リトル・イマジン ピアノ発表会
2020 AUG 13 22:22:20 pm by 吉田 康子
毎年生徒の発表会をしています。同窓の先輩と合同で、今年は20回目です。近所にある300名定員の公共の小ホール(ピアノはベヒシュタイン!)を使っていました。今年は3月末の開催予定でしたが、コロナのあおりで前日まで使用可だったものが、翌日には市からの要請であえなく閉館となりました。まぁ公共ホールなので、おカミには逆らえないですね。
即座に近隣の私営ホールを検索、翌日には会場見学をして100名定員でベーゼンドルファーのセミコンがあるホールに代替え会場として予約しました。日を追うごとに不穏な空気を感じて前倒しにして早め開催をしたかったのですが、不本意ながら当初の本番予定の2週間後に。結局のところ今度は緊急事態宣言発令により、本番4日前になって中止。私営だから独自の指針で経営だと思っていましたが、何のことは無い風評を気にする右へ倣えの運営でオーナーの判断にガッカリしました。
そして、また懲りもせずに8/16(日)に生徒の発表会を予定しています。会場は先の公共ホール。今回は合同ではなく私の生徒のみの縮小開催ですが、二度あることは三度ある・・かもで当日まで油断なりません。
2回目の中止の時点でそれまでに練習を重ねて来た子供達に何とか本番を経験させてあげたいという強い思いがあり、希望者のみの企画。まだピアノを始めて1年以内という初心者が多いですが、本番への意欲を持ち続けて来た生徒ばかりです。皆、僅か数分の曲であっても、やはり目標を持つと取り組みが違ってくるのを目の当りにして、とても楽しみです。
私も講師演奏としてメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番の第1楽章を演奏予定です。今までも企画はありましたが、なかなか実現に至らなかったものです。室内楽はおろか弦楽器の生の音さえ聴いたことが無い子供達に、音楽を別の側面から見ることで、違った楽しさを味わってほしいところ。たぶん保護者の方々もそういう経験は少ないでしょう。
ピアノというと独奏ありきで自己完結してしまいがちです。学校の合唱伴奏が唯一のハレの場という認識がまかり通っている現状は貧しすぎます。生徒たちにも独奏と連弾を演奏してもらいますが、同じ音色の楽器では味わえない和声や響きの美しさ、アンサンブルの妙を味わえる別の体験をして欲しいという気持ちが企画につながりました。今の私が出来る贈り物だと思っています。
実際のところ合奏練習をしてみて、最初はピアノ五重奏曲とピアノ三重奏曲の違いに戸惑いました。頭では解っていたつもりでしたが、各奏者の自由度が違う。ピアノ対弦楽四重奏のピアノ五重奏曲と違って、ピアノ三重奏曲はソリスト3人が互角に渡り合う醍醐味があります。それと同時にアンサンブルのエッセンスがあって、たちまち夢中になりました。最初はお互い遠慮がちであったものが、だんだんと回数を重ねるごとに思い切りよく主張出来るようになり、丁々発止のやりとりに面白味があります。曲へのアプローチは同じ方を向いているので、色々なアイデアも浮かびます。やはり気心知れた仲間ならではの信頼感は大きいですね。わずか10分の曲の練習であっても3時間はあっという間に過ぎ、勢い余って2楽章までトライしてみる場面も。何物にも代えがたい幸せの時間でした。私達が音楽の喜びを存分に味わって弾くのであれば、聴いている人にも必ず伝わるものがあると思います。
本番まであと数日、万全のスタッフで臨みます。「ライヴ・イマジン」の運営ノウハウを活かした企画ということで、「リトル・イマジン」と名付けました。今度こそ無事開催出来ますように!
Categories:催し物
西牟呂 憲
8/13/2020 | 11:40 PM Permalink
「リトル・イマジン」いいですね!
わたし、今を去る事55年前に発表会で『子犬のワルツ』を与えられた苦い思い出があり、吉田さんの発表会のブログをいつも微笑ましく読んでいます。
小学校低学年ですぞ!その時の先生は大変野心的な方だったようで他の同じレヴェルの生徒にも『エリーゼの為に』などを弾かせてドーダ感を満喫していたようです。
無論、本スコアよりユーックリやったのですが案の定途中でつかえ(一度も最後まで弾けたことがなかった)やりなおしてもダメで泣きそうになりながら飛ばして最後を弾くという地獄を味わいました。
私はその不快感からガタガタ言う母親の説得を無視してピアノを辞めたのです。
思うにリトル・イマジンはそういうところではないような雰囲気なのが行間から感じられ、うらやましく思います。
結局その後はローリング・ストーンズに夢中になり矢沢永吉にかぶれ、この年になってしまいました(それはそれでもいいんですが)。
どうかかわいい生徒さんに素晴らしいテーマを施してあげてください。ガンバレ、リトル・イマジン!
吉田 康子
8/14/2020 | 9:16 PM Permalink
西牟呂さん、熱いエールをありがとうございます。
それにしても小学校低学年で子犬のワルツとは凄いですね。
エリーゼより数段上の大きな期待があったのか、発表会プログラムに有名曲を並べたかったのか
先生の野心の方向が私の理解を超えるものです
結果的に生徒に難行苦行を強いてピアノ嫌いさせたのは罪な話です。
昔は情操教育の一環としてのピアノブームがありました。
三種の神器のように百科事典と同様「教養ある家庭の居間」に必須の存在であった時代で
ドラえもんのシズカちゃんみたいな感じでしょうか。
たぶんご両親のご意向であって西牟呂さんご自身がピアノを習いたいと言い出したわけでは無いのでは?と思います。
その頃のピアノの先生は絶対君主のような存在で、発表会の選曲に生徒に選択の余地などありませんでした。
私の先生はレパートリーが少ないのか毎回同じような曲ばかり。
好きでもない曲を与えられると最悪で、人前で恥をかかない最低限の練習で発表会をやり過ごした記憶があります。
やっぱり好きな曲でなければ頑張れないですよね。修行じゃない訳だし。
ピアノは手段であって、ローリングストーンズでも矢沢でも「音楽が好き」が一番大事です!