Soner Menbers Club No43

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鍼灸との出会い

2021 FEB 3 12:12:57 pm by 吉田 康子

人との出会いは不思議なものです。思い切って行動すれば、必ずや道は拓けると常に自分に言い聞かせていますが、今回もそれを改めて実感する経験をしました。

数日前からより肩と肩甲骨のあたりに痛みが出て辛いので、治療してくれるところを探していました。五十肩をとうに過ぎた歳だしどうしたんだろう?と思いながらも何とかしないとと焦る気持ちでした。今迄お世話になっていた指圧の先生は、肺に持病があるためコロナ禍で1年近く休業のままでした。それまでは疲れが蓄積してきたら早めに指圧で和らげて貰っていたのに、頼れるところが無くなって心細い思いでした。いよいよ来たか・・という体調の危機にネット検索をしまくりましたが、これというのが見つからず「こればかりは行ってみないと判らない」と踏み切れずにいました。

以前から合奏練習で使う場所の近くに鍼灸という看板を掲げているところがありました。和風の戸建て一軒家で雑多な周りの環境に影響されることなく、いつも掃除が行き届いていて、そこだけ別世界のような凛とした張りつめた空気が漂っているように感じました。でもいくら調べても住所はおろか電話番号も治療院の名前さえ出てこない。近づくことを拒否しているようにさえ思えるたたずまいのあれは何だろう?と。

「この際直接交渉しかない」とワラにもすがる思いで、先日そこの家の玄関の引き戸を開けました。いやぁ何という大胆な・・切羽詰まった状況ではありましたが、知らない家をいきなり訪ねるというのは我ながら何とも思い切った事です。

きっと仙人のようなおじいさんが出てきて「どなたかな?紹介とか予約が無い人はダメだよ」と言われて追い返されるか「他人の家にいきなり何だ?」と叱られると予想していました。

意外にも「は~い」と20代後半くらいの元気のいい女性が出てきて「治療は予約のある方だけなんですよ」みたいな話をしていると、すぐに家主とおぼしき年配の男性が現れました。「今は新規の患者さんを受けていないんだよ。鍼は痛いよ、本当に治す気が無いと続かないよ。」とよく通る大きな声で言いました。それでも怯まずに「いきなり伺って申し訳ありません。肩が痛むので治療をお願い出来ないでしょうか」と話したところ、こちらの必死さが伝わったのか「お住まいはどちら?学校でも教えているけど、私の弟子が何人か開業しているから、通いやすい所に行くといいよ。」と話しながら脇のテーブルの上に置いてあった数枚の鍼灸院の案内カードを手に取りました。そして本棚からご自身の著書を数冊取り出してドサッと袋に入れ、家庭用の鍼パッチも添えて「これをあげるから」と渡してくれました。いきなり訪ねた見ず知らずの私に名前を訊くことも無いままでした。予想もつかない対応にびっくりするばかり。ただただお礼を言って退出してきました。

早速に戴いた本を見て驚きました。鍼灸についての本ばかり4冊、これはもしかしたら業界の大御所の総本山にいきなり突入したのではないか?と事態を把握した次第です。知らないってオソロシイ・・早速にご紹介頂いた鍼灸院の一軒に連絡を入れて、翌日に診察予約を取って出かけました。

勇気を出してガラガラと引き戸を開けたら、いきなり別の景色が広がった感じです。まるでドラえもんの「どこでもドア」のように現実に起きた事とは思えないような展開に唖然としながらも、迷っている暇も無く一歩を踏み出しました。

Categories:雑感

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