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Tokyo male choir KuuKai 演奏会

2023 NOV 21 18:18:03 pm by 西村 淳

11月20日(月)夜、トッパンホールにお邪魔する。方向音痴はさっそく道が判らなくなる。開演10分前に無事着席。来年5月にご一緒させていただく栗友会の男声合唱団「KuuKai」さんのご招待を受けたが、合唱のコンサートは生まれて初めてのことだ。

プログラムは、
シューベルト 「夜」(詩:グルンマッハー)D.983c 「水上の霊の歌」(詩:ゲーテ)D.538
指揮 麻山皓太
詩:谷川俊太郎 曲:新見徳英 男声合唱とピアノのための「ことばあそびうたⅡ」
指揮 横山琢哉
詩:中原中也 曲:多田武彦 「冬の日の記憶」
指揮 高山太一
詩: 高野喜久雄 曲:高田三郎 男声合唱組曲「水のいのち」
指揮 栗山文昭

指揮者以外全員タキシードにボウタイという正装はやはり意味のあるもの。靴もピッカピカだ。出入りの順番もきちんとしている。Es muss sein!
舞台に緊張感も漂うなか1曲目のシューベルトのアカペラによる美しいハーモニーが鳴る。これだけでこのコンサートの成功が約束されたようなもので、最後の曲の一音が消えた時、批判的ではなく珍しく音楽そのものを愉しんだ自分がそこにいた。
仕事を抱えながら大好きな音楽を肌身離さずに持ち続けることの大変さはよく理解しているつもりだ。また4人の指揮者という変則的な形もうまく作用し、ハードな練習を乗り越え成功を導いた仲間たちに心からおめでとうと感謝を伝えたい。
合唱が器楽と違うのはハーモニー感だ。音律がどうのこうのではなく、人はハモるということを体で知っているし、それが楽器という道具を通すと四苦八苦が始まってしまう。どうしてかはかわからないけれど。
配られた他の演奏会のチラシを見ると半数以上が日本の作曲家のもので、人も作品もまったく知らないし、アマチュアの団体が依嘱することもよくあるようだ。このあたりは私たちとはいささか事情が違う。
以下簡単に備忘を。
最初のシューベルト、客席が埋まったホールの響きに手探り状態だったのは第一曲目というハンディを背負ったせいだ。実際、pから、ppにという繊細な出だしはプレッシャーだったに違いない。ドイツ語の発音練習の成果は歌いだしの発音がはっきり聞こえフレーズ感がよく伝わった。
2曲目の自信に満ちた発声は迫力満点。この難しい曲をどうやってものにしたのだろう。休憩後の3曲目は中原中也の詩であることから期待したが、曲はいたって凡庸な感じ。そして最後は私も知っている合唱曲の定番であり、学生時代にどこかで歌った記憶が蘇った。大御所の確固たる指揮のもと合唱団に生気と集中力が蘇り、嬉々として歌っている姿が楽しかった。
立派な演奏会だった。アカペラの最初に音をとる笛みたいのさえ新鮮だったし、アンコールに「つくば山麓合唱団」を是非聴きたかったなあ。コンダクターは山ガエル~♬

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