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偉大なるアメリカの競泳選手 ジェーソン・レザック

2013 JAN 6 14:14:10 pm by 安岡 佳一

昨日は偶々某米国企業のセミナーに参加しておりまして、そこでサプライズゲストとして素晴らしい方のお話を生で聞かせて頂きました。その方の名前はジェーソン・レザック(敬称略)。アメリカが誇る競泳選手です。レザック曰く、目標は常に自分では不可能と思われる事を課すこと。自分一人の為と言うよりチームの為や他の人の為に頑張れば、その不可能が可能になる事を知ったと熱っぽく仰っていました。実際に彼の経歴を見ると、言っている事は本当だなと思わざるを得ません。

レザック選手が凄いのは先ず年齢。2008年の北京オリンピック時は32歳。世界最高峰のアメリカの水泳オリンピック選手に選ばれるだけでも不可能に近い年齢です。しかもダントツ最年長、マイケル・フェルプスは当時23歳でした。

彼の精神力が発揮され一番輝いたのは2008年の北京オリンピック男子100mx4  自由形リレーの決勝でアンカーを務めた時です。この北京オリンピックでは、マイケル・フェルプスが36年前にマーク・スピッツが成し遂げた1大会での金メダル7個獲得を、果たして破る事が出来るかどうかが大きな注目となっていました。個人競技の他にリレー2種目で金メダルを取らなければ、この偉業は達成出来ません。この偉大な記録達成の為にもレザックはリレーのアンカーとして勝たなければならないと思っていました。 しかしながら、100mx4自由形リレーの優勝候補はフランスチームで、アンカーは世界記録保持者のアラン・ベルナードと記録的にはアメリカが勝つのは粗無理と言われていました。決勝のレースで、順番がアンカーになった時は、下馬評通りフランスは体半分リードで1位、最初の50mでベルナードはリードを体一つ近くに広げ、そのまま圧勝かと思われた折り返しのターンでレザックは追い込みを掛けリードは縮まり、最後の10mはデッドヒートでタッチの差でレザックが1位を制しました。この時、レザックのタイムは100m 46.06秒、因みに当時の世界記録はベルナードが持っていた47.20秒です。結局アメリカチームの記録は世界新記録で、過去の記録を4秒も縮めると言う大偉業を果たしました。このレースは、あまりにも衝撃的な且つ劇的なもので、アメリカでは時々このレースのビデオが報じられます。レザックが言っていた様に、自分個人の為と言うよりチームメートの為、アメリカの為と思い泳いだ結果、過去最高、最速の泳ぎが出来たとの事で、正しく不可能を可能にしたのでした。

当時のビデオ(下に添付)を見ますと、マイケル・フェルプスの雄叫びが印象的です。個人競技で勝ってもこれ程興奮していなかった様に思えます。又、レザックは、決勝で泳いでいた時は殆どベルナードを見ていなかったし、横を向く事でタイムロスをしたくなかったと言っていました。泳いでいる時は、9歳の時に初めて地元の子供水泳大会で優勝し、両親や先生達に喜んで貰った事が思い出されたと言っていました。

因みに、この後の100x4メドレーリレーでもマイケル・フェルプスはバタフライで参加し、レザックは自由形でアンカーを務め、又も世界新記録を出して優勝し、これでマイケル・フェルプスの金メダルは8個となり新記録を達成しました。レザックの貢献無しでは成し得なかった偉業です。

2012年のロンドンオリンピックでもレザックは、100mx4自由形リレーのアンカーとして準決勝までは出場しましたが、決勝は当時絶好調のロクテがアンカーを務めました。皮肉な事に、2008年のリベンジさながらにフランスのアンカーがロクテを最後に抜き去り金メダルを獲得しました。アメリカ国内ではレザックが決勝でも出ていればとの声が出ていました。御年36歳。

私も雑念を払い、自我を抑制して、世の為人の為に頑張ればオリンピックに出られますでしょうか? 先程、久し振りに腕立て伏せをヒーヒー言いながらやりましたが、30回行きませんでした。どうやら次のリオのオリンピックは難しそうです。

 

クリスマスギフトはやはり光物でしょうか?

2012 DEC 24 15:15:17 pm by 安岡 佳一

クリスマス関連で、もうひとつ米国事情の一こまをお知らせします。

先日、クリスマス商戦真っ只中のNY5番街を歩きながらウィンドーショッピング。

某超有名宝石店に入ってしまいました。5番街の喧騒とは遮断され、重厚感溢れ、高級感が隅々にまで滲み出ている店内。店員の方も、雑誌から抜け出た様な方々が恭しい雰囲気で徐々に距離を縮めて来ます。このアプローチの仕方は正に芸術的。多分、彼らは私の事を金持ちの中国人だと思っているのだろうなと思いつつも、飾られている幾つかのダイヤモンドを見ていると、静かに「You have a right choice 」と言われ、近くの席に案内されてしまいました。そして、私が見ていたブルーダイアモンドがケースから取り出され、目の前に出され、「This is the only blue diamond we have here」と言いながら自分の指に嵌めて見せてくれたのです。確かに美しいです。その店員さんの容姿とブルーダイヤモンド、そして彼女のブルーアイはマッチします。因みに、2.6カラットと小さいですがブルーダイヤモンドは非常に稀との事で、値段は$4.2ミリオンと少々張るとの事です。勿論GIAの鑑定書付きで、このダイヤモンドは当社が発掘するダイヤの選りすぐりで、トップ1%の物だけ店内に陳列しているそうです。 このブルーダイヤモンドは最後の品なので、店員が当社の米国CEOに電話をし、特別CEO価格と言う事で$3.5ミリオンに値下げして頂きました。

実は、私は全くの冷やかしでは無く某顧客から頼まれて調査に来たのですが、この2分間で$700,000も値下げしてくれたのは驚きでした。多分仕入れ価格は半値以下でしょうから、この値段でも大きな利益になるのでしょうが。因みに、香港に輸出する場合には税金は掛からず、これぐらいのクラスのダイヤですと当社の人間が直に香港まで運んでくれるそうです。

検討させて頂くと言う事で、店を出ましたが帰り際には名刺を頂き、そこにはBoutique DirectorとBrand Ambassador と言う肩書きが書いてありました。ただの店員さんではないとの事です。

と言う事で、皆様これからの光物のギフト、特にダイヤモンド等をお求めになる際には私に一声お掛けください。アドバイスが出来るかも知れません。因みに、ダイヤモンドが一番売れるのはクリスマス前では無く、バレンタインデー前らしいです。その次は春、6月の結婚シーズン前との事です。この時期はタイトな需給関係から値が上がりそうですね。

 

クリスマスに欠かせないもの?

2012 DEC 24 14:14:06 pm by 安岡 佳一

アメリカに渡りまして、早21年。留学を含めますと25年。 ロンドンに4年おりましたので、通算30年弱の海外生活になってしまいました。その間、一度も日本で年末・年始を迎えておらず、この時期のあの日本での盛り上がり感を忘れそうです。今でも、クリスマスの時期になると山下達郎さんの曲が掛かるのでしょうか?

ところで、最近こちらの新聞で取り上げられたり、アメリカ人の友人に聞かれる事に、日本人はクリスマスに何を食べるのだと言う質問です。こちらの新聞報道では、あれだけ食文化にこだわり、ミシュランの三ツ星レストランがフランスより多いと言われる日本で、クリスマスの食卓に並ぶのはあの「ケンタッキーフライドチキン」と聞いて、皆ひっくり返っています。「やはり、日本人は理解に苦しむ」と言う人もいますし、「いや、日本のケンタはアメリカの物と比べて別物だ」と言う人もおり、何だか変に盛り上がったりもしています。当の私も日本でケンタを食べた記憶が殆ど無く、コメントの仕様が無いので困っています。

日本のケンタッキーフライドチキン(KFc社)のマーケティングが上手かったと言えばそうなのでしょうが。 本当にそれ程人気があるのでしょうか? 皆様もも召し上がるのでしょうか?

 

ブラックフライデーの不可思議

2012 NOV 26 9:09:54 am by 安岡 佳一

先程、サンクスギビングデーに関して少々ご紹介しましたが、本日は補足でブラックフライデーについて少々。

例年サンクスギビングデーの翌日の金曜日は「ブラックフライデー」と呼ばれ、この日からクリスマス商戦が本格的に始まると言われています。また、この日は大幅な値引きをすると言う事で、買う方もかなり気合を入れて買いに来る様で、年々大変な騒ぎになっています。数年前までは、当日の店の開店時間を朝の5時とか6時にしていたものが、段々エスカレートして夜中の3時ー4時から、夜中の12時丁度であるとか、フライング気味にサンクスギビングの日の夜11時に開店する所も出てきています。NYマンハッタンの有名なMacy’sと言う百貨店は朝5時に開店したようですが、その時には1万人以上の顧客が今か今かと店の周りで行列を作っていたそうです。インディアナ州のあるモール(ショッピングセンター)では、何と朝3時の開店前に3万人の人がドアの前で列を成していたそうです。多分、気温は氷点下になっている筈で、皆どうしてそんなに競って買いに行くのか理解に苦しみますが、最近段々分かって来た様な気がします。全くの勘違いかも知れませんが。

あれだけの大変な思いをして寒い中行列に並ぶ方々の目的は、勿論1ドルでも安く物を買いたいと言う人は沢山いるのは間違いありませんが、他にもあるように思います。アップルのお店はブラックフライデーでも値引きしませんが、長蛇の列が出来ます。経済的な目的以外にも何か目的がある筈です。

私の解釈では、これは一種のお祭りと言うか1年に一度はしなくては行けない行事なのではないかと思います。 日本人の行動を考えてみれば、お祭りに熱くなって寒い時でも暑い時でも、気分が高揚して「ハイ」になるあの心境に似ているのではないかと思います。 そう言えば、アメリカ人の最も好きなスポーツはアメフトですが、雪が降り続ける中で、試合開始数時間前から駐車場でパーティーをやって盛り上がったり、皆で寒さに震えながら応援する一体感で「ハイ」になりたいが為に行くと言う人達を私は沢山知っています。それに共通する意識ではないかと思います。

最近では、この狂気とも言える行動を見ようと言うツアーが企画され、外国から観光客が多数来るそうです。確かに、よくニュースで開店と同時に突撃しようとして将棋倒しになり死亡者が出るケースもありますし、商品の取り合いで殴り合いの喧嘩になるケースも多々あり、それらが外国にも報道されあたかもスポーツ観戦のノリで来られるそうです。まあ、何れにせよNYには毎年5000万人の観光客が来て、市にとってはとてつもない大きな収入源になっており、海外から何を見に来ようが大歓迎である事は間違いありません。さて、次は何が観光アトラクションになるのか、アメリカと言う国はいろいろありで、面白い国です。

サンクスギビングデー

2012 NOV 26 8:08:46 am by 安岡 佳一

先週の木曜日は、サンクスギビングデーでした。御存知かもしれませんが、毎年第四木曜日がサンクスギビングデーで、アメリカではクリスマスと同じくらい重要な祝日です。 この日はキリスト教を信じる人もユダヤ教も他の宗教の人達も一緒にお祝い出来る日と言う事で大きな祝日になっています。 因みに、この日は国民の祝日なので、公共機関、会社等々お休みですが、日本の祝日とは違い何と店と言う店はお休みで、殆どのレストラン、マクドナルドやケンタも含めたファーストフード店も休み、コンビ二等の店も休みになります。(中華は流石に開いていた様な気がします) また、別の観点から言いますと、サンクスギビングデー前日が1年で一番人が動く日と言われており、如何に大きなイベント的な祝日かと言う事がご理解頂けると思います。

我が家は今年は友人の家にお呼ばれに与り、普段とは少々違った経験をさせて頂きました。この友人は、マンハッタンのアッパーイーストと言われる、比較的富裕層が住んでいる地域に住んでおり、仕事はお医者さんです。それも、スポーツ医と言う専門医でプロの選手の足の手術専門と何ともNYならではの職業です。当友人はユダヤ人ですが、奥さんはアイルランド系のカソリックと言う組み合わせ。クリスマスと違って、サンクスギビングは宗教を超えたお祭りで皆が共有出来る所が、多宗教国家のアメリカにとって大きなイベントになっている所以ではないかと思います。今回は、総勢20名が招待されておりました。親御さんや親戚の方々が半分位で、ある人はコロラドから29時間掛けて車で来た人もいらっしゃいました。他には医者仲間、某スポーツ選手、ご近所等多彩で、いろいろな人種の方もいて This is America と言う顔ぶれでした。

この様な場での会話の内容には少々気を使います。やはり、クリスマスも近くなってくるのでその話題になりがちですが、ユダヤ人にはクリスマスはご法度と言う事もあり、禁句です。しかし、奥さんはカソリックだし、何の話をしたら言いのだ?!と言う状況に陥りますが、そこで、誰かが話題を振ったのは先日猛威を振るったハリケーンの話、大統領選から今後のオバマ大統領の施策について等々でした。 特に、オバマケアと呼ばれる健康保険問題に関しては、医者が多かったと言う事もあり結構熱い議論を交わしていました。

結局、昼頃から始まったサンクスギビングディナーは夕方まで続き、2回目の食事を始める人が出てきたところで、我々は失礼を致しました。ご参考までに、Dinnerと言う言葉は必ずしも確りとした夕食に限らず、この様な大きな食事会の時にも使います。

もう一つご参考ですが、クリスマスは文字通りキリストの生誕祝日ですので、他宗教の人からすれば、関係無いか又は忌々しいと感じる方々がNYには多数います。皮肉な事にイエス・キリストと同じ人種のユダヤ人の殆どはユダヤ教を信じており、クリスマスに対抗するかの様にこの時期はユダヤ教独自の新年のお祭りを行います。ユダヤ教の新年行事の方がキリスト生誕よりずっと古いのでしょうが。ユダヤ教信徒やイスラム教信徒、他の宗教を信じる団体が、「空港や公共の場にクリスマスツリーを飾るな」と抗議し、実際に幾つかの空港等ではクリスマスツリーを撤廃したと言うニュースが最近時々出ます。この話題は、常に骨肉の争いをし、いがみあっているユダヤ教とイスラム教の人達の意見が一致する数少ない話題です。一方では、先の大統領選挙で明らかになった様に、昔のアメリカを仕切っていたWASPの力が落ちてきたのかなと感じさせられます。

この様な光景を見ていると、宗教戦争に関して申し上げれば日本は比較的平穏で幸せですね。

 

 

 

大統領選の結果を見て

2012 NOV 8 15:15:33 pm by 安岡 佳一

結果は、圧倒的にオバマ大統領の勝利に終わりましたが。 いろいろな人のコメントを聞いていると、成る程なと思う事がありました。 結局、ロムニー氏はアメリカの変化を見抜けなかったのだなと言う事です。 時代は、変わって行っているのに、昔の選挙戦術を頼りにしていると間違うと言う事が今回の選挙結果を受けて改めて理解出来た様な気がします。 そう言えば、私の上の娘も選挙権を持ち今回初めて投票していましたが、先ずはこの様な若い人がどんどん選挙人として投票している事。有色人種、特にラテン系の人達が相当数投票している事、同性愛者やそれらを支持する様な違った価値観を持った人も増えており、その様な人達が投票している等々、勿論女性有権者増と昔の選挙人とは顔ぶれが違うのです。 ロムニー氏は、一方でよく戦ったと評価されています。何故なら彼は、今までの共和党のどの大統領候補と比べても白人の男性からの得票率と得票集は過去最高だったからです。 しかし、上記の様な新手の選挙人の間にはなかなか浸透する事が出来なかった事が敗因の様です。 因みに、アメリカの人口は現在約3億10000万人強ですが、毎年約300万の人口増加が起きています。内訳は、国内の出生ー死亡の純増が200万人、そして移民が100万人です。国内の出生、移民共にラテン系の増加が目立ち、又、移民ではアジア系の増加が顕著です。この様に、今回の選挙でも段々明らかになって来た事は、白人の男性至上主義的な考え方は数の点からも既にピークを過ぎたと言う事だと思います。

大統領選まであと2日、それからの株式市場の行方は?

2012 NOV 5 14:14:20 pm by 安岡 佳一

11月6日の大統領選まであと2日です。今回は上院議員33議席、下院議員435議席、州知事11名の改選もされます。米国の下院議員は2年毎の選挙なので本当に大変だと思います。一方、上院の任期は6年で2年毎に3分の1ずつ改選されます。

さて、大統領選挙の行方ですが現段階では全く互角と言って良いのではないでしょうか。若者とマイノリティー、女性に強いオバマ大統領と、白人男性から60%以上の圧倒的支持を取り付けているロム二ー候補の対決姿勢は、ハリケーンが去った後再び熱くなってきました。この大統領選の行方を決するであろうと言われているオハイオ州では、若干オバマ大統領有利かと報道されていますが、この報道に危機感を覚えた共和党の選挙マシーンと言われる運動家が血眼になってオハイオ州を駆けずり回っている様です。 正直、蓋を開けるまで分かりません。

ところで、選挙後の株式市場を占う評論家は多々おりますが、私が注目している投資家によりますと、現職のオバマ大統領が再選されても、ロムニー氏が当選しても米国株式市場は年末に掛けて上昇すると言い切っております。理由は以下の様です。

1.過去の大統領選の年の株式市場を分析した所、民主党の現職が再選された場合の平均リターンは14.5%、共和党候補が新たに当選した場合は平均18.8%上昇しております。 現在、S&P500は表面上(配当を除く)は12.5%上昇しているので未だ上はありそうで、特にロムニー氏が当選した場合更に上昇しそうです。

2.米国の企業業績は依然として強い。流石に先の四半期から増益幅は粗ゼロになりましたが、此処に来て国内の住宅、エネルギー、消費、サービスが伸び始めており、再び増益基調になると見ている人が増えてきている。因みに現在の企業業績の額は過去最高です。

3.米国企業が保有する現預金は過去最高を更新しており、これらの資金をバックに設備投資額も今期は過去最高を更新する予定。

4.米国の失業者にばかり注目が集まっていますが、民間の就業者は2009年3月を底にそれ以降350万以上増加しており、一方で財政支出削減の為連邦、地方の公務員を60万人以上減らしているのは健康体になりつつある証し。

5. 世界的に株式市場のバリュエーションは歴史的に見てもかなり低いレベルで、米国市場を含めてPERで見ても13倍程度。

6.株式市場と言うのはひとつの悪材料には直ぐに反応しますが、時間が経てば上記の様な複合的な好状況を糧に熟成する様に上昇する。上昇する理由の方が、幾つも確りとした芯があって強く、度々言われている欧州危機や米国が直面すると言われている来年の財政の崖と言う悪材料は現時点では既に織り込み済み。

等々の事だと言う事で、強気だとの事です。この方は、相場を当てるのがなかなか得意で、かなり勝率が高いものですからご紹介してみました。

私の実感としては、米国の経済は思った以上に強いと思います。上記の理由もそうですが。体感として、以下の事象が見て取れます。

1.クリスマス商戦前ですが、今から既にショッピングモールでの買い物客が多い事に驚かされます。週末は駐車場探しに苦労します。実際に皆買い物袋を下げており買っています。

2.売りの不動産物件数が少なくなってきています。これは、最近の住宅市場の回復のニュースをご覧になっていれば分かると思いますが、実感として売り看板数が減っていると思います。

3.やたらに新車の数が増えている感じがします。新車ですと仮のナンバーが張られているので、直ぐに分かります。

4.各大手企業のクリスマス商戦に掛けての短期とは言え臨時雇用の数字が半端では無く、数万人単位で募集し始めています。

と言う具合に、特に諸悪の根源の様な住宅市場が浮上し、雇用に明かりが見えてくれば、更なる消費行動に火を点け、それが更なる雇用増になり、住宅も買い、経済全体に波及すると言う様な正のサイクルに入りつつある様に思えます。そうなると、株式市場も更なる一段高は充分あるなと感じている次第です。

以上

6日振りに電気が来ました。

2012 NOV 5 13:13:40 pm by 安岡 佳一

その時は、前触れも無く突然やって来ました。 家中の電気が一斉に点き、換気扇が動き始めて最初は何なのだと思いましたが、6日も電気無しの生活をしていると電気が戻っても文明生活に感覚が戻るのに数秒時間が掛かりました。でも、嬉しいですね。思わず、エジソンさんありがとうと言ってしまいました。 しかし、マダマダ停電の家庭が多いとの事です。 外では、自動車や発電機のガソリンを買い求める為に3時間待ちの行列は続いています。これを機に非常食、ろうそく、懐中電灯、防寒具等々が又一段と売れる事でしょう。 通販では、非常事態の為の食料品1年分、拳銃等の銃火器、燃料、金貨や金、銀等が売られており、異常な位に注文が殺到している様です。

因みに、米国ではいつ革命が起きたり戒厳令が出ても自宅に立て籠もれる様にと真剣に準備している人は意外と多く、特に富裕層の間ではかなり浸透しているようです。私の友人も、真剣に私に準備する様に言う人が何人もいます。

日本の方が聞かれると、米国でそんな事をしているなんて頭がおかしいのでは無いかと思われるかもしれませんが、これもアメリカの厳然とした一面です。

 

ハリケーン・サンディー

2012 NOV 1 18:18:01 pm by 安岡 佳一

皆様、ご健勝の事と思います。 バタバタしておりまして、少々お留守をしておりました。

留守の間に、懐かしい石井さんがメンバーになられて、とても嬉しく思いました。

しかも、お勤め先がレーサム様とは、更なる喜びです。

ところで、今回のハリケーン・サンディーの来襲には個人的にもマクロ的にもいろいろと影響を受けまして、少々功罪をお知らせしたいと思います。罪の方は勿論、これだけNY界隈の経済を粗完璧にストップさせ、NYSEも1888年以来という2日連続の休場にし、粗全ての交通機関もストップ、学校は未だに休校等々で、ダメージは3兆円とも4兆円とも言われています。

電気もストップしている所が多く、一時は私が住んでいるニュージャージー州の約70%が停電になり、3日経った今でも40%の地区に電気が来ておりません。 我が家も三夜連続の停電です。

ようやく景気が回復するかと見られている中で、中小企業がこのハリケーンダメージで、レイオフをするのではないかと不安視されています。 事態は確かに大変なのですが、事停電に関しまして申し上げますと、数日に亘る停電はこの地域では珍しい事ではありません。 実は、今年の春にも私の住むエリアでは5日間に亘る停電が起きました。 昨年も確か雪の影響で数日間起きました。日本の方からすれば、信じられないでしょうが、米国では停電は本当に頻繁に起きまして、ここは低開発国かと思います。 日本の電力会社は昨年の原発事故以降叩かれまくっていますが、停電率と言う事で言えば大変優れていると思います。

ところで、米国でなぜ停電がそれ程長期化するのかと言う事ですが、それは住宅地の非常に多くの大木が林立しており、それらの木々が倒れ電線を切ってしまうからだそうです。 添付の写真をご覧になって頂ければ分かると思いますが、この様な状態が数千箇所で起きてしまうとやはり時間が掛かるのでしょう。
従って住民はそれ程文句を言いません。

住民は各々電動機を買っておりまして、それで自家発電をし凌いでおります。

しかし、これがうるさくてうるさくて困ったもので、2次災害の様相です。

IMF レガルド専務理事との思い出 

2012 OCT 14 4:04:50 am by 安岡 佳一

IMFレガルド専務理事との思い出

実はレガルドさんとは一度お目に掛かった事がありまして、その時にこの方の人となりを垣間見る事が出来て思い出深いミーティングになりました。
その経験をメンバーの方々に共有したいと思います。

それは、約3年程前に親しくしているNYSE(NY証券取引所)の幹部の一人から、今度フランス史上初の女性財務相がNYSEにいらっしゃるのだけど、朝食会に出るかと言う誘いを受け、何の気無しに面白そうだから行く旨を伝えました。

私は当初ゲストは100人以上来ていてその内の一人だろうと高を括って行ったところ、案内されたのは意外と小部屋で中央に丸テーブルが一つ、
客席は約10席弱、そこにナイフ、フォーク、グラス等が恭しく並べてあり、既に何人かゲストと思しき人たちが壁際に立っていました。 そこに、私の友人が現れ恭しくゲストに挨拶をし、レガルド財務相は数分後に到着する旨を伝えました。 私は直ぐに彼を捕まえて、ゲストはこれだけかと誰がゲストとして来ているのかを聞いてたところ、彼は胸ポケットから紙を取り出しそっとリストを見せてくれましたが、非常に驚きました、ゲストにはアメリカンエクスプレス、ファイザー、ユナイテッドテクノロジー、P&G,スターウッド等々の何れもCEOです。 どう言う訳か、アジア人では私一人、当時は私は三菱UFJ証券USAの副社長をしておりましたが、どうひいき目に見ても役職他全てに於いて馴染めないメンバーです。 私は、当友人に対してどうして事前に教えてくれなかったのかと小さい声で抗議すると、「No Problem」の返答でした。 ドキドキしていると、レガルド財務相が登場しゲスト一人一人と握手と簡単な挨拶を交わし、私と挨拶を交わすときは「コンニチハ」と来たものですから、「ボンジュール」と答えたのを憶えています。 一通り挨拶を終え、ホストのNYSEのダンカン社長が皆の着席を促し、朝食会が始まりました。 最初に、ダンカン社長がレガルド財務相の略歴を紹介し、なぜ本日NYSEにいらしてこの朝食会を行うか等の主旨を説明し、バトンがレガルド財務相に手渡されました。 この時、やっと本日の主題は、米国企業をフランスに誘致する事とNYSEと合併しているパリのユーロネクスト証券取引所への上場勧誘が目的である事が分かったと言う、何ともお粗末な状況でした。 そこに、どうして私がと思ったのは、当友人がMUFGはNYSEに上場しているがユーロネクストには上場していない、米国企業だけでなく異色の日本企業も入れて置いた方が良いだろうと言う非常にアバウトな考えから、誰にしようかと考えていたところ当友人と共にダンカン社長とも面識がかなりある安岡と言う判断に成ったようです。 経緯は兎も角、当朝食会ではレガルド財務相に圧倒されました。 先ずはあの独特のアクセントがあるフランス人であるのにあまり癖の無い英語で流暢に話せる事。何でも米系の大手弁護士事務所のパートナーの経験が長かった様で、米国英語とアメリカ人の気質を知り尽くしているとの事の様でした。 話のポイントが非常にクリアな事。 今回はフランスが如何に労働環境が変わってきたかを強調し、昔の様な超長期のバケーションは無いとか、1週間の労働時間制限は伸ばしたとか、フランスに進出した場合研究費は1億ドルは税額控除にする事、そして一番驚いたのはユーロネクストに上場する場合は、NYSEに上場している限り非常に簡便な審査だけで終わり、株式をオファーする際の目論見書は英語で良いと言う事です。  あの文化意識が世界一高いとされるフランスの財務省が英語で米国企業の誘致に熱弁を振るい、且つフランス語に対するプライドは勿論世界一拘っているフランス政府のトップの方から、英語の目論見書で良いと言う言葉を聞き、正直耳を疑いました。 レガルド財務相は当たり前の様な顔で熱弁を振るっていました。 又、ひとりひとりのゲストに対して御社はフランスで云々の活躍をされていますね等々の話をされて、充分下準備をされている事がよく分かり又俄か勉強で無い事もよく分かりました。 例えば御社の誰々と先週会ったとかの下りも結構あり、外資系の民間企業にも頻繁に会って意見交換している事がよく分かりました。 何だか自分の番になるのが恐ろしくなってきましたが、レガルド氏はMUFGの事はよく知っており例のリーマンショックではモルスタ救済の決断は見事だったとのお褒めのお言葉と何と私とダンカン社長の間柄の事までご存知で、この様な日本人が今後の日本の国際化の時代に必要だと褒め殺し状態で恐縮したのを覚えています。 この朝食会中は、お付きの人とか官僚が横からサポートをする様な野暮な事は一切無く、彼らは壁際に静かに座っていただけでした。 帰り際には、ひとりひとりに対してNYSEから土産としてレガルド財務相と朝食を共にしたと言う記念のメダルをレガルド財務相から直々に頂き、お見送りした次第です。 その後、部屋に残されたCEOの方々は私が感じた様な感想を持たれた様で、脱帽だと言っており、将来必ず彼女はもっと上の位、フランスの大統領にも充分に成り得るだろうと話していたのを覚えています。 何とも凄いスーパーレディーで、今週行われていたIMF総会でもリーダーシップを発揮されていると思います。

以上

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