライバーン、ミケランジェリ、アルゲリッチなど超有名演奏家と並んで立つ写真や、直筆のメッセージが並んでいて、歴史を垣間見るよう。

コルトーの手紙は、滞在していた帝国ホテルの便せんに美しい手書きの文字で詩を読んでいるような気持に。山口県にある「孤留島」という島の名前もあります。バックハウスも一般的な写真でなくリラックスした感じで義孝さんと並んでいて、違う一面をみたようです。

アラウやデムスはとても若くて誰だか判らなかったり、大好きなフォルデスやルビンシュタインとの写真も。コンクール優勝8年後のヴァン・クライバーンのメッセージも印象に残りました。

そんな話をしている間に新たに来店されたのは、京都から来たという和服の女性。そういえば少し前にお店までの道を尋ねる電話がかかってきていました。ツィッターでお店の事を知り、初めて目黒駅で降りてわざわざ訪ねて来たそうです。
その方は、新造船の「シンフォニー」という名前に惚れ込んで初夏に地中海クルーズを予定しているとか。声楽を勉強しにモーツァルテウムまで行き、ヴァイオリンも弾くそうです。ふと見るとその方の和服は、黒地に白でヴァイオリンの柄で染め抜いてあるもので帯はチェンバロの鍵盤の柄でした!「筋金入りの音楽好き」とお見受けしてお話に仲間入りさせて頂きました。
フランス音楽の話から「ショーソンが好き」という話題になり、詩曲やコンセールの話で大いに盛り上がりました。ドビュッシーやラヴェルならともかくショーソンを語れるなんて!と容平さんも嬉しそう。早速にP.ロジェとイザイQのコンセールのCDをかけてくれました。

ちなみに容平さんはデュカスのピアノ曲も大好きだそうです。どんどんディープな話に進展していきました。
クラシックの音楽バーというと一般的には「音楽を専ら聴くだけの人」が集まってウンチクを語り合うイメージがありますが、ここは演奏する人、調律する人、教える人など様々な立場からプロとして、アマチュアとして音楽に関わる人達が集っているようです。美味しいお酒と料理があり、味わいのある響きの音楽が流れる空間は、音楽好きにとって特別な居心地の良さを感じました。容平さんとお客さんが織りなす雰囲気の魅力に惹かれて、私は早くも再びここに来る機会を考えていました。次回7/7の「ライヴ・イマジン40」のチラシが出来上がったら、何人かを誘ってまた訪れてみようと思っています。



