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サンクスギビングデー

2012 NOV 26 8:08:46 am by 安岡 佳一

先週の木曜日は、サンクスギビングデーでした。御存知かもしれませんが、毎年第四木曜日がサンクスギビングデーで、アメリカではクリスマスと同じくらい重要な祝日です。 この日はキリスト教を信じる人もユダヤ教も他の宗教の人達も一緒にお祝い出来る日と言う事で大きな祝日になっています。 因みに、この日は国民の祝日なので、公共機関、会社等々お休みですが、日本の祝日とは違い何と店と言う店はお休みで、殆どのレストラン、マクドナルドやケンタも含めたファーストフード店も休み、コンビ二等の店も休みになります。(中華は流石に開いていた様な気がします) また、別の観点から言いますと、サンクスギビングデー前日が1年で一番人が動く日と言われており、如何に大きなイベント的な祝日かと言う事がご理解頂けると思います。

我が家は今年は友人の家にお呼ばれに与り、普段とは少々違った経験をさせて頂きました。この友人は、マンハッタンのアッパーイーストと言われる、比較的富裕層が住んでいる地域に住んでおり、仕事はお医者さんです。それも、スポーツ医と言う専門医でプロの選手の足の手術専門と何ともNYならではの職業です。当友人はユダヤ人ですが、奥さんはアイルランド系のカソリックと言う組み合わせ。クリスマスと違って、サンクスギビングは宗教を超えたお祭りで皆が共有出来る所が、多宗教国家のアメリカにとって大きなイベントになっている所以ではないかと思います。今回は、総勢20名が招待されておりました。親御さんや親戚の方々が半分位で、ある人はコロラドから29時間掛けて車で来た人もいらっしゃいました。他には医者仲間、某スポーツ選手、ご近所等多彩で、いろいろな人種の方もいて This is America と言う顔ぶれでした。

この様な場での会話の内容には少々気を使います。やはり、クリスマスも近くなってくるのでその話題になりがちですが、ユダヤ人にはクリスマスはご法度と言う事もあり、禁句です。しかし、奥さんはカソリックだし、何の話をしたら言いのだ?!と言う状況に陥りますが、そこで、誰かが話題を振ったのは先日猛威を振るったハリケーンの話、大統領選から今後のオバマ大統領の施策について等々でした。 特に、オバマケアと呼ばれる健康保険問題に関しては、医者が多かったと言う事もあり結構熱い議論を交わしていました。

結局、昼頃から始まったサンクスギビングディナーは夕方まで続き、2回目の食事を始める人が出てきたところで、我々は失礼を致しました。ご参考までに、Dinnerと言う言葉は必ずしも確りとした夕食に限らず、この様な大きな食事会の時にも使います。

もう一つご参考ですが、クリスマスは文字通りキリストの生誕祝日ですので、他宗教の人からすれば、関係無いか又は忌々しいと感じる方々がNYには多数います。皮肉な事にイエス・キリストと同じ人種のユダヤ人の殆どはユダヤ教を信じており、クリスマスに対抗するかの様にこの時期はユダヤ教独自の新年のお祭りを行います。ユダヤ教の新年行事の方がキリスト生誕よりずっと古いのでしょうが。ユダヤ教信徒やイスラム教信徒、他の宗教を信じる団体が、「空港や公共の場にクリスマスツリーを飾るな」と抗議し、実際に幾つかの空港等ではクリスマスツリーを撤廃したと言うニュースが最近時々出ます。この話題は、常に骨肉の争いをし、いがみあっているユダヤ教とイスラム教の人達の意見が一致する数少ない話題です。一方では、先の大統領選挙で明らかになった様に、昔のアメリカを仕切っていたWASPの力が落ちてきたのかなと感じさせられます。

この様な光景を見ていると、宗教戦争に関して申し上げれば日本は比較的平穏で幸せですね。

 

 

 

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