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「53」プログラミング

2024 MAY 19 19:19:27 pm by 西村 淳

ライヴ・イマジン53「シューベルティアーデ・イン・錦糸町」を成功裏に終えることができた。イベントの回を重ねる度に奏者の弾く喜びや楽しみ、自己満足といったものに、公的なものが重なるようになり、勝手なことができる範囲が狭まってクオリティの面でも要求度が高くなってきたことを感じる。
こういったイベントはプログラミング、人選、運営、リハーサル、本番、打上(アマチュアだけかも)までの一連の流れに、どこか一つでも破綻するとすべてが崩れ去る。臨機応変な対応と経験値が求められるステマネの力量はとても重要だ。この中で好評だった「53」のプログラミングについて触れてみる。
まず、ピアノ入りの室内楽。幹事特権でピアノの入った曲がまず1曲決まる。ピアノ五重奏曲「鱒」だ。この曲を希望していたメンバーが他に2人いたため、すんなりと決定。ここからがスタートだ。
シューベルトは短い生涯にも係わらず器楽、声楽などどんな分野(膨大な歌曲だけでなく、オペラすら未完のものを入れると20曲も!)にも多くの作品がある。当然彼の作品のみでプログラムを賄うことが出来る数少ない作曲家だ。「シューベルティアーデ」をやりたいなら、必然的に「歌」を省くことは出来ないと言うことで候補にしたのが10数年温めてきた「水上の霊の歌D714」だ。この曲を知った経緯は以前ここに書いた通り。

水の上の霊の歌

ただこれを俎上に載せるには器楽奏者は別にしても8部の男声合唱を歌える団体があるのだろうか?「X」をいろいろと見ているうちに「Tokyo male choir KuuKai」なる団体が目につき、彼らが自主公演で予定しているプログラムに「水上の霊の歌」が含まれているのを見つけた!後にそれが、同名異曲のD714ではなく、D538のアカペラ版だったことが判明するが、この時点ではシューベルトが完成したヴァージョンが2つあることを知らなかった。さらに彼らの主な練習場所は家から近い秋葉原の昌平童夢館。で、出来すぎているじゃないか・・!?まるで私が声掛けするのを待っていたかのようだ。さらにKuuKaiさんが「栗友会」の下にある12団体のうちの一つであることも初めて知った。その後、栗友会事務局からの「許可」が無事に下りてこの曲をプログラムに入れることが決定し彼らの十八番になっているアカペラ版を冒頭に持ってきて再演も実現した。

Tokyo male choir KuuKai 演奏会

霊が降臨し何と見果てぬ夢が、現実となった。これだから自主企画は止められない。終演後、この演奏会は企画の勝利だと何人もの方から感想をいただいた。演奏の勝利だとはなかなか言ってもらえないが、まだまだチャンスはある。腕を磨いて企画と演奏の勝利だと言わせてみようじゃないか!

2024年5月11日(土)すみだトリフォニー小ホール

[男声合唱 アカペラ] 
D 538 水上の霊の歌
D 983c 夜 

[室内楽]
D 667 ピアノ五重奏曲 イ長調 「鱒」

休憩

[歌曲]
D 774 水の上で歌う
D 776 あなたは安らぎ
D 550 鱒

[室内楽]
D 471 弦楽三重奏曲 変ロ長調 Allegro

[男声合唱+弦楽五重奏]
D 714 水上の霊の歌

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