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盛り上がりを見せる米国大統領選挙・この1ヶ月で大きく変化

2012 OCT 9 9:09:14 am by 安岡 佳一

今回の大統領選は11月6日(火)になります。
因みに大統領選と同時に下院(全員任期2年)、上院(3分の1、任期6年)、州の知事(全員ではない)、州議会等々の選挙も行われます。
  
今回の大統領選は最近まてあまり盛り上がりに欠けていましたが、先月行われた党大会での指名選挙以来段々熱を帯びてきました。
先月に行われた民主党の大統領候補指名大会で、オバマ大統領が正式に指名された頃から共和党候補のロムニー候補に対して僅差だった支持率をジリジリと広げ、ある調査では10ポイント程広げました。
その後、ロムニー候補は一人当たり5万ドルのディナーパーティーの席で、米国民の47%は税金を納めておらず、その様な人の為に自分は働く積もりは無い等の失言問題が祟り、オバマ大統領との支持率の格差は更に広がり、勝負あったかに見えました。 ところが、先週10月3日に行われた第一回の論戦では、ロムニー候補の弁舌が冴え渡りオバマ大統領は粗防戦一方の上、言葉に詰まったり、発言中にはロムニー候補に遮られ、傍から見ているとオバマ大統領が弱いと言うイメージを全米7000万人の視聴者にさらけ出してしまう結果になり、この論戦以降支持率格差は一気に2~3ポイント差に縮まり全く行方が分からなくなってしましました。
メディアは一斉に演説の達人と言われるオバマ大統領はどうしたのかと言う疑問やロムニー候補の頭の回転の速さと高い見識に改めて焦点を絞り、選挙まで1ヶ月を残して一気に盛り上がってきました。
  
今週は副大統領候補同士の論戦を11日に控え、これも通常の副大統領候補同士の戦いよりも注目されています。 
共和党の副大統領候補は超保守派、緊縮予算を推進しているポール・ライアン氏で、下院の予算委員会委員長を務めているバリバリの実務派で論戦派であり、バイデン副大統領との激しい論戦が見込まれています。
このライアン氏に掛かると、バイデン副大統領もやり込まれるのではとの予想も充分あり、大統領側が2連敗するとかなりのダメージでしょう。
  
しかし、先週の金曜日に出た失業率が約4年振りに8%を割って7.8%になった事は大統領側にとって願っても無い良い知らせでしたが、今後の論戦の影響力は計り知れないと思われます。 
次の大統領候補同士の論戦は16日にNYで行われ、タウンホール形式と言って所謂集会でのQ&A形式、主に国内政策と外交政策について論じられ、22日には論戦最終回としてフロリダで外交が主題となります。
日本近海の問題も論じられるかもしれませんので、日本側としても注目されると思います。
 
 今回の大統領選は、ここまで来ると殆どスポーツで言うプレーオフの様な状況で、上記の様な理由でかなり盛り上がって来ています。
兎角、欧米社会というのはスポーツの様にフェアプレーと美辞麗句は並べますが、実の所白黒ハッキリさせるものが好きで、肉弾戦や血を見るような戦いを歴史的に好んでいるのは事実です。
今回の大統領選も漸くその様な様相になって来た事から注目度が俄然上がってきました。
これで、一旦は諦めかけていた共和党の選挙民も投票に行くでしょうし、危機感を増した民主党員も必死で投票所に向かう事でしょう。
 
 

尖閣はどこへ?侮れないニューヨークのチャイナパワー

2012 SEP 28 14:14:49 pm by 安岡 佳一

今日は友人に誘われて大手保険会社のセミナーに行って参りました
非常に参考にもなり、面白かったので少々ご案内します。

場所は、NYのクィーンズ区のフラッシングと言う場所で、何十年か前には日本人がかなり住んでいたそうですが、今では完璧に中国人に実効支配されています。
そのど真ん中に、しかも尖閣問題で敵国となっている日本人の私が乗り込んで行って無事に帰って来れるか心配でしたが、全くの杞憂でした。

セミナーの場所は中華レストランの個室で、30名ばかりの見込み客(どう見てもその辺の八百屋のおじちゃんやおばちゃん達が主)を招待し、夕方6時半から結局10時ぐらいまで行われました。
日本人は私一人でしたが、皆満面の笑みを浮かべて握手を求めて来まして、あるおばちゃんにはハグまでされました。 どうなっているでしょうか?

講師は、当保険会社のこの道何十年のベテラン二人(イタリア系とポーランド系)。
最初に前菜を食べながら講師の一人が、先ず今年は遺産税(米国では相続税では無く亡くなった人が払う遺産税が適用されています)を節税する為のラストチャンスだと喚き、
今年中に遺産税対策を行わないと、今$5Milまで無税だけど来年からは粗間違いなくこの金額が小さくなるから対策を立てて今年中に実行しようと言うのが最初のメッセージ。
この時点で、八百屋のおじちゃんおばちゃん$5Milも持っているのかなと余計な勘繰りをしていると、隣に座っている友人が私の怪訝な顔を見て「心配するな、彼らはお前より金持ちだ、最低$20Mil持っているよ。
因みに此処に来ている人達は君を除いて少なくとも$10Mil.以上持っている」 との解説でした。 人の心配するより、自分の心配した方が良かったと反省。
と言う事は、このおじちゃんおばちゃんはあの尖閣諸島を買える金を持っているのか・・・・

二人目の講師は、人の寿命はどんどん伸びており、それは良いのだが皆さん先立つ物は持っていますかと言う質問から始まり。
寿命が伸びたので一生涯の生きるコストは予定以上に上がっている、不景気と言われつつもエネルギー価格、サービス価格、特に医療関係等の高騰振りはご案内の通りで、皆さんが十分だと思っている資金も十分でないかも知れません。 そこで、年金型保険を買いましょうと言う下りになります。 今当保険会社に$1Mil預ければ、11年目から毎年$10万ドル一生涯支払い続ける商品がありますが、如何でしょうか?
これは、唯単に単純な商品で、もう少々金額が張ればもっといろいろな商品設計を皆様の為に行いますと言うのが、2番目のメッセージでした。

その後の、来客のおじちゃんおばちゃんからの矢の様な質問は留まる所が無く、気が付いたら10時になっていたと言う次第です。
因みに、顧客の中に異色の方々もいて、私の隣に座っていたのは30代中頃のローズさんで、7月に北京から来たばかりだとの事ですが、恐ろしいくらいの英語の上手さと美貌に圧倒されました。
何でも北京ではプライベートエクイティーファンドの会社にお勤めだったとか。(完璧なスパイだなと勝手に想像したり、こう言う人に機密情報渡してしまうんだろうなと馬鹿な事を考えていました。)
もう一人は、30代前半の童顔の男性で、職業は建築家、因みにハーバード大学工学部建築科の博士を持っており、昨年NYで賞を取ったと友人から耳打ちされました。
一体、この集団は何なんだと思った次第ですが、NYの懐の深さを改めて見せ付けられました。

と言う事で、今日は行く前から緊張していたのと、セミナー会場での熱気に煽られて非常に体力を消耗しました。
しかし、やはりと言うか中国の人達は何処でもエネルギーに満ち溢れています。
会場の外では、近くの州にあるカジノへ行くバスが数台並んでいましたが、全車満員でした。

最後に、当保険会社の方々に「忙しいですか?」と無粋な質問をしたところ、過去5年まともに休めないくらい忙しいとの事です。
最近の住宅の回復と言うニュースもありますが、既に大分前から景気の良い産業も米国内では結構あり、それらが景気を下支えから上振れに持って行きつつある様に思えます。
今回のセミナーもその証左の一つですが、なんと言っても中国人を含め世界から来ている移民のパワーは全く侮れないと思います。

米国エネルギー事情の転換

2012 SEP 14 14:14:30 pm by 安岡 佳一

経済成長をする上で最も重要な要素は人・資金・技術以外では、エネルギーと食料・原材料で有る事はご案内の通りです。
その内の一つであるエネルギーに関して、米国での状況が大きなトレンドとして転換し始めて来ましたので御注目頂きたいと思います。

嘗ての様に、自国の原油の生産が頭打ちしジリ貧に成って行くトレンドから、長期の生産回復更には過去最高更新も視野に入る様に成って来ました。この事は、米国に長期投資を考える上で非常に重要な要因であると考えます。

あるエネルギーコンサルタントによりますと、米国の原油・ガスの生産量は1972年にピークを打ちその後右肩下がりを続けて来ましたが、2004年頃から反転し始め、2020年には過去最高であった1972年のレベルを粗50年振りに上回るだろうと言う予測が立てられました。
 
この生産の転機になったのは、2004年頃に発見されたシェールガスの発掘、生産が大きな要因となったのはご存知の通りです。
シェールガスの発掘は、元々は原油発掘の技術を応用したもので、それほど画期的なものでは無く一種のコロンブスの卵的な発想で試した所予想以上に上手く行った様です。 

米国の油田発掘の歴史を簡単に申し上げますと、1902年頃に陸上油田開発が始まり1970年代前半頃にピークを打ちました。
その頃から大手石油会社は、海洋油田発掘にこぞって方向転換し、その後はどんどん海中深く掘ることに拠り生産を賄ってきました。
一方、見捨てられた陸上油田地域は中小の油田発掘業者が取り残された状況になり、残った業者は安く放置された土地をリースしながら知恵を出して地道に発掘していたのです。 その後、2004年頃に彼らの努力が実りフラッキング法と呼ばれる様な発掘手法で大きなシェールガス田を発掘する事に成功したのです。
その様な大きなガス田を発見した中小の開発業社を見て、大手石油会社は資金力にものを言わせてそれらの権益や会社そのものの買収に動き始めており、今後も同様の動きが予想されます。

フラッキング法は、大量の水と化学品を使って発掘する事から環境破壊、具体的には地下水の汚染等が危惧されており、特に住宅密集地が近くにある様なペンシルベニア州やNY州からの反対論が出ています。 しかしながら、天然ガスは原油換算で現在の原油の4分の1程度と言う価格の安さと、米国エネルギー消費量の200年分と言われる様な非常に豊富にある埋蔵量から外国(特にOPEC)からの原油の輸入を減らし米国のエネルギー安全保障上有利に成る等の理由から発掘推進派の声は強まっております。 最近では、NY州の環境保護推進派の重鎮も賛成の意見を出し始めており、シェールガス発掘推進の上で有利に成りつつある様です。 これは、福島で起きた原子力発電事故により環境に優しいとされていた原子力発電源の将来が見通し辛く成ってきた事、又、中小の石炭発電所に対する規制(500MW 以下は廃止)が厳しく成りつつ、石炭の代替として可能なエネルギー源は天然ガスしか無く、ある程度の環境問題は致し方無い言う判断の様です。 世の中には現在の電力消費を賄える規模で全く問題の無いエネルギー源は無いと言う事です。

この安い天然ガスに目を付けた他のビジネスも俄かに大きなトレンドとなりつつあります。
大手石油会社や化学会社がこの安い天然ガスや液体ガス(LPG)を利用して世界規模の超大型化学プラントを作る計画を発表し始めています。
既にダウケミカル、シェル、バイエルン等が計画を発表しており、米国では何十年振りかの大型化学プラント作りになります。
世界最大の消費地にプラントを作る事は理に適っており、中東や他の地政学的に難しい地域に作るより余程採算性が高い事から大手が次々と参入しようとしているのです。 工場の候補地には大変な雇用促進にもなり、地元の政治家等は既に積極的に誘致活動に動いているようです。
 

一方、米国電力業界で使用される燃料炭は排出物等の問題で米国では敬遠されており、米国内での需要は過去10年減少しています。 又、環境省では、今後500メガワット以下の発電所での燃料炭の使用は法により規制(廃止)される様で、電力会社として新たな対応に迫られ始めています。
上記でも述べましたが、この石炭の代替エネルギーの期待の星として天然ガスが見込まれています。

以上の様に、米国内での原油特に天然ガスの生産の拡大が有望視され、今後は天然ガスの発掘、生産、精製、そして化成品の製造等に大きな弾みが付きそうです。
これらに伴う、雇用増加、生産・貯蔵設備等の大型投資、それらを消費地に結び付ける為のインフラ投資等はかなり大掛かりなものになり、又、それらに関わる企業の合従連衡、グローバル企業間でのM&A等は活発になり、株式投資の観点からも非常に重要な注目点に成る事は間違い無い様に思われます。 

外国人が買いたい米国不動産

2012 SEP 13 14:14:01 pm by 安岡 佳一

米国不動産に対して外国人が買い意欲を強めている様子が最近のウォールストリートジャーナル(WSJ)に出ておりましたので、その記事を基にご報告させてさせて頂きます。
今の円高を利用して米国に不動産を購入しようとしている外国人の中には日本人もいますが、最近では日本企業も積極的に購入し始めているようです。他の外国人と比べますと、現金で何億もする不動産を購入する日本人は少ない為、ニュースにはあまりなりませんが、他の国の超富裕層の方々は下記の様にかなり派手に購入している様です。
過去6年連続して米国不動産価格は低下していますが、その下落とドルの下落が一部の外国人から見れば魅力的に見える様で実際にかなりの額で買って来ているようです。
買い手は主に、アジア、カナダ、欧州、そしてラテンアメリカの人達が多いようで、2011年4月から2012年3月末の期間に外国人が買った米国不動産の額は約825億ドル相当でこれは米国全体の購入額約9280億ドルの8.9%にあたり、昨年は664億ドルだった事から前年同期比+24%の増加になりました。
これらの外国人の内約55%の買い手は、カナダ、中国、メキシコ、インド、英国になります。 そして、買う不動産の55%がフロリダ、カリフォルニア、テキサス、アリゾナ、NYの五ヶ所に集中しています。また、これらの外国人の約62%が現金で不動産を取得しています。
NYマンハッタンの高級ホテル、「Mark」は一部をマンションに改築して9件の物件とし売りに出したところ、直ぐにスペインから問い合わせがありました。当顧客は寝室が3部屋から4部屋の物件を探しており、予算は約1000万ドルから2000万ドルだそうです。 スペインはあれだけ問題を抱えていても、お金を持っている人は持っているのだと言う事でしょう。 ユーロは価値が下がったとは言え、対円等と比べれば対ドルでは比較的値下がりは少なく、今後もユーロの信任がぐらつく中では自分のアセットの一部を米国に持つと言うのも頷けます。 又、同じ財政問題を抱えているスペインと米国のどちらが治安等が良いかと言えば、勿論米国だと思っているのはスペイン人だけでは無いと思います。
マンハッタンを嗜好する外国人の中では、特にロシア人とウクライナ人の名前を挙げられ、値段を吊り上げています。 最近、マンハッタンの最高級マンションを購入したのはロシアの実業家で、娘の為に買ったと言う事で話題になりました。因みに彼女の為にプライベートジェットもあてがい、いつでもロシアに飛んで来れるようにしていると言うおまけ付です。
一方、マイアミはベネズエラとブラジルからの買い手がかなりの数の高級高層マンションを買い上げ、アリゾナではカナダからの買い手が主に差し押さえになった物件に食指を伸ばして安値で購入し、賃貸に回して高い利回りを狙っている様です。 シカゴのある不動産屋の話では、今年に入り102件売った物件の内、約20%が海外からの買い手、主にカナダとオーストラリアからだそうです。 彼らも主に差し押さえ物件を安値で買い、賃貸に回して利回りを狙う投資家群だとの事です。

この様な海外の買い手の動機はどの様なところにあるのかと言う事を、あるエコノミストはこの様に解説しています。 カナダ、ブラジル、中国の人達は本国での不動産高騰を目の当たりにして、本国での不動産を売却してその資金を不動産価格が下がり続け、且つドル安になっている米国不動産にシフトしている。 実際に米国不動産の利回りがかなり高い事からインカムゲインを狙う投資家も出て来ている事、そして数年後には不動産価格が上昇し、その時に売ってキャピタルゲインを狙っている動きがあるとの事です。 本国が政治的に不安定な国の、ロシア、ベネズエラ、メキシコからの投資家の嗜好は、米国の所謂トロフィー型物件と呼ばれるその地域での最高級物件を狙う買い手が多い様で、彼らは超富裕層か法人で、自分たちの資産の保全の為に安定した米国での大型物件に投資をする傾向があるようです。

外国人の買い手の約半分は自国に住んでいて、投資やバケーション用に米国の不動産を購入するそうですが、残りの半分は米国に移民したかビザを保有して滞在している人達です。
先程から、カナダからの買い手の話が何回か出てきましたが、カナダドルを保有している人からすれば数年前と比べ約30%もカナダドルが上昇し、米国ドルが下落した上に不動産価格が高値から半分以下になっているような差し押さえ物件はもの凄く安く見え、良い動機になります。

上記のマイアミにラテンの国からの投資が増えた事で、一時25000件以上の高級マンションの在庫が膨らんでいたのが今では殆んど掃けてしまい、2006年から約半値になった不動産価格もこの3月には前年同期比2.5%上昇したとの事です。

この記事に出ていませんが、富裕層の方々が米国不動産に投資をする目的のもう一つの理由として、物件の償却費を本国の会社の経費に組み込み節税をするベネフィットも目的の一つです。
例えば、下がったとは言え、日本の不動産の価格は普通土地が70%以上、上物が30%の内訳だと思われますが、米国では土地と上物の構成が約50・50です。
従って上物の比率が高い為、その減価償却の額は日本のそれよりも大きく取れる事になり、この辺に目を付けた投資家、事業家が活用していると言う部分も十分あります。
又、米国の不動産物件は通常の償却耐用年数が過ぎても価値としてはかなり高く維持する事が出来、日本の様に償却耐用年数まで持たないケースの家が多い事情と大分差があります。
以上の理由により、古い不動産物件でも十分価値がある為に、米国不動産の中古市場は年間500万件から600万件の売買件数があり、新築の住宅件数の40万戸程度と比べて非常に大きな市場を形成しています。

これらの事情もよく理解している外国人は、かなり安心して米国不動産市場に投資を始めており、まだまだ外国からの投資は続くであろうと思われます。
冒頭述べました日本の法人も米国の不動産を購入し始めた理由には、上記の理由もあるとは思いますが、もっと根本的に自社のビジネスを米国で大きく展開する為の拠点作りをし始めている動きも見られます。人口動態や地震、放射能、電力供給問題等を鑑みますと、日本国内の経済の見通しはかなり厳しい環境が予想され、国内産業の企業であればあるほど危機感を持っており、そこで思い切って海外に資産を分散させ、そこから将来の収益機会を創ろうとしている動きが見て取れます。

なでしこ、全米史上最高の視聴率

2012 SEP 12 15:15:58 pm by 安岡 佳一

先ずは、SMC創刊号発信おめでとうございます。
これから、多士済々でいらっしゃるSMCメンバーの皆様方のブログが拝読出来るのかと思いますと、わくわくします。
私もメンバーの一員に入れて頂き、わいわいがやがや意見交換させて頂けたらと思っております。
どうぞ宜しくお願い致します。

私はNY在住(正確に言いますとニュージャージー州)歴21年になりまして、何かと米国での話題が多くなるかとは思いますが、ご容赦願います。

さて、第一回のブログですが、あまり肩肘張らずに最近感じている事を少々述べさせて頂きます。
ロンドンオリンピック、盛り上がりましたね。 日本は過去最高のメダル数。 素晴らしかったです。
外国にいますと、特に人種の坩堝のアメリカにいますと自分が日本人である事のアイデンティティーを一段と感じます。
表彰台に掲揚される日の丸と君が代の国家が流れると選手と共に胸が熱くなります。

比較的オリンピックには冷めていると言われるアメリカですが、今回は明らかにいつも以上に気合が入っていました。
メディアには、オリンピック前からメダル数の予測、仮想敵国は中国(ご存知の様にアメリカは仮想敵国無しでは生きていけない様です)で、絶対に負けてはいけない等々大々的に報道されていました。
中国の注目選手の詳細な紹介、勿論敵情視察放送も結構行っていました。
又、どの種目でどれくらいのメダル数か等々、勝つ確率論に到ってはかなりお宅的にモンテカルロ方式とか何とかで予測計算と、データ好きな方々の興味を満足させたりしていました。
以前はオリンピックの放送は東海岸のゴールデンタイムに放映権を取った放送局がダイジェスト版を放映するぐらいで、結果が分かっているものを放送しており、
臨場感が全く無かった事もあって視聴率もいまいち伸びなかったのですが、今年は様相が一変していました。
朝から生の放送も行っていましたし、各スポーツチャンネルでは、バスケットボールのチャンネルは一日中各国の試合を放映していました。
他のメジャーな種目も同様です。 勿論水泳マニアは、毎日朝から晩までマイケル・フェルプスだけで無く他の選手のレースを生と録画で何回も見ていた事でしょう。
ところで、その様なメジャーな種目が数多くあり、アメリカのスター選手が居並ぶ中で、どの種目の試合が一番視聴率が高かったか想像が付きますか?
驚くなかれ、それは女子サッカーの決勝戦「アメリカ 対 日本」でした。
このプログラムは何とNBCスポーツ番組史上最高の視聴率だったそうです。

分散化していると言われるアメリカのメディアや国民の関心をこれ程集めたのは勿論あのワールドカップの決勝戦の激闘がきっかけです。
唯単にリベンジを期待していると言うより、非常に質の高い試合内容、試合後の清々しい日本選手の行動、特に宮間選手や澤選手を又見てみたいと言う事だったのだと思います。
ワンバック選手や、ソロ選手は数限りないTV番組やインタビューに応えていますが、その度に両選手の事、日本チームのレベルの高さを褒めちぎっていた事から、否が応でも関心を集めたのだと思います。
多分、日本の方が思っている以上にアメリカでは「なでしこ」のパワーは偉大です。
又、近い内にアメリカで「なでしこ」との対決が実現出来るなら、大入り満員間違い無いですね。 放映権も高い事でしょう。

最近、駄目な日本と自虐的に仰っている方もいられるようですが、「なでしこ」のみならずアメリカを唸らせる日本人、日本の物が沢山あると思います。
ディスカバージャパンと言う標語は結構古いですが、見識の高いSMCのメンバーの方々にその様な人・物・サービスを改めてご紹介して頂けましたら、私もアメリカでその様な日本の良さやお宝情報を発信したいと思っております。

ありがとうございました。

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