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スポーツ報知と紙のこと

2022 OCT 4 14:14:49 pm by 西村 淳

散歩コースにある両国国技館のお隣のビルに報知新聞社が移ってきた。アンチ巨人としてはふーん、程度の事だったけれど、最近はスポーツ紙はもとより日刊紙もほとんど手にすることがなくなった。街の小さな本屋が姿を消して久しいが、商売の柱は雑誌や週刊誌、漫画だったに違いなく、一過性の情報はデジタル世界に飲み込まれてしまったのだ。最近はこの傾向が拡大して楽譜にまで及んで来た。仲間うちでもタブレットPCを譜面台に置いてフットスイッチでページめくりをしたりしているが、どうも好きになれない。
コロナ禍の中でも保健所とのやりとりはファックスで、という情報が流れ、メール添付というやり方すらご法度なのには驚いた。野村證券の担当者とのやり取りもメールは×で電話のみ。古き良き技術を大切にしていると言えば聞こえもいいがその時点では「この時代遅れめ!非効率そのものじゃないか!」とイラっと来たものだ。ところがよく考えてみると「紙」として保存された記録は「歴史」として残っている。逆に「紙」のなかった時代の歴史は真っ白。
昨今ではデジタル大臣などというキワモノも出現しているが、行政文書などは絶対に紙として遺さなければならない。何処に保存されているかわからない、突然消えてしまうかもしれないクラウドなど、もってのほか。13世紀に無知なモンゴル軍が破壊の限りを尽くしたバグダードではギリシャ時代からの天文学に至るまでの貴重な書物を所蔵した「智恵の館」が葬り去られた。簡単ですよ、便利ですよという甘い誘いと共にデジタル軍襲来で同じことが現代に再現され、国家が滅亡してしまうかもしれない。アメリカの先の大統領選挙でも「投票用紙」が作れない、間に合わない(製紙会社が潰れてしまって)のでインターネット投票をなんて言っていたが、数字やデータの書き換えなんかやり放題だろう。選挙と民主主義はイコールなのにこのざまだ。ところで簡単・便利でQUOカードまで付いているマイナンバーカードの情報管理は一体どうなっているのだろう?
横道にそれてしまったが、その報知新聞(スポーツ報知)が地域コミュニティー紙を年三回無料版を発行している。地域密着で本気度を見た感じがする。さっそく両国駅前で手に取ったのが墨田区の「銭湯」特集。ちょうど浴室、洗面所のリフォームを計画中でもあり工事期間中の銭湯が気になりだしたのでこの号はドンピシャ。よーし、来年は巨人ファンにでもなろうじゃないか。

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