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蛙鳴蝉噪(クリスマス)

2012 NOV 14 17:17:06 pm by mtsuzaka

     東京ディズニーランドでは早くもクリスマスファンタジーが始まった。ハロウィンが終わったばかりでクリスマスは、やや早い気もするが「犬の日」以外は盛り上がりに欠ける(?)11月だからやむを得まい。
     ドイツやフランスなどでは11月下旬からクリスマス・マーケットが始まる。イギリスでもマーケットは開催されるが、早々にロンドンのリージェント・ストリートでクリスマス・ライトが点灯される。ヨーロッパの大半の国では11月下旬から12月はクリスマス一色になる。無理もない、日本と違いヨーロッパの国はクリスマスが終わると春までイベントが少ない。だから大半の人はこの期間を目一杯楽しみ、暗く寒い冬を乗り切るのだ。 宝飾品を販売する店はこの時期に勝負にでる。なにしろ、年間売り上げの7割がこの時期だ。ジャイアンツの優勝記念セールの比ではない。

   クリスマス・マーケット、起源は14世紀頃というから、フランシスコザビエルが日本に来る前から開かれていたことになる。この期間限定、地域限定のマーケットでは、クリスマス・オーナメントが飛ぶように売れる。前の年も買ったはずなのになぜか毎年買う。私などは飾りが赤だろうが青だろうがどちらでもいいし、毎年飾りを変えようという気持ちも少ない。だから我が家の飾りは「空けずのダンボール箱」に半永久的に眠ったままだ。クリスマス前のマーケットはかなり寒い。零下10℃の中、マーケットの人ごみの中で時間をつぶすのは厳しい。だから、必然的にグリューワインと、クリームソースをかけたキノコ(料理の名前は知らない)の屋台に張り付いてしまう。グリューワインは赤ワインを暖めて、シナモン、砂糖を大量に入れたものだ。コレステロール値が高い方は、飲みすぎないほうが懸命だ。グリューワインを注ぐマグカップは、開催する年や場所によって異なる。質実剛健のドイツにしてはやけに可愛い図案が多い。
デパートのショーウインドウも華やかだ。特に、Kaufhof(百貨店?)のショーウインドウで動くシュタイフのぬいぐるみは、人気だ(ネッで、”kaufhof steiff”とググっていただくと観ることができる)。 シュタイフはテディーベアー生みの親。 シュタイフを知らなくとも、テディーベアーを知っている人は多いだろう。Mr ビーンもお気に入りだ。シュタイフブランドのぬいぐるみは皆ピアスをしている(はず)。本社はドイツ南部のギーンゲンという小さな町にある。ここから北に100km、車で1時間程度走ると、ローテンブルクという町がある。ここには、ケーテというクリスマス用品の専門店がある(以前は銀座マツヤに出店していたと記憶している)。主たる企業はこれしかない。だから真夏でも、ケーテに入るとクリスマスだ。両方とも人口10000人程度の町だが、ここから世界ブランドが発信されている。ケーテもクリスマスベアーもワインカップもクリスマス用に毎年新作が発表される。熱狂的なコレクターが世界中にいるらしい。聖なるキリストは世界的ベストセラーを生み出したのみならず、世界の消費関連セクターにも莫大な貢献をしているのだ。

 

クリスマスには、サンタクロースが靴下にプレゼントを入れてくれる。
言い伝えでは、「ある一家が、あまりの生活の苦しさに、娘3人を過酷な仕事に出すという話を聞きつけた聖ニクラウス(サンタクロースのモデル)は、たいそう同情し、夜中に煙突から娘たちへの贈り物として金貨をつぎつぎに投げ込んでやった。すると金貨は、たまたま暖炉に干してあった靴下の中に入ってしまった。翌朝、一家が靴下の中の金貨に驚きの声をあげたことはいうまでもない。そのおかげで、3人の娘は幸せな結婚ができたという。スペインでは、いい子にしていないと、プレゼントの代わりに消し炭を入れられてしまうとか。」(株式会社ナイガイのHPより)

巷ではクリスマス総選挙の可能性もあると伝えている。まさか、「総選挙は国民の民意を反映させるためののクリスマスプレゼントだ」などと言う候補者はいないだろうが、票だけもらって何もしないのはスクルージだ。
だから、私も言い伝えに従って、スクルージの「靴下」の中には消し炭を入れることにしよう。

 

写真は、テディーベアーがシュタイフ社、ツリーはケーテ社HPよりお借りしました。

 

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