Soner Menbers Club No43

カテゴリー: 雑感

ラストスパート

2018 FEB 22 13:13:08 pm by 吉田 康子

ライヴ・イマジン39終了から3日後に手首に入ったプレート除去の手術を受けました。担当医は「30~40分くらいの短い手術だから」と軽く言っていたせいか、私も気軽に考えていました。当日は緊急手術が次々と入ったようで私の順番は後回しに。午前10時の予定が午後になり、結局はお腹が空いて待ちくたびれた夕方からになりました。

歩いて手術室に行くと、担当医、もう一人の医者、看護師4名が待っていました。張りつめた気配で「いやいや、やっぱり短くても手術には違いない」という実感がひしひしと。今回は肩から指先までの部分麻酔。なまじか意識があると緊張も高まります。手術台の上に乗るとまさにまな板の上の鯉の気分。ドラマに出てくるような照明を「数日前は舞台のスポットライトだったのになぁ」と思いなが眺めていました。

歯を抜く時と同じで麻酔の最初に痛みがありましたが、すぐに無感覚に。手術中も切ったり、ボルトを抜いたりの感覚だけで不思議な感じでした。「プレート持って行く?」と訊かれたので「記念にください」と。麻酔が効いている腕は自分のものではないみたいに重くて「死体の腕ってこんなもんかしら?」という感じ。一晩眠っているうちに徐々に自分の腕が戻ってきてようやく安心しました。

貰って来たチタン製プレートです。思ったより小さくて重さを測ってみたら全部で5g。これが私の腕を支えていたんだなぁと感慨深いです。レントゲン写真を見ながらパズルのように組み合わせてよく見えるように容器の蓋に載せてみました。一週間後に消毒、その一週間後に抜糸です。完治までもう一息です。

バッハを弾くということ

2017 DEC 25 18:18:49 pm by 吉田 康子

なんて偉そうな事は何も書けないのですが、とにかく今は2月本番のバッハのピアノ協奏曲第1番に没頭しています。
バッハの演奏ということで私の中で振り返ると、2013年1月のライヴ・イマジン23でのバッハ特集での室内楽曲が思い出されます。協奏曲については、ブランデンブルグ協奏曲第5番第1楽章の長いソロに憧れて10年ほど前に仲間内の発表会で弾いたことがあるくらい。今回プログラムの構成上、バッハの協奏曲のいずれか、という提案をされた時に6曲全部を聴いて検討した結果、一番立派で完成された感のある第1番に決めるのには迷いはありませんでした。自分の実力を顧みず、やはりその時に一番良いと思われるものを選ぶという「ショートケーキはイチゴから」のポリシーは変わりません。大変ですが、得るものも大きいかと。

とまぁ前置きが長くなりましたが、このバッハで夏の骨折からの復帰を目指しています。それだけに並々ならぬ意欲で取り組んでいますが、譜読みからして音符が多いこと!しかも殆ど休み無し。とにかく音符を音にするだけでも精一杯の状態で弦楽器と合奏の日を迎えましたが、解らない事だらけ。「バッハの作法」とでも言うのでしょうか。自分の無知を痛感しました。年内最後の合奏練習の前に何とかしたい、何らかのアドバイスをお願いしたいとピアノの先生と田崎先生にレッスンをお願いしました。

ピアノの先生は初見でオケパートを弾きながらのご指導。現役で演奏活動をなさっている方だけあって、ご自身が弾き振りをした経験についても具体的に教えて下さいました。音の出し方、音色、指使い、手や腕の使いかたなど、それぞれが強い説得力を持っていました。

そして、それを自分のものにする間もない数日後に田崎先生のレッスン。開口一番の「この曲をどんなふうに弾きたいのか?」という想定外の問いにしばし言葉を失いました。バッハに限らず、音楽で大切なのはフレージング。それを決めるのは和声。バッハの和声は明確でわかりやすい。和声を理解した上で、それをどう表現するのか。様々な方法を駆使して伝える自由を奏者に(特にこの曲の場合は独奏者に)委ねている。

とここまで言われると、おバカな私に弾けるのだろうか?と茫然自失。やはり賢くないと音楽は出来ないと改めて痛感。数学、天文学に並び称された音楽。あまりに崇高なところにあって、私にも手が届くのだろうか?とさえ思えてきました。

見かねた田崎先生が手を差し伸べるかのように、第1楽章の冒頭部分を題材にして具体的なアドバイスをして下さいました。それはピアノの先生の指導内容とも同じ方向を向いていて、やはりこれが正しい方向だと確信できるものでした。

演奏者がフレーズを理解した上で演奏しなければ、切れ目も抑揚も無いものになってしまう。そうなるとお客さんは聴いていて訳がわからなくなって、退屈して寝てしまう、のだそうです。そうそう、と妙に納得出来ます。それにしても、全曲をきちんと見直さなきゃ、と膨大な宿題に眩暈がしそうな気分でした。

で、昨日がメンバーとの合奏練習日でした。レッスンの内容を皆に伝えて、弾きながらアイデアを出し合っていきました。皆で共有することで骨格がしっかりしてきたように感じました。そして最後に田崎先生のアドバイス通りの配置で、立って演奏してみました。ピアノの周りに弦楽器奏者が取り囲むように立って弾くと、各自が弾いている音が明確に伝わり、音楽に包み込まれるような感じがしました。この心地良さは病みつきになりそうです。立って弾くだけでこんなに違うなんて!目からウロコ状態でした。

また各奏者の立場からも私の様子がよく見えること、良い姿勢で良く響く音が出ること、ピアノ自体に弦楽器の音が共鳴して深い響きになること、などなど良いことづくめでした。「立って弾くのは子供の時の発表会以来だ」とか「しっかり立っていられるように足腰を鍛えなきゃ!」と誰かが言い出して「筋トレでもするか?!」みたいなご意見も。和やかなうちに練習を締めくくりました。

ようやく大きく一歩前に踏み出しました。本番の2/17までもう2ヶ月を切りました。まだまだ課題山積ですが、また新たな気持ちで取り組んでいきます。

切手の世界

2017 NOV 17 22:22:28 pm by 吉田 康子

目白にある切手の博物館に行ってきました。実家から古い切手帳を預かり、処分を頼まれたのがきっかけでした。一体どうしよう?と思いましたが、知人から郵趣協会に訊いてみたら?というアドバイスを戴きました。
http://yushu.or.jp/index.html
早速電話をして相談すると2か月に一度のオークションに出品してくれるとのこと。お値打ちものは無いですが折角集めたものを捨てるには忍びない、そんな状況を一気に解決してもらった感じでした。HPを見ると、ブラームスについての展示をやっているとのこと、折角の機会ですから足を運んでみた、という次第です。

博物館は目白駅から学習院大学に沿って徒歩5分ほどのところ。入口にはストライプのポスト、中に入ると切手を販売しているコーナー。それが外国と国内のものだけでなく年代、図柄の種類によって分類されて展示されていました。もちろんコレクター向けの雑誌、切手帳やピンセット、ファイルまで。
催し物の掲示板には「昆虫切手の研究会」とか「世界のキノコ切手展示会」のお知らせや、押印技能講習会、各地での切手交換会など、切手にまつわる催し物がこんなにあるのかと驚きました。


お目当てのブラームスの展示の部屋では、音楽関連の切手を所有する各コレクターのご自慢の切手やスタンプ、現地撮った写真などが初日カードに添えられて、パネルに沢山展示されていました。ブラームスだけでなく、ベートーヴェン、ワーグナーなど一つのテーマに沿って多岐にわたる音楽切手の世界が展開されて、なんだか思いがけずディープな世界を垣間見た気がしました。そういえば1963年の映画「シャレード」にも切手が出てきたっけ、と思い出しました。

久しぶりに

2017 NOV 15 16:16:07 pm by 吉田 康子

ブログ記事を書きました。[忘れていたわけではない」というのは言い訳ですが、日々「何か書かなきゃ」と思いつつも他の方の記事を読んでは、圧倒されて気後れしていました。一つの物事に対しての知識、経験の足りなさを痛感し、また何かを表現出来る言い回しや語彙、気持ちの表し方の絶対量が少ないなと。
まぁそこまで気負わなくても私なりに身の周りの出来事や思った事を書けばいいかなと自分を励ましています。やはり勉強不足というのが一番の反省点ですが。

11月に入って、次回のライヴイマジン39の練習が始まりました。弦楽器の方々は大半が3曲全部に参加なので、準備だけでも大変そうです。イマジン以外にも他のオケや室内楽の団体にも所属している方ばかり。私はバッハのピアノ協奏曲第1番のみの参加でも大変なのに一体どうやって時間を工夫しているのだろう?と感心してしまいます。

「バッハの協奏曲をピアノで弾く」ということ自体に一つのハードルがありましたが、私はチェンバロが弾けないし巷でもピアノで弾く場合が多いことを踏まえて「ピアノでの」協奏曲という形に落ち着きました。ブランデンブルグ協奏曲第5番を弾いたことはあるものの、今回は更に大きな役割を担う立場になります。

ロシアもののような分厚い和音やショパンのような大きな跳躍は無いので、そういう点での左手の負荷は少ないですが、和声の移り変わり、拍節感やリズム、主題の展開やフレーズには独特の難しさがあります。やはりバッハの音楽の深さに改めて姿勢を糺す思いです。

まだまだ駆け出したばかりですが、26日の初顔合わせに向けて万全の体勢で臨むべく全力で取り組んでいる、といったところです。色々な参考文献や音源などをアドバイスして下さる方、レッスンをお願いしたい先生方が身近にいて、とても心強いです。これからが私自身の勉強です。

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